2013年5月発売
無謀にも将軍綱吉に衣装自慢を仕掛けた豪商の石川屋六兵衛とその妻およし。危ないと知りつつ幕府批判の風刺画を引き受けた人気浮世絵師の歌川国芳。曰くつきの家を買った平賀源内が起こした殺傷事件の顛末。時代の風潮に反発し、心の赴くままに意地を貫き、破滅をも恐れない風狂な人々を描いた七作の短篇集。女流文学賞受賞作品。
短いから、気持ちいい。「10分で読める」官能短篇集 長けりゃ、いいってもんじゃない。 小説現代に好評掲載された「10分で読める」短編官能小説集。勝目 梓「始末書」/阿部牧郎「水牛になった女」/西澤保彦「タイツの秘密」/睦月影郎「あによめ」/藍川 京「妖天女」/南 綾子「かえるのうたがきこえてくるよ」/大石 圭「隣室の客人」/蛭田亜紗子「さなぎのなかみ」/草凪 優「 スカートの中」/平山夢明「おまえのおふくろはべったべた」。短いから、気持ちいい。10人が贈る極上の競宴。 「始末書」 勝目梓 「水牛になった女」 阿部牧郎 「タイツの秘密」 西澤保彦 「あによめ」 睦月影郎 「妖天女」 藍川京 「かえるのうたがきこえてくるよ」 南綾子 「隣室の客人」 大石圭 「さなぎのなかみ」 蛭田亜紗子 「スカートの中」 草凪優 「おまえのおふくろはべったべた」 平山夢明
水神を祀る四つの村。奇怪な雨乞いの儀式。湖上の密室殺人。神男たちは次々と……奈良の山奥、波美地方の水魑様を祀る四つの村で、数年ぶりに風変わりな雨乞いの儀式が行われる。儀式の日、この地を訪れていた刀城言耶の眼前で起こる不可能犯罪。今、神男連続殺人の幕が切って落とされた。ホラーとミステリの見事な融合。シリーズ集大成と言える第10回本格ミステリ大賞に輝く第五長編。 水神を祀る四つの村。奇怪な雨乞いの儀式。湖上の密室殺人。神男たちは次々と…… 戦争からそう遠くない昭和の時代。刀城言耶、水魑様の謎に挑む。奈良の山奥、波美地方の水魑様を祀る四つの村で、数年ぶりに風変わりな雨乞いの儀式が行われる。儀式の日、この地を訪れていた刀城言耶の眼前で起こる不可能犯罪。今、神男連続殺人の幕が切って落とされた。ホラーとミステリの見事な融合。シリーズ集大成と言える第10回本格ミステリ大賞に輝く第五長編。 絵図 はじめに 第一章 阿武隈川烏、水魑様を語る 第二章 祖父江偲、一つ目蔵を恐れる 第三章 記憶 第四章 帰郷 第五章 刀城言耶、波美の地を訪ねる 第六章 牢獄 第七章 秘密 第八章 鬼女 第九章 水使龍璽、怒髪天を衝く 第十章 神男、水魑様の儀に死す 第十一章 沈深湖、密室と化す 第十二章 一つ目蔵、正体を現す 第十三章 代替 第十四章 水魑様の花嫁、姿を消す 第十五章 神男連続殺人、遂に起こる 第十六章 囚人蔵、人質を呑む 第十七章 幽閉 第十八章 神男連続殺人、更に発生す 第十九章 刀城言耶、事件の解釈を試みる 第二十章 水魑様、全てを喰らう 終 章
一九九X年。猛毒ガスを手にした一人の男が地下鉄に乗り込む。男の胸には抹殺せよとの教義がある。座席に座り周囲を窺う。と、隣の乗客のヘッドフォンから音楽が、ロックンロールが漏れてくるー。念仏としてのロックンロールが鳴り響く、要塞化した東京。跋扈する牛頭馬頭の獄卒、都市奪還を狙う少女、「塾生」を率いる老人ー輪廻とは業なのか?そして彼岸と此岸を自在に往来する、ブックマンを名乗る男が現れるー。「誤解の愛」が播種したロックンロールが、六つの大陸と一つの亜大陸、そして日本に蔓延する。ロックンロールは二十世紀史に邂逅し、その歴史を書き換えていくー。「コーマW」「浄土前夜」「二十世紀」時空を超えた三つの語りが衆生の一切を巻き込みうねる。豊饒にして過剰、過激。破格のスケールで描かれる怒涛の一〇〇〇枚。
七月お盆、秋月栄三郎は日本橋の呉服屋・田辺屋宗右衛門に誘われて相模国へ大山詣りに出た。途中、一人詣でのおきんと知り合い同行することに。何やら屈託を抱えている様子だが理由を話さない。だが、そんなおきんを付け狙う二人組を取り押さえたことで、彼女が五十両もの金を持っていることが判明し…。ほろっと来て、笑える!ますます冴え渡る栄三の“取次”。
町人ながら剣客となった秋月栄三郎は侍の世界に失望、人生に迷っていた。そこへ大坂に暮らす父・正兵衛が現れ、知己の老親分・洞穴の源蔵の世話を命じる。昔、火付盗賊改方の手先だった源蔵も、今や“法螺吹きの”と揶揄される隠居暮らし。その大法螺に苛立つも、父の語る人生の極意を信じ、世話を焼き始めるが…。じんと来て、泣ける!感動の“取次屋”誕生秘話。
日本民俗学の先駆者として知られ、各地の風俗・民俗などを日記体で詳細に書き残した菅江真澄。彼は何を求めて信濃、出羽、陸奥、そして蝦夷地へと旅したのかー。天明の大飢饉、田沼意次の蝦夷地開発、松平定信による田沼追い落としと松前藩問題など、激動の江戸中期の史実を踏まえながら、立身出世を願うも叶わず、生涯を旅に生きざるを得なかった男の秘密にせまる傑作歴史小説。
「あれは内応しておるのではないか」-裏切りと内通の噂が飛び交い、大坂方から徳川方か、どちらが勝つか最後までわからなかった関ヶ原合戦。天下分け目のこの戦いは、人生の分かれ目。栄達か、しからずんば死か…。でも実際は、誰もがとまどい、迷っていた。舞台裏で勝敗の帰趨を左右した武将から、脇役を演じた小身の武士まで、野心と謀略が渦巻く関ヶ原合戦に振り回された男達を描く傑作小説。
福岡で十年間の結婚生活に終止符を打った仁は、かつての恋人寛子と再会する。わざわざ東京からやって来た寛子は「抱きしめてもらいに来た」の言葉を残し、仁の前から姿を消す。それから一年後、福岡で再会する二人だが、寛子の隣には片時も離れようとしない男の子耕介がいたー。変わることを恐れ続けた男と誰にも心の奥底を見せない女。そして、幼くして両親を亡くしたダウン症児の男の子ー。それぞれの喜びと哀しみを描いた書き下ろし小説。
パリのゲルマント館の一翼に引っ越した一家。家主の公爵夫人は神秘の輝きを放つ貴婦人。その威光にオペラ座で触れた「私」は、コンブレー以来の夢想をふくらませ、夫人の甥のサン=ルーを兵営に訪問、しだいに「ゲルマンのほう」へ引き寄せられる。
剣客修行の旅に出た大柿半兵衛は、袋井の宿で雲海という奇妙な老人と出会う。売れっ子の絵師でもある雲海は、酔えば酔うほど強くなるという「酔剣」の達人でもあった。雲海の酒乱癖にもめげず、教えを請うた半兵衛の腕は、めきめき上達していく。そんなある日、半兵衛は黒装束の一団に襲われた、西国大藩の綾姫とその一行を救い出した。だが、その裏には、驚くべきお家騒動の陰謀が隠されていた。書き下ろし。
2010年代ー日本も世界を覆うテロ戦争に巻き込まれることになった。世界中の非合法組織から標的となり、治安は悪化の一途をたどっていた。それに対し、警察は特別強行犯捜査係を新設。『鉄砲塚』-「銃と寝る女」と周囲から呼ばれる刑事・塚田志士子が責任者となる。渋谷区で起きた自爆テロ、新橋での銃撃事件、さらに彼女自身も過去の忌まわしい記憶とともに渦中に巻き込まれ、事件は錯綜するー。(講談社文庫) 2010年代ー日本は武力行使を前提とした自衛隊の海外派遣により、世界を覆うテロ戦争に巻き込まれることになった。世界中の非合法組織から標的となり、国内に大量の重火器や爆薬が密輸され、治安は悪化の一途をたどっていた。それに対し、警察は特別強行犯捜査係を新設。『鉄砲塚』-「銃と寝る女」と周囲から呼ばれる刑事・塚田志士子が責任者となる。渋谷区で起きた自爆テロ、新橋での銃撃事件、さらに彼女自身も過去の忌まわしい記憶とともに渦中に巻き込まれ、事件は錯綜するー。
世界の米海軍基地を標的にした同時多発テロを未然に防ぎ、冷戦時代に行方不明となった水爆のありかを示す。一冊の書物が持つ恐るべき力を知り尽くし、いかなる困難な依頼をも達成してきた書物狩人ユーイチ・ナカライ。だが、無敵を誇るル・シャスールの前に、ついに強大な宿敵が現れる。シリーズ第3弾! (講談社文庫) 世界の米海軍基地を標的にした同時多発テロを未然に防ぎ、冷戦時代に行方不明となった水爆のありかを示す。一冊の書物が持つ恐るべき力を知り尽くし、いかなる困難な依頼をも達成してきた書物狩人ユーイチ・ナカライ。だが、無敵を誇るル・シャスールの前に、ついに強大な宿敵が現れる。シリーズ第3弾! 第1話 クイナのいない浜辺 第2話 銀の川の蜃気楼 第3話 奥津城に眠れ 第4話 笑うチャーチル あとがき
仕事なし、彼女なし、借金あり。とにかくツイてない。律儀なことが唯一の取り柄。そんなノボルに持ちかけられたのは、絶対に失敗するはずのない完全誘拐計画。その報酬は一千万円。人生を立て直すためのたった一度の犯罪。そう誓って受けたこの仕事。だが彼は、身に覚えのない事件の殺人犯になっていた。(講談社文庫) 誘拐犯vs.殺人犯 誰も傷つけない捕まる恐れもない完璧な計画。あの死体が現れるまでは。 仕事なし、彼女なし、借金あり。とにかくツイてない。律儀なことが唯一の取り柄。そんなノボルに持ちかけられたのは、絶対に失敗するはずのない完全誘拐計画。その報酬は一千万円。人生を立て直すためのたった一度の犯罪。そう誓って受けたこの仕事。だが彼は、身に覚えのない事件の殺人犯になっていた。 圧倒的な速度、驚異的な面白さ! 映画『藁の楯』で話題になった、これが木内エンターテインメント!
群雄割拠の戦国時代、ついに上洛を果たした信長。天下布武を掲げた彼の者の心中は、我欲への依怙か天下静謐かー。信長の行状と真意を探るべく、剣聖上泉伊勢守の下に集められた五人のはみ出し者たちは、互いに牽制と信頼を繰り返しながらその異能を開花させていく。乱世を生きた若者たちの青春活劇開幕。
新陰流の使い手、豪商の長男坊、陰陽師家の香道師、役の行者の末裔、男装の女剣士。朝廷の命運までも左右する信長とは、果たして何者なのか?その答えを探し続ける五人は、疋壇城近くで於市御寮人が実兄・信長へあてた密状を入手する。海道作品ならではの、典雅な世界観と豪快な剣戟場面に胸が躍る。
忍者の末裔三人組、鴨志田甲斐(伊賀服部流)、中村貴湖(伊勢服部流)、柏木竜之介(甲賀)プラス忍者犬のほうろくは、奪われた秘密の社伝を追って、長野・戸隠へ。敵対する波多野村雲流に襲われながらも、甲斐は戸隠に伝わる「鬼女・紅葉」と「天岩戸」ふたつの伝説の、これまで語られることのなかった真相に迫る。シリーズ第5弾。