2014年1月発売
何者かに暴行を受け、記憶を失った甲斐享。彼が口にする断片的な言葉から、杉下右京が事件の真相に迫る「森の中」、右京とロンドンで知り合った女性が、死の間際に遺した言葉が、警察庁の存在を根底から揺るがす事実に繋がっていく「アリス」、死亡した議員秘書のパソコンから、事件の謎が浮かび上がってくる「オフレコ」など6篇を収録。連続ドラマ第11シーズンの第7話〜第13話を収録。
「五二物(質草)」に紛れ込んだ幻の宝石ーシン、ヒロ、ケイタの三人は、その石があるという高級質店「K」に忍び込み、一儲けしようと企む。だが、その質屋のオーナーは、違法薬物を常用し、また、たびたび暴力事件を起こすなどヤクザ顔負けの危険人物だ。一方、五年前、違法薬物の過剰摂取で娘を亡くした刑事の君島総一郎は、睡眠薬自殺として「処理」された事件の真相を、県警本部の木戸誠とともに執拗に探っていた。その途上、「K」にたどり着く。シリーズ60万部突破『偏差値70の野球部』の著者による、ノンストップ犯罪ノベル!書き下ろし映画化原作。
桂助のもとに人気絵師・喜代麿が訪れる。喜代麿が探しているという“呉服橋のお美”が、銘茶問屋芳田屋の娘・美鈴であることがわかり、それをきっかけに桂助のもとを訪れることになった美鈴。女手がなくなり、鋼次とふたりで慌ただしい日々を送っていた“いしゃ・は・くち”の手伝いに美鈴は通うようになる。当初は、名前を偽り装いも変えていた美鈴に、鋼次は厳しい目を向けていた。桂助は、彼女の回りで起きたいくつかの事件を解決していくうちに、美鈴の思いに気付くのだった。新たな恋の行方を描いて新展開のシリーズ第十三弾!
NPS(警察庁特殊急襲捜査班)-それは、警察組織においてテロや誘拐などの特殊事案を担当するSAT、SITに続く“第3のS”として作られた新部隊。既存のSとは大きく異なり、どんな凶悪犯も殺さず“確保”することを信条とする。「俺はすべてを護ると決めたんだ。被害者の命も、加害者の命も、そしてこの国の治安もー。己が命を盾として、分け隔てなくすべてを護る」NPS突1として熱い理想に燃える元ボクサーの神御蔵一號と、あくまでも犯人の“制圧”を目指すSAT随一のスナイパー・蘇我伊織。相反する思想をもつ男達の物語が始まる!同名の漫画ノベライズ。
いじめられっ子の中学生・宏海、中途半端な不良で同級生の雄大、そしてプレッシャーに弱い柚果と楽天的な陽香のアスリート姉妹。何をやってもうまくいかない彼等を結びつけたのはカーリングだった。天才的アイスリンク作りの老人とバツイチの助手・桃子の応援を背に受けて一歩ずつ新たな人生を歩んでいく…。「四枚揃わなければ、四つ葉のクローバーにはならないのだ。自分だけが逃げ出すわけにはいかない」青森を舞台に、見た目もキャラもバラバラな凸凹チームが巻き起こす、爽快でしみじみ泣ける青春カーリング小説。
冬山では午後になって新しい行動を起こすなー山で発熱した者のためにこのルールに背いて、吹雪の中を彷徨う一行と、その身を案じる家族の懊悩を描く表題作の他、「地獄への滑降」「霧迷い」「雪崩」など、遭難を材にとった全十編を収録。峻厳な山を前に表出する人間の本質を鋭く抉り出した迫真の山岳短編集。
一人息子の伊与太が、修業していた絵師の家から逃げ帰ってきた。しかし顔には大きな青痣がある。伊三次とお文が仔細を訊ねても、伊与太はだんまりを決め込むばかり。やがて奉行所で人相書きの仕事を始めるが…。親の心を知ってか知らずか、移ろう季節とともに揺り動く、若者の心。人生の転機は、いつもふいに訪れるもの。
震災後の日本に現れたカリスマ総理・宮藤隼人は、“禁断の原発政策”に日本復興を託すが、その矢先、一人の日本人がアフリカで殺される。事件の背景に広がる政権の闇を追いかける新聞記者と、宮藤を支える若き側近は、暗闘の末、最後に何を見るのか。謀略渦巻く政治の世界を白熱の筆致で描く真山文学の真骨頂!
美津子は両親から受け継いだステーキ&ハンバーグ店「ジュージュー」を、遠縁で元恋人でもある進一と共に切り盛りしている。「自分の前世が見える」という進一の妻・夕子さんはじめ、まわりに集うのは、ちょっと奇妙で愛すべき面々ばかり。秘伝の味にこめられた魔法の力とは?生きることのかけがえのなさを描いた感動作。
若い娘ながら青菜の目利きに長けた棒手振りの朋乃。ある朝仕入れに向かう橋の上で、大金の入った財布を拾う。商いに障ると知りながらも、落とし主を救うため自身番に届け出たのだがー欲深さ、狡猾な保身に満ちた浮世を、正直に誇り高く生きることの価値を描いて爽やかな感動を呼ぶ、極上の人情時代小説。
錺職の男が鎌倉河岸で死体となって浮かんだ。北町奉行所の調べでは溺死と判断されたが、頭に殴られた跡があり、さらに客ともめていたという。客が注文したのは、丸に揚羽の蝶の銀簪。男の女房・おまちに真相究明を訴えられた久蔵は、“丸に揚羽蝶”の家紋を手掛かりに、隠された企みを暴き出す。人気シリーズ新装版第13弾!
昭和19年6月、急速潜航訓練中に不幸な事故によって沈没し、102名を乗せたまま鉄製の柩と化した「伊号第三十三潜水艦」。9年の歳月を経て引揚げられた艦内の一室からは、生けるが如くの13名の遺体が発見されたー。命がけで脱出した生存者の証言などを基に書き上げた、衝撃の戦史小説。「海の柩」「手首の記憶」など全五篇。
家康を最も恐れさせた男、真田幸村。彼の下には忍者・猿飛佐助や霧隠才蔵、石川五右衛門の一子・三好清海入道らをはじめとする十勇士がいた。忍術、智略、奇想天外の戦いで徳川方を苦しめるが、豊臣家と共に滅びへの道を辿り、大阪夏の陣へー。戦ありエロスあり、奔放自在な柴錬の筆が迸る伝奇ロマンの傑作。
父は虎になった。幼いぼくと母を残して。いつかは、ぼくも虎になるのだろうか…。父の変身の真相を探るため、少年は都へと旅に出た。行く先々で見聞きするすべてが謎解きの伏線。ラストの鮮やかなどんでん返し!中島敦の名作「山月記」を、大胆な解釈で生まれ変わらせた、新感覚ミステリ。
黒船が来航したその年。喜平次はわけあって素性を隠し、渡良瀬川のほとりで渡し船の船頭となっていた。村人たちに頼られる存在となりつつあった喜平次だが、一体彼の目的ー背負わされた宿命とは何なのか。時代の転換期、武士としての誇りを失いかけた男が、己の進むべき道を見極める姿を描く、傑作時代長篇。
友人がビルから飛び降りようとしている現場で、霧子は黒ずくめの不思議な男と出会った。彼の名前は椿林太郎。学習障害児の教育に才能を発揮する、優秀ですこし変わった小学校教師。霧子は彼に魅かれていくが、実は彼には知られざる能力があって…。生への根源的な問いを放つ、傑作長編。
娘と彼氏の狭い同棲部屋で始まったぎこちない共同生活。すれ違って生きてきた父と娘に心通じあえる日は?第8回小説現代長編新人賞受賞。誰にでも起こりうる家族問題を笑いと緊張の絶妙なタッチで描くデビュー作!
世に出れば、国を、政治を、歴史を揺るがしかねない秘密をはらんだ本を、合法非合法を問わず、あらゆる手段を用いて入手する、書物狩人。長崎県五島列島の旧家に伝わる「呪いの書物」の鑑定のために招かれた書物狩人と書物偽造師。彼らが島に着いた深夜に、旧家の家族が殺害される。書物に宿る祟りなのか?そして因縁の二人に最後の戦いがー。