2013年発売
白竜、緑竜、黒竜の三頭の竜を従え、デナーリスはミーリーンで女王として君臨していた。だが、その前途には暗雲がたちこめる。都の中では内乱をもくろむやからが殺戮を繰り返し、外では敵対勢力が都を包囲せんと軍を進めていた。さらに、竜たちはどんどん巨大化し、残虐さを増して、デナーリスでさえ抑えきれなくなったのだ。そのころ、父タイウィン公を殺害したティリオンは、密告者の長ヴァリスの手によってキングズ・ランディングを脱出、“狭い海”を渡りペントスのマジスター・イリリオのもとに身を寄せていた。イリリオから、女王デナーリスが軍を率いて七王国へ帰還するときの軍師になるよう求められたティリオンは、勇躍ミーリーンへと旅立った。だが、ドーンのプリンス、クェンティンもまた、父である大公の密命を受け、三頭の竜とデナーリスを七王国に帰還させるべく、女王の都に向かっていた…。四度めのローカス賞に輝く現代最高の異世界戦史。
コンチータ領主に女の赤子が生まれる。暗い過去から“食”へ強い探究心を示す彼女だが、自身の夢を叶えるため、ついに悪魔と契約を交わす。それが“悪食娘”の始まりになるとも知らずにー。『悪ノ娘』ノベルシリーズの悪ノP(mothy)が描くファン待望の“悪ノ大罪シリーズ”第2弾!!
昭和38年、東京・日暮里。いつでも味噌汁の匂いが漂い、さまざまな工場からプレス機の音があふれるにぎやかな街。そんな日暮里に、シゲオが住むアパート“鈴木荘”があった。家族四人で住む二階の四畳半の部屋は、水道も台所もない。でも笑い声だけは、いつでもその部屋からあふれ出ていた。隣に越してきたおかまの夫婦、お父さんと行った寄席、初恋に友情、はじめて出演したテレビ、受験勉強…。いつしかシゲオの夢は“お笑い芸人”へ。
“不思議の国”の住人たちが、殺されていく。どれだけ注意深く読んでも、この真相は見抜けない。10万部突破『大きな森の小さな密室』の鬼才が放つ現実と悪夢を往還する“アリス”の奇怪な冒険譚。
青山から北関東のとある町へ移住した牧薩次(ポテト)とキリコ(スーパー)夫婦。亡き義父の願いから高齢出産を決意したキリコは、地元の女子中学生・美祢に住み込みで手伝いをしてもらうことにする。やがて臨月間近の秋祭のさなか、キリコに謎の原稿が手渡される。助産師の息子の書いたミステリ作品らしい。それが、キリコたちに新たな事件をもたらすことになろうとはー。大きなお腹をかかえて難事件に挑むキリコと薩次、そしておなじみのキャストで贈る、シリーズ最終巻。「犯人は読者だ!」の衝撃作『仮題・中学殺人事件』から40年を経て、ついに迎えるフィナーレ!
お蔦さんは僕のおばあちゃんだ。もと芸者でいまでも粋なお蔦さんは、面倒くさがりなのに何かと人に頼られる人気者だ。そんな祖母と僕は神楽坂で暮らしているけれど、幼なじみが蹴とばし魔として捕まったり、ご近所衆が振り込め詐欺に遭ったり、ふたり暮らしの日々はいつも騒がしい。神楽坂界隈で起こる事件をお蔦さんが痛快に解決する!あたたかな人情と情緒あふれる作品集。
たぐい稀な美女ドミニカはバレリーナを志すが、足を骨折して夢を絶たれた。父が急死すると、彼女はSVR(ロシア対外情報庁)の高官である伯父ワーニャによって、その美貌を利用した企みに加担させられる。その後ドミニカはSVRに入り、標的を誘惑するハニートラップ要員となった。やがて彼女は、命を受けCIA局員のネイトに接近するーロシア国内に潜み、彼に機密情報を流し続けるCIAのスパイを探り出すために!
ドミニカはネイトを誘惑する。が、CIA側は彼女がSVRの諜報員であることを突き止め、ネイトは彼女を寝返らせるよう指示される。だが、二人の関係は思わぬ方向へ。やがてワーニャはCIAに内通するスパイを暴く策略を講じるが、CIAも米国内に潜伏するロシアのスパイをあぶり出す作戦を展開する。そして、ドミニカとネイトには苛酷な試練が襲いかかってきた。元CIA局員の著者が予断を許さぬ展開で描く大型スパイ小説。
1535年秋、ロンドン。ヘンリー八世の王妃になったアン・ブーリン。しかし、その地位はおそろしく脆いものだった。卑しい生まれのトマス・クロムウェルは、いまや王の重臣となっている。だが、平穏な日々はいまだ遠い。国家はキリスト教国のあいだで孤立し、貴族たちはそれぞれの思惑を抱え、熱望する世継ぎがなかなか得られない王は女官ジェーン・シーモアに心を移す。クロムウェルは王と国家にとって最善の道を探るがー16世紀イギリスの宮廷に生きる冷静沈着な政治家クロムウェルを描く、『ウルフ・ホール』に続く歴史文芸大作。ブッカー賞、コスタ賞受賞!
養蜂家の少年エミールは、幻の“銀の蘭”を探しもとめて、旅を続ける。ドラガという夜行性の目をもつ屈強な男をしたがえて。双子のエミリヤに、“銀の蘭”を摘んでくるために。“銀の蘭”の蜜こそが、僕ら双子の傷を癒すんだー。“銀の蘭”の紋章をもつ貴族クルゼンシュテールン家のユリアンは、数年前に一族郎党を何者かに殺害された。いまは屋敷に引きこもって、ピアノを弾きながら暮らしている。生き残ったのは病臥の次兄と、次兄の恋人リオネラと、ユリアンの三人だけだ。美しいリオネラは、ユリアンの有能な家庭教師であり、生きるよすがであり…。血と報復のコンチェルトが満を持して幕を開ける。
1944年9月。西の最前線となった南アンダマン島をめぐり、「大和」を旗艦とする南遣艦隊と、連合軍の英仏合同艦隊がベンガル湾内で激突。「A情報」により誕生した早期警戒管制機「深山三四型」などの活躍により日本軍が勝利、英仏軍をセイロンまで退けて、さらに西進を目指した。しかし、連合軍はインド洋進出を予期しており、B-42など新たな兵器を投入する『コイン・トス作戦』がすでに発動されていた!戦場をインド洋へと移した待望のシリーズ第11弾!
真田昌幸の見事な軍略により、武田軍は長篠の戦で、織田・徳川連合軍を完膚なきまでに打ち破った。大勝を得た武田勝頼は、昌幸の功を評価して、長篠城の城主になるよう任命する。しかし、父の信玄よりもさらに領土を拡大し、連戦連勝を続けた勝頼は、次第に尊大な主君となっていった。戦死した知将馬場信春が最期に残した言葉を受け、昌幸はついに武田家から離れる決意をする。そんな中、武田家の宿老である穴山信君が勝手に小里城から退去する事件が勃発し、東美濃に不穏な空気が流れ始める。織田信長がついに本格的な逆襲を開始したのだ。一方、吉田城を取り返すことに成功した徳川家康も、総攻撃を開始した。真田昌幸の独立によって、いま戦国の世に新たな風雲が巻き起こる!
西沙諸島に続き南沙諸島の領有を画策する覇権主義国家・中国の最終的な狙いは海底資源にあった。その野望阻止のため、日本政府は除籍した海上自衛隊の護衛艦にミサイルをはじめ、米軍仕様の機材で近代化した9隻のフリゲート艦をベトナム、フィリピン、インドネシアに貸与した。このASEAN連合艦隊に対し、各個撃破を企む中南海指導部は、まずベトナムを叩くべく、トンキン湾に高速ミサイル艇30隻を侵入させる。だが、米国海軍の戦術情報ネットにより、事態を知った連合艦隊の指揮官・山口大佐は、艦載ヘリのASM(空対艦ミサイル)で邀撃、これを殱滅する。そしてロシア、タイ、インドを加え対中包囲網を成し、中国南海艦隊に最終決戦を臨む!!
僕が19歳の冬、父が失踪した。5億円の負債を残して。そして、僕はバブルに沸く狂乱の広告業界へ身を投じていった…。謎の経歴の父親に翻弄される青年の人生と生々しいCM制作現場での戦いを描く鮮烈な作品。元電通トップクリエーター、初めての自伝的小説!
ウェスト・ヴァージニアの田舎町、アロヨで不可解な“T”だらけの殺人事件が発生。死体はT字路にあるT字形の標識に磔にされ、その頭部は切り落とされていた。さらに被害者の家の扉には、血塗られた不気味なTの文字がー。エラリーは単身捜査をするが、真相は分からずじまい。だが半年後、再び奇怪な“T”にみちた殺人事件の知らせが届き…。サスペンスあふれる展開と緻密な推理で人気を誇る“国名シリーズ”第5弾。
昭和16年12月8日、真珠湾攻撃の直後、空母「蒼龍」上に着艦したパイロットの榊原大尉が不可解な服毒死を遂げた。榊原の友人、加多瀬大尉は未亡人となった志津子の依頼を受け、彼の死の真相を探り始める。しかし錯綜する謎の糸は更なる迷宮へと加多瀬を導いてゆくのだったーカオスとロマンス、あふれる奇想と謎。ミステリの歴史にその名を刻む傑作が新装版で登場!
警視庁の河合はロシアマフィアを内偵中に拉致されるが、殺される寸前“ブラックチェンバー”と名乗る組織に救われた。この組織は国際的な犯罪組織に打撃を与える一方で、奪ったブラックマネーを資金源にしているという。スカウトされた河合はブラックチェンバーに加わることを決意。その河合たちの前に人類を崩壊に導くおそるべき犯罪計画が姿を現すー。進化し続ける国際犯罪の実態をえぐり出す、クライムサスペンス巨編。
億万長者の老人が森江法律事務所へ遺言書作成の相談に訪れた帰途、密室状態の袋小路で殺害された。遺されたのは世界に一冊の奇書と莫大な遺産。森江春策がその本をひもとくと、多彩な物語が記されていた。東方綺譚、海洋活劇、革命秘話、秘境探検、ウェスタン、航空推理ーそして、数々の殺人事件。物語が世界を縦横無尽に飛びまわり、重大な秘密へと誘う。全てのピースが嵌まる快感がたまらない博覧強記の本格ミステリ。