2014年10月7日発売
光沢はあるがしわだらけのシルクスーツとシャツ、首に赤いネクタイを(結ぶのではなく)安全ピンでとめたインド人は、手ぶらでフランスに到着した。そしてタクシーに乗ってドライバーに告げた行先は…あの組立家具量販店のIKEAだった。その男は修行者で、パリには最新型の針ベッドを特価で買うためにやってきた。その目的は修行に使うためではなく、高く転売するためだったのだが…。ドライバーをだまして無賃乗車でイケアに到着したまではよかったのだが、そこからこの男の国をまたいだ逃避行がはじまった。フランス発の爆笑小説が、ついに日本上陸!
やさしいけど、ちょっとへたれな書店員・光にはもうひとつの顔があった。夜になると、「デビクロ通信」という謎のビラを、全力でボム(配布)するのだ。そんな光に、ある日、運命的な出来事が訪れるー。
天下無双の剣客・宮本武蔵は幼少のころ、その父・無二斎から非情の血をもって厳しく武芸を叩き込まれた。武蔵は父を憎み、無二斎は成長して剣名を轟かせていく息子の才を妬ましく思うようになる。「あやつを生かしておくわけにはいかぬ」。父と子の歪んだ絆はやがて一つの闘いへと向かっていく(「武蔵と無二斎」)。強者を斃すべく山伏の修行に加わった若き日の塚原卜伝(「卜伝峰入り」)、秘技を継承した唯一の男・田丸直昌の生き様(「一の太刀」)、天賦の才を持ちながら一族の系図から抹殺された柳生源之丞(「柳生殺人刀」)など、剣の道に生きる男たちの物語七篇を収録。
「読者が犯人」というミステリー界最後の不可能トリックのアイディアを、二億円で買ってほしいースランプ中の作家のもとに、香坂誠一なる人物から届いた謎の手紙。不信感を拭えない作家に男は、これは「命と引き換えにしても惜しくない」ほどのものなのだと切々と訴えるのだが…ラストに驚愕必至!
第34回日本SF大賞特別賞、第45回星雲賞自由部門を受賞した画期的アンソロジー・シリーズ“NOVA”が装いも新たに、復活。第34回日本SF大賞の全候補作家+日本SF大賞・同特別賞の受賞者たちが参加する、前代未聞の完全新作・オール読切アンソロジー。
雪深いホテル。古いダンスホール…地方でくすぶる従業員カザマは、梅毒と噂される盲目の老嬢ミツコに出会う。ある夜、孤独な彼がミツコを誘い二人でタンゴを踊る時、ブエノスアイレスにも雪が降る。ベストセラーとなったリリカル・ハードボイルドな芥川賞受賞作。