2014年発売
大学生の麻美はバイト先の書店で、幼馴染みの拓磨に偶然再会。有名化粧品メーカーの社長を父に持つ彼は、大学に通う傍らメイクアップアーティストを目指して修業中だった。引っ込み思案で男性経験もない麻美は、彼の練習台になってメイクをしてもらううちに、少しずつ自分に自信が持てるようになっていくのだが…。誤解が誤解を生み、予想外の展開!?果たして麻美は幸せな恋愛を手にすることができる?
川島美咲は、家柄の良いお嬢様育ち。周囲から特別扱いされ、何不自由ない高校生活を送っていた。美術部顧問・柏木に、ある行為を目撃されるまでは…。「この世には、どんなに欲しがっても手に入らないものがあるってことを、君に教えてあげるよ」。柏木は美咲を翻弄し、支配し、拘束する。自分の存在価値が揺らぎ始めたことに気づいた美咲は…。学園を舞台に繰り広げられる恋物語「恋愛教室」シリーズ・美術室篇。
散町千々乃は、左前堂大学に入学したばかりの女子大生。血を見ると鼻血を噴出させてしまうという特異体質に悩みつつも、大学デビューを夢見ていた。しかし、入学早々校門付近で鼻血を盛大にスプラッシュ。しかも、その鮮血を通りがかりのイケメン・含有うるての首もとへぶちまけてしまう。平謝りの千々乃だったが、うるては彼女を学内のとある一室に連れて行く。その部屋こそが、スプラッター映画愛好家が集う「残酷映画研究会」、通称“ゴア研”の部室だったのだー。第16回BOX-AiR新人賞受賞!
嵐が過ぎ去ったクリスマスの朝、大聖堂の町から忽然と姿を消したエドウィン・ドルード。河の堰で彼の懐中時計が発見され、以前よりエドウィンと反目していた青年ネヴィルに殺人の嫌疑がかかるが、事件の背後にはある人物の暗い影が…。英国の文豪ディケンズが初めて本格的に探偵小説に取り組み、その突然の死によって未完となった最後の長篇。原書挿絵を全点収録。残された手掛りからドルード事件の真相を推理する訳者解説を付す。
東京下町にひっそりとある、居酒屋「ぼったくり」。名に似合わずお得なその店には、旨い酒と美味しい料理、そして今時珍しい義理人情があるー旨いものと人々のふれあいを描いた短編連作小説、待望の書籍化!全国の銘酒情報、簡単なつまみの作り方も満載!
霊媒師・アーネストのもとに持ち込まれたのは、十六年前、画家・藤村透基の屋敷から消えた少女の捜査依頼。屋敷には渦巻き状の奇妙な回廊があり、最深部には「持ち主の運命を狂わせる」と噂される人形が飾られている。依頼を引き受けた友人のことが気にかかって、若き喫茶店店主の佐貴も藤村邸に同行することに。年に一度開かれる紫陽花観賞会に招かれた二人の前で、新たな殺人事件が発生してしまいー。
遠く津軽からやってきた盲目の美少女修法師・百夜が、江戸の町で物の怪たちを次々と調伏する怪奇譚。腕のいい修法師と大評判になった百夜のもとには、ひっきりなしに物の怪退治の依頼が舞い込むようになる。糸問屋に、突然現れた伐折羅大将。その男の正体は…(『神将の怒り』)。大工の庄七の店に大きなオニヤンマが現れる。父と嫁ぐ娘の涙と感動の物語。(『勝虫』)。東北から江戸の酒蔵に出てきた杜氏の死。孤独な日々と、家族への思いが、悲しくも切なく染みる。(『慚愧の赤鬼』)。笑って泣ける物語が八篇収録。大人気『修法師百夜まじない帖』シリーズ待望の第二弾。
この本は、見事な“恋愛”小説集だ。フィクションとエッセイの間を行ったり来たりする不思議な作品ぞろい。これを“物語エッセイ”と名づけることにしよう。単行本には収録されなかった、強烈きわまりない“マチコさん”を主人公にした中篇「或る女」を加えた完全版。著者自身によるイラストレーションも多数収録。母と息子、母親と私、見栄っぱりの女友だち、離婚した美女、イタリアの女たらし、ニューヨークの日本人夫婦、舅姑を看取った逞しい中年女たち。自らの周りにいる愛すべき変人奇人がいっぱい。笑ってしんみり、でもなぜか元気が出る三十四篇。
水底に沈んだ少女の名に始まるミステリー 累計60万部を突破した『偏差値70の野球部』の著者のデビュー小説集。 大正14年のある夜、「私」の祖父が住む秩父郡峰伊那村でダムが決壊、「波多野岬」という名の少女が犠牲になる。事故の翌年、祖父の家の納屋から、彼女が生前に祖父へ送った手紙を私は見つける。そこには、未来・過去・現在を定義する「クラウス曲線理論」なる小文が綴られていた。波多野の死にこだわる私は、波多野と同じ名を持つ少女「間中岬」とともにダムへと向かう。--ダムに沈んだ少女は、何を見ていたのか? 現実(うつつ)と幻想(あやかし)、「語り」と「騙り」の間を往還するミステリー「あやかしの小瓶」。 帝大を卒業したものの、不景気のあおりで定職に就けず、高等遊民(=フリーター)として毎日を無為に過ごす「ぼく」。酔い潰れた深夜、ぼくは中年男に拾われ、神田花町の居酒屋で丁稚になるが、恋人の「チヒロ」に打ち明けることができずにいた。やがて、居酒屋の入ったビルの取り壊しがニュースとなり、ぼくは得体の知れない波風に翻弄されはじめる。近代文学の香り漂う青春小説「簡単な生活」。以上2作を収録。