2014年1月発売
世界で最後に生き残った象“ビヒモス”が逃げだし、人々を襲った。由紀彦は、犠牲となった父の仇を討つため、象のいる場所へむかう。その途中、一緒に連れて行ってくれという風変わりな美少女エマノンと出会う。彼女は、ビヒモスに五千万年前に助けられたと話しはじめて…。地球に生命が誕生して三十億年。総ての記憶を、母から娘へ、そして、その娘へと引き継いでいるエマノンの軌跡。
一九八六年に生を受けた僕、宇津木の鬱屈の正体、それはアメリカという国家だ。都合のいいようにルールを決め、世界の覇者気取りで澄ましているあの国を、心の底から軽蔑している。嫌いじゃない、大ッ嫌いだ。では、僕の取るべき行動は何か。強者の脳天に斧を振り下ろすこと。そう。テロルこそもっとも有効な手段なのである!僕はまずアメリカの大学への留学を決め、そこから事を始めた。
「何しに来たんだ、俺は?」伝説の大金持と言われている坂西家へ泥棒に入った淳一だったが、その夜はツイてなかった。一家四人が心中していたのだ。姿を見られつつも淳一は、まだかすかに息をしている学生服姿の少女を助けた。坂西家が気になり、搬送先の病院へ行った淳一は少女と再会してしまう。「私、あいつをこらしめてやる!」思いがけない言葉に秘められた大金持一家の秘密とは?元祖ユーモアミステリー!
奈良の由緒ある尼寺・尊宮寺の養女として迎えられた櫻香は、尼僧・妙蓮たちに大切に育てられた。尼になることに疑問を抱くことなく育った櫻香だったが、中学生になると不審な事件が相次ぐ。「櫻香を出家させるな」と書かれた差出人不明の手紙、突然声をかけてきた見知らぬ女性ー。不安を覚えた妙蓮は、浅見光彦に相談を持ちかける。謎に包まれた櫻香出生の秘密を浅見光彦が解く!
女ごころを書いたら、女子以上!男を書いたら、日本一!!女主人公5人VS.男主人公5人で贈る、夢の紅白短篇競演。『ジャージの二人』『ぼくは落ち着きがない』のスピンオフや名作「十時間」「祝福」など、十篇を収録。
ステレオ修理屋のレイは父親の死を契機に人生の行き詰まりを感じる。そんな時、自らの不思議な力に気づくー思い浮かべた伝説の音楽家たちの録音風景が実際に流れてくる。その力でビートルズ、ドアーズ、ビーチ・ボーイズ、ジミヘンの幻の音源を完成させていく。ロックファンなら必ず夢想した物語を実現させたロックンロール・ファンタジー。訳者小川隆氏による新たな「あとがき」を収録。
市役所に勤める、生活保護担当のケースワーカー・石坂壮馬は、一向に自立しない者や、保護費を詐取しようとする者たちの存在に、制度の矛盾を強く感じていた。そんな中、あくどく稼いでいると評判の者から金を盗み、貧しい人々に金を配る「現代のねずみ小僧」が話題に。ねずみ小僧のやり方に複雑な思いを抱く壮馬だったが、ある日、彼の担当する被保護者が殺されて…。衝撃の真相が胸を打つ長編ミステリー。
秋の文化祭をひかえ、新聞部のアキ、ハル、タモツは、新聞制作コンクールのための企画に頭を悩ませていた。目下調査中の七不思議のひとつ「記念博物館の謎」もなかなか進展がない。そんな中、三人に奇妙なおまじないの話をした女生徒が失踪した…。魔女、人狼、暗号、複雑怪奇な建物、そしてドイツ第三帝国の秘密まで絡み出し、彼らにさらなる危機が迫る!謎が謎を呼ぶ、大好評学園ミステリー第二弾!
「俺(=冷蔵庫)は、彼らを救いたい!」-製造過程で意識を持ってしまったスウェーデン製の冷蔵庫が、夫が作家で、妻がイラストレーターの家に設置された。ある日、夫の甥で天才ヴァイオリニストの少年を預かることになったが、そのせいで家庭が崩壊の危機に…。動くこともできず、語りかけることもできない冷蔵庫の“究極の決断”とは?大藪春彦賞受賞の異才が放つ、冷蔵庫が家族愛と才能を語る感動作。
山崎動物病院は、病院に来られないペットのための往診もしてくれる、町で人気のクリニックだ。でも一つ、普通の病院とは違ったところがある。院長の名前は、山崎ぶたぶた。彼の見た目は、なんと、かわいいピンクのぶたのぬいぐるみなのだ!この院長、動物の病気だけじゃなくて、飼い主の悩みも解決しちゃう名医との噂。もしかして、ペットの悩みもお任せかもー?
先の大戦中、赤化華族の疑いをかけられ獄死したはずの祖父・清康が生きている。そう聞かされた天才ピアニストのイエ先輩こと八重洲家康は、後輩の渡辺夕佳とともに絶海の孤島・古尊島を訪れる。だがそこは厳重な一望監視獄舎を擁する監獄島であり、思いもよらない罠が二人を待ち受けていた。家康は50年前の祖父と同じ方法で、命をかけた脱出劇を再現できるのか!?
長屋の向かいに越してきた美人の後家に入れ込んだり、小雪散らつく大川に繰り出し船遊びと洒落込んだり、いじめを受けていた若侍に剣の指南をしたりと、相変わらず自由気ままな惣二郎。騒動に巻き込まれる天才の惣二郎が行くところ、常に事件あり。すっきり解決といきますか…。書下し時代小説。
時は正徳ー七代将軍家継の世。江戸詰めを命じられた若き西国の犀星藩士・青葉藍ノ真が耳にした噂とは…「理由なし、遺恨なし、失敗りなし」と、暗夜に悪徳商人を誅する“闇蝙蝠”の噂だった。南町奉行同心・佐久間虻丸と“闇蝙蝠”の正体を追う藍ノ真は、幕政と犀星藩、そして父・雅光を巡る詭謀と血風の渦に決然と立ち向かっていくー!書下し時代小説。
29歳の葉太はある目的のためにニューヨークを訪れる。初めての一人旅、初めての海外に、ガイドブックを暗記して臨んだ葉太だったが、滞在初日で盗難に遭い、無一文に。虚栄心と羞恥心に縛られた葉太は、助けを求めることすらできないまま、マンハッタンを彷徨う羽目に…。決死の街歩きを経て、葉太が目にした衝撃的な光景とはー。思いきり笑い、最後にはきっと泣いてしまう。-圧倒的な面白さで読ませる傑作長篇。
信長でも秀吉でもなく、家康こそが天下人たりえた理由とはー。幼き頃、師より凡庸の烙印を押された男は、いかにして戦国の世を生き抜き、のちに天下を覆すことになったのか?本能寺の変、信長死すー。家康の人生最悪の危機は、最大の転機でもあった。大胆不敵の大仕掛け、当代無双の本格歴史長編。
雨は、哀しい過去を思い出させる。甘く苦しい抱擁をー娘を一人で育てながらメッキ会社で働く29歳の美尋は、突然、次期社長に結婚を申し込まれる。娘のためと申し出を受ける美尋。だがその矢先、かつて愛した男性が現れる。11年前、二人は許されぬ関係と知りながら結ばれた。再会に心乱れ、距離をとる美尋。しかし、彼女の同僚の死が、二人の運命を再び熱く深く結びつけてゆき…慈雨のように純粋だった恋と愛の行方。
映画監督になる夢破れ、故郷を飛び出した青年・門川は、アパート管理のバイトをしていた。ある日、住人の独居老人・帯屋が亡くなっているのを見つけ、遺品の8ミリフィルムを発見する。映っていたのは重いリヤカーを引きながらも、笑顔をたやさない行商の女性だった。門川は、映像を撮った帯屋に惹かれ彼の人生を辿り、孤独にみえた老人の波瀾の人生を知る。偶然の縁がもたらした温かな奇跡。
やっちまったーーーー女優をめざす新倉帆乃歌は大事な時に今日もお寝坊さん。ついに意を決し、静岡から上京して中目黒に移り、オーディションを受ける。『過去からきた人形』の台本を読む帆乃歌の隣で演技の助言をするのは、長い髪の美女・衣佐子ーこの映画のヒロインだ。帆乃歌には、役の人物を想像して具現化する特技があったのだ!そんな彼女が友人の俳優のたまごから「殺人犯にされるかも」と緊急連絡を受け…“フォーチュン・クエスト”“IQ探偵ムー”の著者が描き出す、とってもキュートなコンビ物ミステリ。