2014年12月10日発売
小学校で出会った少年との約束ープロ野球選手になる。中学時代に身につけたシンカーを武器に、高校野球の世界に殴り込み。待っていたのは、公式戦にも出られない、マネージャー兼任の日々だった…。鳥海真琴、男子プロのマウンドに立つ初の女子投手。少女はいかにして「現実」を乗り越えていったのか?今日、プロ野球の歴史が変わる!全力で紡がれる感動の長編小説。
“空腹警報絶対注意”の高原カフェを舞台に奇跡が起こるーー。 百合が原高原に一軒家カフェ「Son de vent(ソン・デュ・ヴァン)」を開業した奈穂。かつてペンションブームに沸いたこの高原も、今はやや寂びれ気味。東京の女性誌編集部で働いていた奈穂が、冬には雪深く寒さの待ち受けるこの地へ移ってきたのには、深刻な理由がーーエリート銀行員の夫・滋のモラスハラスメント(精神的虐待)に堪えかねて極度の自律神経失調症に陥り、これまでの生活すべてを変えるためだった。 夏は美しい自生の百合の花が咲き、秋は紅葉が見事なこの高原には、「ひよこ牧場」のバターやミルク、ソーセージやベーコン、「あおぞらベーカリー」の自家製天然酵母のパン、村役場に勤める村岡涼介の口利きで手に入るようになった有機野菜など、自然豊かな恵みがいっぱい。「高原のチーズクリームシチュー」「ひよこ牧場のベーコンサンド」「百合が原ポークソテー」「野生きのこのオムレツ」など、当日の仕入れでメニューを組む奈穂の料理は地元客からも好評で、観光シーズンにはお客を集めるようにもなる。 そんな奈穂のカフェを訪れるのは、ひとりの作業員風の男(『風音』)、離婚に決して応じてくれない夫(『夕立』)、ご近所の農家のお嫁さん(『豊穣』)、海外帰りの美しい経済アドバイザー(『融雪』)ら、それぞれが事情を抱えていた。奈穂の料理は彼らの人生を何か変えることができるのか? 実は奈穂自身が抱える現実も厳しい。スキー場が閉鎖され、新規ホテルに客が集中する状況で、奈穂は初めての冬を凍れる高原に留まって奮闘する。そして二度目の夏の訪れを前に、カフェ「Son de vent」に奇跡が訪れる! 女性を主人公に多くのベストセラーを輩出してきた著者が、自らレシピを試して「絶対においしいものだけ」がぎっしり詰まった連作集は、読者に栄養をたっぷり届けます。
連続結婚詐欺&不審死事件の容疑者ー稀代の毒婦、佐竹純子。こんなとき“彼女”なら、どうするだろう?「そんなの簡単だよ」親友だった女、被害者の家族、事件を追うジャーナリストのアシスタント…。彼女たちは同じ名前だったがゆえ、悪意の渦に巻き込まれていく。
松茸とれなきゃクビ!?頭の切れる若き藩士が、御松茸同心に飛ばされた!殿への上納2000本は用意できるのか?やる気のない面々に囲まれて、藩士・小四郎は右往左往する。やがて、幕府に蟄居を命じられた傾奇大名・徳川宗春公の幻影までちらついて…。
妻が大きくなっていく。骨を軋ませ、糞尿を垂れ流し、不明瞭な言葉を発しながら。周りには我が家を監視する隣人、私事を詮索してくる同僚、言葉で殺そうとする母…。助けは、要らない。極限の日々が始まった。倫理観を抉るのは怪物か、それともー。
黄金期の日本SFを、希代の小説家にしてアンソロジストが同時代に編んだシリーズ第二弾。星新一のニューウェーブ「門のある家」、小松左京の力技「結晶星団」に加えて、編者自身の傑作「おれに関する噂」、松本零士のセクシー美女が登場する「セクサロイド」など、一作一作が長編なみの濃さと読みごたえを持つ作品がずらりと並ぶ1972年度版!
サンフアン島で小さなホテルを経営するジャスティン。仕事や仲間に恵まれ、充実した日々を送っているように見える彼女は、実は深刻な悩みを抱えていた。それは、男性を心から愛することができないということ。そんなある日、世界的に有名なゲームクリエイターのジェイソンがホテルを訪れ、二人はひと目で恋におちる。生まれてはじめて、こんなに強く惹かれる人と出逢えたことに、胸を躍らせるジャスティン。ところが直後、二人はそれ以上愛しあうことができない、残酷な宿命を知らされる。絶望したジャスティンは彼から遠ざかろうとするが、熱い想いを止められないジェイソンは、命がけの思い切った行動に出る。二人を待ち受ける未来とは…?“フライデー・ハーバー”シリーズ第4弾!永遠に輝く真実の愛がここに。
優等生の悪女ー松下絵里子(28)スポーツ用品メーカー勤務。結婚も決まり、公私ともに充実の日々が始まるも…。懲りない悪女ー佐藤美鶴(34)小さなサンドイッチ店で働く主婦。元デパートの店員。献身的な夫がいながら過去の男に…。華麗なる悪女ー加賀美さとみ(53)セレクトショップ「トップ・シークレット」社長。欲望にどこまでも忠実な女性起業家。多少の犠牲は…。純情そうな悪女ー向井沙也香(21)セレクトショップ「トップ・シークレット」社員。さとみの下で働く新入社員。そこには絵里子の婚約者がいて…。正直に生きれば生きるほど、堕ちていくー。彼と同じ未来を見ていたはずなのに。彼女には僕の知らない別の顔がある。ままならない男と女の関係を、それぞれの視点で描いた、めくるめく長篇恋愛小説。
シンプルなストーリーに隠された意図と背景には、人間っぽさと社会風刺が、ユーモアたっぷりの皮肉とともに、イタリアならではの情景で描かれている。ロダーリ、カルヴィーノを生んだイタリアから届いた25篇のファンタジーア!