2012年2月25日発売
玄宗側近の楊国忠に賄賂が流れ込む。国難を憂えた朝衡、すなわち阿倍仲麻呂は、密かに楊貴妃暗殺計画を練るが、真備は冊封体制下に入ることと引替に、玄宗から新羅への不干渉と、天皇号承認を引き出す。揺れ動く国情、戦いの予感。一方、冊封使となった朝衡は実に三十七年ぶりに帰国することになり、鑑真の渡海に手を貸すが遭難、唐に舞い戻ると、安禄山が謀反を起こしー。近衛兵となった真幸の運命は?歴史活劇の白眉。1999年読売文学賞受賞作。
藤原広嗣の庶子、真幸は遣唐大使護衛士として大陸へ渡った。長安には玄宗皇帝の信頼を一身に集める日本人高官、朝衡すなわち阿倍仲麻呂がいた。在位四十年、玄宗は楊貴妃への愛に溺れていた。帝国の財政、司法、警察の絶対権を司る男、楊国忠。兵馬の大権を握り、辺境に陣取る安禄山。二人が衝突すれば、国難は必至。智謀に優れた吉備真備が加わり、各人の思惑が錯綜する中、真幸は思わぬ役割を命ぜられー。壮大な大河小説。
1995年1月17日、兵庫県一帯を襲った阪神淡路大震災。死者6347名を出したこの未曾有の大地震には、数々の不審な点があった……『下山事件』『TENGU』の著者が大震災の謎に挑む長編ミステリー。
八神俊彦は自らの生き方を改めるため、骨髄ドナーとなり白血病患者の命を救おうとしていた。だが、都内で連続猟奇殺人が発生。事件に巻き込まれた八神は患者を救うため、命がけの逃走を開始するーー。
吉原近くで斬られた男は、火盗改同心・風間の密偵だった。密偵は、死者を出さない手口の「梟党」と呼ばれる盗賊を探っていたが、太刀筋は武士のものと思われた。与力・雲井竜之介が謎に挑む。シリーズ第2弾。
父親が遺した事件を解決するため、探偵となった高校生の甘栗晃。次なる依頼人は、「名古屋最凶の中学生」と恐れられた、元不良の徳永。彼から、袋小路で「消えた」恩師を探してほしいと頼まれた晃は……。
伝説の『殺人鬼』ふたたび! ……蘇った殺戮の化身は山を降り、麓の街へ。いっそう凄惨さを増した地獄の饗宴にただ一人立ち向かうのは、ある「能力」を持った少年・真実哉! ……はたして対決の行方は?!
時は平安。神代の昔に閉ざされた黄泉の扉を、開こうと画策する者がいた。そのために彼らが欲するのは、神の血をもつ生贄。北辰が翳り、瘴気が吹き荒れるなか、見習い陰陽師・昌浩は都を救うべく奔走するが・・・・・
カリフォルニアでマリファナのビジネスで成功していたベンとチョン。だがメキシコの麻薬カルテルが介入し、二人の恋人オフィーリアが拉致されてしまう。二人は彼女を取り戻すために危険な賭けにでるがーー。
僕は恋人のリエを殺した。いや、殺したはずだったー。だが僕が警官に連行された先は、封鎖された会議室らしき場所。しかもそこには5人の男女が集められ、警官を含めた全員が驚愕の告白を始めていく。「私がリエを殺しました」とー!謎の主催者の指令のもと幕をあけた、真犯人特定のためのミーティング。交錯する記憶、入り乱れる虚実、明らかになっていく本当のリエ。リエを殺したのは誰なのか!?予測不能の新感覚ホラー、開演。
愛されること、それこそはノーマ・ジーンが長い間望み、一度も叶えられたことのない夢だった。自分に自信がなく、人生にも絶望していたー。繊細な魂を胸に秘め、大リーガー、ディマジオと結婚、大作家ミラーと恋愛、また大統領ケネディの愛人となり、彼らの秘密を見つめ続けた世界の恋人マリリン・モンロー。成功の階段を上りながら求めたものは何だったのか?新たな視点で描いたハリウッド美神の悲劇、決定版。
掟破りの推理法で真相を解明する水平思考に天性の才を発揮する浅倉絢奈。中卒だった彼女は如何にして閃きの小悪魔と化したのか? 鑑定家の凜田莉子、『週刊角川』の小笠原らとともに挑む知の冒険、開幕!!
家族と生まれ育った美しい屋敷をこよなく愛する少女パット。変化を嫌い永遠にこのままを願うが、時に身を引き裂かれる思いをしながら大人への階段を上っていく。少女の成長を描くリリカル・ストーリー!
施政権返還直前の沖縄、那覇。英字新聞リュウキュウ・ポストの記者・伊波尚友は、ある日ホワイトとスミスと名乗る2人のアメリカ人から反戦活動に関するスパイ活動を迫られる。離島出身ゆえに幼少の頃から差別を受け、沖縄にも日本本土にも憎悪を募らせる尚友は、グリーンカードの取得を条件に承諾。コザに移り住み、反米反基地活動に身を投じながら情報を集めていくー。
大学生の陽は、8歳年上の中野と関係を持つ。一番でなくても側にいたい、と彼の前で都合のよい女を演じるが… “第4回iらんど大賞”NHK賞『金魚倶楽部』椿ハナの、ほろ苦い大人の恋物語。
あの日を心に刻む、胸に迫るアンソロジー。東日本大震災により、甚大な被害を受けた日本。大きく魂を揺さぶられた作家、詩人たちは、何を感じ、何を考えたのか? 谷川俊太郎、多和田葉子、重松清、小川洋子、川上弘美、川上未映子、いしいしんじ、J.D.マクラッチ、池澤夏樹、角田光代、古川日出男、明川哲也、バリー・ユアグロー、佐伯一麦、阿部和重、村上龍、デイヴィッド・ピース。日米英同時刊行! あの忘れられない日を心に刻む、胸に迫るアンソロジー。2011年3月11日に発生した東日本大震災により、甚大な被害を受けた日本。福島第一原発の重大事故との闘いは、今後何十年も続く。大きく魂を揺さぶられた作家、詩人たちは、何を感じ、何を考えたのか? 谷川俊太郎、多和田葉子、重松清、小川洋子、川上弘美、川上未映子、いしいしんじ、J.D.マクラッチ、池澤夏樹、角田光代、古川日出男、明川哲也、バリー・ユアグロー、佐伯一麦、阿部和重、村上龍、デイヴィッド・ピース。 日本、アメリカ、イギリス同時刊行!本書の著者印税相当額/売り上げの一部は震災復興のため寄付されます。 谷川俊太郎 言葉 多和田葉子 不死の島 重松清 おまじない 小川洋子 夜泣き帽子 川上弘美 神様2011 川上未映子 三月の毛糸 いしいしんじ ルル J.D. マクラッチー 一年後 ジェフリー・アングルス訳 池澤夏樹 美しい祖母の聖書 角田光代 ピース 古川日出男 十六年後に泊まる 明川哲也 箱のはなし バリー・ユアグロー 漁師の小船で見た夢 柴田元幸訳 佐伯一麦 日和山 阿部和重 RIDE ON TIME 村上龍 ユーカリの小さな葉 デイヴィッド・ピース 惨事のまえ、惨事のあと 山辺弦訳