2013年4月10日発売
「お前には天狗の血が流れている」…珍妙な遺言を父から受けた旗本の三男坊、草壁京之介。己の出自の謎を追って愛宕山へと向かったところ、曲者に襲われている太郎坊社の神職・覚之坊、木彫りの猿蔵と出会う。どうやら襲われた原因は、覚之坊が偶然助けた武家の妾・玉姫にあるらしい。おぼろげながら未来が見通せるという「天狗の力」を持つ京之介たち三人は、事件の背後に潜む闇の権力に立ち向かってゆく…。
東海の小藩笛木の元御花畑役・峠三左衛門に江戸再出仕の命が下る。藩邸の欠員補充だというが、三左は隠密御用だと睨んでいた。幕命で伐り出した御用木材の突然の出荷停止は、側用人・間部詮房の仕業との噂があったからだ。だが、江戸で三左を迎えたのは意外な人物で、若君・城太郎の悪い噂も聞かされる。そんな折、葵の御紋に不敬ありと老中より笛木に叱責が下った。周到に仕掛けられた罠の匂いを嗅ぎ取る三左の前に、幕閣の深謀が浮かび上がる。
長年疎遠だった父を襲った謎の放火事件。妻と離婚してエーランド島で暮らすことにしたペールは、真相を追って父の暗い過去をたどりはじめるが……。北欧ミステリの旗手による注目の感動ミステリ
困難を乗り越え、幸せな結婚をしたアナとグレイ。しかし身辺では放火、ストーキングなど不穏な出来事が続く。誰かが二人の幸福を妬んでいるのか。〈フィフティ・シェイズ〉三部作、待望の完結篇
信じあうふたりには、もうハードリミットなんてないはずー刺激的だけれど、ときに残酷なまでに変わるクリスチャンとの愛の行為。アナは過剰な愛と、リッチすぎる世界にとまどっていた。こんなに彼を愛してるのに、なぜ気持ちがすれ違うの?幸せいっぱいでも波乱ぶくみのふたりの新婚生活に謎のストーカーの影も忍び寄ってきてー。話題沸騰、全世界的超ベストセラー三部作、ついに完結。
〈ヒューゴー賞/ネビュラ賞/ローカス賞受賞〉第二次大戦中のイギリスでの現地調査に派遣されたオックスフォード大の史学生三人は、未来にぶじ帰還できるのか……好評の『ブラックアウト』続篇
当代随一の書き手がおくる、宝石箱のような短編小説集。アメリカ人兵士との恋愛を描く「GIと遊んだ話」から、街に立つ電信柱がその心情を語る「電信柱さん」まで21種のまったく異なる感情の揺らめきが、それぞれにまばゆい光を放ちます。ささやかなのに心をとらえて離さない、極上の物語たちをご堪能ください。
夫婦の気持ちのすれ違いを巧みに描いた「冬隣」、江戸に出てきた若い百姓が商人として成功した後に大きなものを失ったことに気づく表題作「あんちゃん」など、江戸を舞台にしながら、現代にも通じる深いテーマの数々を、時代小説の名手が描ききる。冷えた心に、ほんのりと明かりを灯す、珠玉の全七話。
じいさんが死んだ夏のある日、孫の良嗣は、初めて家族のルーツに興味を持った。出入り自由の寄り合い所帯、親戚もいなければ、墓の在り処もわからない。一体うちってなんなんだ?この際、祖父母が出会ったという満州へ行ってみようかー。かくして、ばあさんとひきこもりの叔父さんを連れた珍道中が始まる。伊藤整文学賞受賞作品。
昭和四十年代、宮城県。捕鯨船の漁師たちは捕獲禁止の流れに不安を覚え、稲作農家は減反政策で前途多難な状況を迎える。庶民生活には自家用車が登場し、団地が建ち始めるが…。消えゆくものと始まるものが混在する時代に、希望と不安を抱えてたくましく生きる人々と、暮らしの真の豊かさを描き出す作品集。
大禍時ー薄暗くなって禍が起こりやすい夕暮時に、娘が消えるという噂が立った。弥平次の調べで、高家一色家に奉公にあがっていた菓子屋の娘が半年前に行方知れずになった事実を掴むが、店の者たちの態度がおかしい。また一色家にもよからぬ噂があった。事件の真相は何なのか、“剃刀”久蔵の裁きが冴える、人気シリーズ17弾。