2013年11月29日発売
男と張り合おうとするな。みごとに潰されるから。祖母の残した言葉の意味は何だったのだろう。全力を注げる仕事を見つけて、ようやく彼に近づけたのに、和歌と仙太郎の関係は、いつかどこかでねじ曲がった。心血を注いだ渾身の長篇小説。
高校時代からの女ともだち三人も堂々たる五十代。動物園へ繰り出して語り合う、それぞれの近況、人生のあれこれ。孫もできる、恋もできる!思いがけない感情を発見しながらアクティブに生きる日々を軽やかに綴る長編小説。
撮影現場から姿を消した人気女優とあとを追う老俳優の、奇妙な逃避行。男の脳裏によみがえる、少年時代の禁断の恋。いくつかの曖昧な記憶が、思いがけず新しい像を結ぶー。思い出すたびに色合いを変える、遠い日の禁断の恋の記憶。ブッカー賞、フランツ・カフカ賞受賞作家による最新長篇。
緩やかに衰退する“共和国”の生体兵器として造られ数百年にわたり、戦いと孤独を生き抜いた少女。彼女は、初めて“誰か”の為に願ったー緑化政策船団211隻、すべて、私が墜とす。黄昏ゆく世界を硬質な抒情で描く本格SF。
もと芸者でいまでも粋なお蔦さんはご近所の人気者だ。滝本望はそんな祖母と神楽坂でふたり暮らしをしている。三学期がはじまって間もないある日、同じ中学に通うサッカー部の彰彦とその後輩・有斗、幼なじみの洋平が滝本家を訪れていた。望手製の夕飯をお腹いっぱい食べ、サッカー談義に花を咲かせた、にぎやかな夜。しかし望と彰彦が有斗を自宅に送り届けた直後、有斗が血相を変えて飛び出してきた「部屋が血だらけで!家ん中に、誰もいないんだ!」消えた有斗の家族の行方、そして家族が抱える秘密とはー。
パリの予審判事アンリ・バンコランは、剣の名手と名高いサリニー公爵の依頼をうけ、彼と新妻をつけねらう人物から護るために深夜のナイトクラブを訪れる。だが、バンコランと刑事が出入口を見張るカード室で、公爵は首を切断されていた。怪奇趣味、不可能犯罪、そして密室。カーの著作を彩る魅惑の要素が全て詰まった、探偵小説黄金期の本格派を代表する巨匠の華々して出発点。
ストックホルム市庁舎で開かれていたノーベル賞晩餐会で、何者かが発砲した。受賞者は重傷、一緒に踊っていた選考委員会の事務局長は即死だった。女性新聞記者アニカは、狙撃の際もっとも近いところにいたにもかかわらず、スクープをものにするどころか、警察から情報開示の禁止を言い渡されてしまう。華やかなノーベル賞の陰に何が?スウェーデン・ミステリの女王の代表作。
狙撃者は黄色の目を持つ女。アニカは殺された選考委員会の事務局長キャロリーンの死の瞬間が忘れられなかった。事件を目撃していながら、記事にできないジレンマ。新聞社から休職を言い渡された彼女は、ひとり選考委員会のあるカロリンスカ研究所を調べ始める。委員会のメンバー同士の確執、そして学生の不審死。ジャーナリストでもある著者が、ノーベル賞選考の舞台裏に迫る傑作。
砂漠を行くキャラバンを襲った連続殺人、スペインの風車の丘で繰り広げられる推理合戦…ひとりの青年が世界各国で遭遇する、数々の異様な謎。選考委員を驚嘆させた第5回ミステリーズ!新人賞受賞作を巻頭に据え、美しいラストまで突き進む驚異の連作推理。各種年末ミステリ・ランキングの上位を席捲、本屋大賞にノミネートされるなど破格の評価を受けた大型新人のデビュー作。
一冊の本をきっかけに、ガーンジー島の人々と手紙を交わしはじめたジュリエット。そこで彼女が知ったのは、大戦中ナチスに占領され不自由な世界を強いられた島民の心を支えた“読者会”の存在だった。
ガーンジー島へ渡り、島の人々と交流を深めていくジュリエット。大戦中から続く“読書会”を次回作の題材に決めた彼女は、ナチスに捕えられ消息のわからないエリザベスに思いを馳せる。ニューヨーク・タイムズのブックランキングで5週連続第1位。