2014年11月27日発売
半飼いの少年サンチャゴは、宝物がピラミッドに隠されているという夢のお告げを信じ、アンダルシアから砂漠を越えエジプトを目指す。彼はさまざまな出会いと前兆に導かれ困難な旅を続けていく。そしてある錬金術師との大いなる出会いを果たし、ようやくたどり着いたピラミッドで、彼を待ち受けていたものとはー。世界中で大ベストセラーとなった夢と勇気の物語。
ムーミンの作者、トーベ・ヤンソンの決定版評伝。トーベが遺した日記、手紙、メモなどを、生前に親交のあった研究者ボエル・ウェスティンが丹念に読み解き、ムーミンの物語、一般小説、絵画との関係にも言及しながら、その人物像に迫ってゆく。フィンランドの大自然と激動の時代背景のなかで、仕事と愛を胸に、何よりも自分に正直に生きることを貫いたトーベ。86年間の人生は、突き進む激しさと、止むことのない好奇心と、小さきものたちを慈しむ愛情にあふれていた。
話したかったことと、話せなかったこと。はじめての秘密。ゆれ惑う仄かなエロス。つないだ手の先の安堵と信頼。生と死のあわい。読み進めるにつれ、あざやかに呼び覚まされる記憶。静かに語られる物語に深く心を揺さぶられる、極上の傑作小説集。
アフリカの赤ちゃん工場、新宿のデリヘル、パリの蚤の市、インドの湖畔。地球上の様々な出来事が交錯し、飽くなき欲望の果て不老不死を実現した人類が、考えうるすべての経験をし尽くしたとき、太陽による錬金術が完成した。三島賞選考会を沸かせた新潮新人賞受賞作「太陽」と、対をなす衝撃作「惑星」からなるデビュー小説集!
図書館の地下のその奥深く、羊男と恐怖と美少女のはざまで、ぼくは新月の闇を待っていた。あの名短篇が、ドイツの気鋭画家によるミステリアスなイラストと響きあう。新感覚アートブック第三弾!
成仏などするものか。ああ、口惜しい、恨めしいー。妹のようにかわいがっていた娘の指図で、毒をもられた女の怨み。死してなお、毎夜、愛しい男の元を訪れる女の情念。八つの古典が、鮮やかに息を吹き返す。
母マリアによるもう一つのイエス伝。カナの婚礼で、ゴルゴタの丘で、マリアは何を見たか。「聖母」ではなく人の子の「母」としてのマリアを描くブッカー賞候補となった美しく果敢な独白小説。
なにもかもありきたりな男の、ありきたりでない忘却…-「亡失」。一番よくないのは、確固たる自分の意見を持つことだ。目覚めないまま動き回る、それが生活だー「黙過」。ペンを置き、机から顔を上げると、街は会社たちのものになっていたー「増益」。日常に地続きで潜む狂気。著者の最高到達点。
ロンドンのオークションハウスで起きた強奪事件。盗まれた品の中には、“アルキメデスの写本”も含まれていたー。8ヶ月後、シアトル発のフェリーに乗ったタイラー・ロックは、謎の男から「船内の爆弾を解除しろ」と迫られる。古典学者で人気テレビ番組の司会者ステイシー・ベネディクトとともに、爆発までわずか30分という厳しい状況に対峙するが…。実はその男は、タイラーの父親と彼女の妹を誘拐しており、タイラーたちにある要求を出す。それは「ミダス王の伝説の秘宝を見つけ出せ。期限は5日間」という難題だった。2人はアルキメデスが遺した数々のヒントを頼りに探索を開始。同じ宝を探す別の一派に命を狙われつつも、世界を股にかけた危険な冒険の旅へ繰り出していく。
約2000年前にアルキメデスが遺した写本と蝋板、大英博物館での調査、タイラー・ロックが男に作らされていた“アンティキティラ島の機械”そっくりな地球観測機。古代ギリシャの先人の言葉や知恵から、徐々にミダス王の黄金の宝窟への道が見えてくる。ロンドン、ミュンヘンで死闘を繰り広げたタイラー、ステイシー、グラントの3人は、謎の核心に迫るべく、アテネへと飛ぶ。パルテノン神殿で予想外の危機に遭遇しながらも、いよいよナポリの地下通路へ。ミダス王の黄金伝説は真実だったのか?だが、拉致されているタイラーの父が伝えてきたサイン「SR90」が核物質を示すのでは、という疑念は消えないまま。古代の謎と核兵器ー犯人の真意が読めない中、事態は混迷を極めていく。