2013年1月発売
ハワイ、パリ、江ノ島……6つの旅で傷つきながら輝いていくマユ。凝縮された時と場所ゆえに浮かび上がる興奮と焦燥。終わりがあるゆえに迫って来る喜びと寂しさ。鋭利な筆致が女性の成長と旅立ちを描く。
憧れの美少女こよみのため、大学のオカ研に所属する草食男子の八神森司。怪奇現象にまつわる事件を解決したオカ研に、映研から新たな依頼。それは、映画に映り込み、次第に大きくなる女の後ろ姿の幽霊で
写真家の遺児の元に現れるお化けの正体、老地主の奇妙な遺言ゲーム、亡き恋人からの最後のプレゼントの行方……和泉の鑑賞眼が遺品の謎を解き明かす! 生と死をつなぐゴシック・エンタテインメント。
※ご注文いただくタイミングによっては、お届けする商品のカバーとサイトに表示されている画像が異なる場合がございますが、ご了承くださいませ。 元気な小1、かのこちゃんの活躍。気高いアカトラの猫、マドレーヌ夫人の冒険。誰もが通り過ぎた日々が輝きとともに蘇り、やがて静かな余韻が心に染みわたる。奇想天外×静かな感動=万城目ワールドの進化!
パティシエールの小麦は、ケーキ屋を開くため故郷に戻ってきた。だが小麦の店を見て甥の叶夢は「はやらないよ」と断言する。叶夢の友達の「天使」がそう言っているらしいのだが……感涙必至の家族小説。
ペンションオーナーの森川は、春の海辺で倒れていた男、才谷を助ける。不思議な能力を持つ才谷に「前世」を見せられるが森川は納得できない。その記憶には、殺人の情景が鮮烈にうつし出されていたのだ。心に悲しみを抱える宿泊客も巻き込むスリリングな展開の連続。「前世」と「現在」が複雑に絡むハートフル・ストーリー。
昭和16年12月に生起した東シナ海海戦(米側呼称:バトル・オブ・ミヤコ・アイランド)で見るも無残な敗北を喫した米海軍は、雪辱を期して「デラウェア級」をしのぐ巨大新鋭戦艦「コネチカット級」2隻を竣工させ、太平洋艦隊に編入した。昭和17年5月5日、米太平洋艦隊はハワイ・真珠湾を出港する。目指すは、日本海軍が主だった艦隊と基地航空隊を集結させているトラック環礁だ。中部太平洋の制海権をめぐって激突する日本機動部隊と米太平洋艦隊!日本は“航空要塞”トラックを死守できるのか!?-。
世界三大肖像画家、写楽。彼は江戸時代を生きた。たった10ヵ月だけ。その前も、その後も、彼が何者だったのか、誰も知らない。歴史すら、覚えていない。残ったのは、謎、謎、謎ー。発見された肉筆画。埋もれていた日記。そして、浮かび上がる「真犯人」。元大学講師が突き止めた写楽の正体とは…。構想20年、美術史上最大の「迷宮事件」を解決へと導く、究極のミステリー小説。
謎の浮世絵師・写楽の正体を追う佐藤貞三は、ある仮説にたどり着く。それは「写楽探し」の常識を根底から覆すものだった…。田沼意次の開放政策と喜多川歌麿の激怒。オランダ人の墓石。東洲斎写楽という号の意味。すべての欠片が揃うとき、世界を、歴史を騙した「天才画家」の真実が白日の下に晒されるー。推理と論理によって現実を超克した、空前絶後の小説。写楽、証明終了。
なぜか懐しい。懐しいばかりか、少しも古びてはいない。風景描写などはことさらないのに、ありありと時代の景色を読み取ることができるー浅田次郎。松本清張を文学史上の「怪物」として敬愛する短編小説の名手が選んだ、卓抜した人物造形と生の悲哀ともに描かれた7つの名編。
「医療小説」は人のこころの深淵に根ざしている。松本清張はその分野の嚆矢であったー海堂尊。ときに人を救い、またときに人を殺す「医療」と「医学」。人が持つ根源的な聖性と魔性を浮き彫りにした名編は、現代社会に今なお警鐘を鳴らす。最前線の医療現場を描く編者が選んだ6つの作品。
劉備・関羽・張飛・孫権・曹操・諸葛孔明……英傑たちの物語が、いま幕を開ける! 後漢末の頃。貧しいが高貴な血を引く劉備は、世を救うという大志を果たすべく、関羽・張飛と桃園にて義兄弟の契りを結ぶ。跋扈する黄巾賊の征伐に乗り出した彼は、智謀に優れた人物、曹操に出会うーー。これぞ王道の「三国志」! 波乱に満ちた群雄割拠の世を描き切る、壮大で華麗な歴史スペクタクル。
董卓の暗殺に失敗して逃亡した曹操は、袁紹や公孫瓚らを味方に連合軍を結成。劉備たちも志願する。だが権勢を強める董卓は無謀な遷都を強行、民衆の苦しみは深まる一方だった。暴政に耐えかねた大臣の王允は、董卓とその臣下の呂布を対立させるべく、絶世の美女、貂蝉を使ったある計画を実行に移すーー。魅力溢れる英傑たちの活躍を描く傑作歴史ロマン、第二巻。
デザイナー・尾西香里が、「こだま757号」車内で殺害された!捜査線上に浮かんだ夫・洋次は、犯行の時刻、東京にて、愛人であるモデル、新井江美と密会していたという。日を置かず、その新井江美が香里の告別式席上で毒殺される。ふたつの殺人をつなぐ鍵は、どこに存在するのか?十津川警部が、男女の愛憎と欲望が織り成す、闇の構図に挑む。
死に至る病に冒されたものの、奇跡的に一命を取り留めた男。生きる意味を見出せず、全ての生を憎悪しその悪意に飲み込まれ、ついに親友を殺害してしまう。だが人殺しでありながらもそれを苦悩しない人間の屑として生きることを決意するーー。人はなぜ人を殺してはいけないのか。若き芥川賞・大江健三郎賞受賞作家が究極のテーマに向き合った問題作。