2014年発売
イランを舞台に描く壮大な一大叙事詩 舞台は、イラン、イラク、旧ソビエト、そしてヨーロッパ・・・。壮大なスケールで描く超大作。ペルシアの地を目指した、2人の日本人が、苛烈な運命に翻弄されながらも強く生きる。 イスラム革命が成功したイラン。王の時代は終わりを告げ、念願のイスラム教を軸とする国家へと移りゆく。イスラムの教えを強く信じ、革命を成し遂げた革命防衛隊だったが、権力を手にしたとたん、内部からじわじわと腐敗がすすみゆく。革命の成功が、理想の国家を作り上げると信じていた革命防衛隊員サミル・セイフは、その現実を目の当たりにし、もう一度イスラム革命の理念を取り戻すべく戦う。 一方、イラク、イラン、トルコなど、カスピ海沿岸に国を持たずさまようクルド人。自らの国家を樹立するため、武装蜂起を計画。その意思を受けクルド人の武器を調達する日本人武器密輸商人ハジ。そして、イラン革命をつぶさに見てきた隻脚の日本人ハジ。2人の日本人の生き様を通じて、中東の置かれた現実や人々の思いを見事に描ききる。 20年以上もの長きに渡り、読み継がれてきた船戸与一最高傑作。小学館文庫にて刊行するにあたり、イランの地図と登場人物紹介を付記。
独立国家樹立を悲願に聖地マハバード奪還を目指すクルド人たち。日本人武器商人・ハジが旧ソ連で調達したカラシニコフ二万挺は、無事クルド人の元へ届けられるのか。一方、クルドの民を押さえこまなくてはならないイラン革命防衛隊は、内部の腐敗によりその機能が低下し始める。革命防衛隊を立ち直らせたいと理想に燃える青年・サミル・セイフは、まさかの裏切りに遭い窮地に追い込まれる。革命防衛隊の腐敗と、クルド人の武装蜂起。生き別れた姉とサミルの奇跡の邂逅、あらゆる伏線が一つになり、驚きの結末へと導かれる。船戸与一が描く一大叙事詩、下巻。
全米メディア絶賛、ジョー・ヒル待望の新作 ヴィクトリア・マックイーンは8歳のときから、父にもらった自転車ですでに無くなっているはずの〈近道橋〉をわたり、失せ物を見つけられるようになった。17歳のある日、母と喧嘩をして家を飛び出したヴィクはその自転車で〈橇の家(スレイ・ハウス)〉に辿り着く。そこにいたのは、〈NОS4A2(ノスフェラトゥ)〉のナンバープレートを付けたロールスロイス・レイスに乗る老人ーー吸血鬼(ノスフェラトゥ)ならぬ連続児童誘拐犯の、チャールズ・タレント・マンクスだった。 ブラム・ストーカー賞2013年度最優秀長編賞候補にノミネートされた、ベストセラー作家ジョー・ヒルのダークホラーが日本上陸。 【編集担当からのおすすめ情報】 「ノスフェラトゥ」とは有名なドイツ映画のタイトルにもあるように、吸血鬼を指す言葉として欧米でよく使われています。 本作は、連続児童誘拐犯が乗る年代物のロールスロイスのナンバープレート「NOS4A2」を「ノスフェラトゥ」と読ませ、タイトルとしています。モダンホラーの旗手ジョー・ヒルが描く、現代アメリカの「吸血鬼」の恐怖をどうぞご堪能ください。
モダンホラーの旗手が描く話題沸騰の傑作! 連続児童誘拐犯のマンクスに殺されそうになった記憶に苦しめられ、重度のPTSDを患ったヴィクは、入院生活を経て病を克服し、幼い頃に休暇を過ごした湖の家で息子ウェインと水入らずの日々を送っていた。しかしそれもつかのま、ヴィクへの復讐に燃えるマンクスはウェインをさらい、ロールスロイス・レイスで彼の作り上げた王国〈クリスマスランド〉へ向かう。ヴィクは息子をとりもどすため、満身創痍の体でバイク・トライアンフを走らせるーー。 ベストセラー作家ジョー・ヒルが放つ、ダークホラーの傑作がここに完結! 解説は、ミステリ研究家の霜月蒼さん。 【編集担当からのおすすめ情報】 本作は2013年度ブラム・ストーカー賞最優秀長篇賞にもノミネートされ、米国でも大きな話題となっています。発表は2014年5月、ぜひご注目ください。
目の前の世界をがらりと変えてしまう、不思議で魅惑的なお話を読みませんか?「死の淵にある男が知人の医師に勧められた驚愕の最後」「従順な妻が横暴な夫から受けた仕打ちの行方」「詐欺牧師による狡猾な手段とその結末」「不倫妻が夫を騙す意外な方法」「養蜂家がとった恐るべき行動」-淑女の口づけとみせかけて悪魔の噛みつきのように刺激的。読書の愉悦にどっぷり浸らせてくれる短篇11篇をご賞味あれ。新訳決定版。
謎の男・麦に出会いたちまち恋に落ちた朝子。だが彼はほどなく姿を消す。三年後、東京に引っ越した朝子は、麦に生き写しの男と出会う…そっくりだから好きになったのか?好きになったから、そっくりに見えるのか?めくるめく十年の恋を描き野間文芸新人賞を受賞した話題の長篇小説!
ある日、ホームズのもとを小柄で気品のある、ブロンドの若い婦人が訪れる。十年近く失踪中の父、毎年のように届けられる真珠の箱、そして突然届いた謎の招待状…。死体の傍らに残されたサインをめぐり、追跡劇が幕をあける。円熟期のホームズ物語をあじわえる、「四つの長編小説の中で、最も密度の濃い」傑作。充実した注と解説、全イラスト復刻。
日本屈指の本の目利き二人が、古今東西から読まずにはいられない傑作短篇を持ち寄ったアンソロジー。静かに胸をうつ話から、身の毛もよだつ話まで、厳選した18の名短篇。北村・宮部の解説対談収録。
傑作ぞろいの“人間喜劇”からセレクトする3冊のコレクション、第2回。愛人と出奔したあとに捨てられた若い妻をひそかに見守る伯爵の悲劇を描いた香り高い傑作「オノリーヌ」、『ペール・ゴリオ』を最も感動的に彩ったパリの名花ボーセアン夫人のその後を描く「捨てられた女」、のちの検事総長グランヴィルの若き日の秘密を明かす「二重の家庭」、中篇三篇を収める。
戦後の浅草を生き抜いた愛すべき人たちの物語 昭和二十一年、浅草の劇場・ミリオン座に拾われた万歳芸人の善造、活字好きな戦災孤児の武雄、万年映画青年の復員兵・光秀。年齢も境遇も違う三人と財閥令嬢を自称する風変わりな踊り子のふう子は共同生活を始める。戦争で木端微塵になった夢や希望を取り戻しながら、戦後を生き抜く人々を描く傑作長編。
薩摩討つべし! 悲劇の志士・雲井龍雄の短く激しい生涯 奥羽列藩を襲った幕末狂乱の嵐のなか、討薩ひとすじに奔走し倒れた雲井龍雄の生涯を、熱気のこもった筆致で描いた異色長篇歴史小説。
弱電会社の社員の夫とともに娘を連れてパリから日本に戻った永子。同居する姑や小姑とのトラブル、娘の教育問題…外交官の両親をもち海外暮らしが長かった永子は日本的な気苦労のまっただ中におかれる。そんな中、陰ながら永子を支えるひとりの男の存在で心は揺れ動く。家庭という迷宮の光と影を描き出す、傑作人間ドラマ。
投げ銭でおなじみの岡っ引、江戸の名探偵・銭形平次。少し間の抜けた子分のガラッ八を相棒に、難事件を鮮やかに解決。お上より十手捕縄を預かりながら、善意の下手人は許し、偽善者をやりこめる。推理と反骨、人情の名作捕物小説シリーズから傑作を厳選。美しい妻・お静との馴れ初めを描く表題作など八篇とエッセイを収録。
人里離れた女学校で孤児として育ち、教師となったアナベルは、意地悪な校長と先生たちに囲まれた不遇な日々を送っていた。ある日、王室の貴婦人が突然学校を訪れ、見たこともないほど美しい赤い靴をふとアナベルに差し出す。靴はアナベルの足にぴったりだった。それを見た貴婦人は、なんとアナベルを幼い公爵の家庭教師に指名。思いがけずアナベルは公爵家で働くことになった。豪奢な城には、公爵に無関心な後見人サイモンも暮らしていた。アナベルのひたむきな愛情と明るさに、臆病だった公爵は無邪気な子供らしさを取り戻していく。そして、冷たく閉ざしていたサイモンの心には、忘れていたぬくもりと情熱がめばえ始めていた。ところが、アナベルと公爵が何者かに命を狙われて…。RITA賞受賞作家が贈る“シンデレラの赤い靴”シリーズ開幕!
ロンドンで半年間の仕事を終え、カースリーの村にようやく戻ってきたアガサのもとに、初の探偵仕事が舞いこんだ。依頼人はハイキングクラブの女性。仲間が貴族の領地で殺された事件を調べてほしいという。さっそく手がかりを求めて貴族の屋敷を訪ねると、そこに待ちうけていたのは鼻持ちならない執事。「素人探偵」と一蹴され、いつも強気なアガサも上流階級の雰囲気のなかで調子がでない。そこへ助け舟を出してくれたのは、愛しの隣人ジェームズだった。夫婦と偽って捜査をすることになり、かりそめの夫婦生活を送るふたりに意外な心境の変化が訪れる。いっぽう、肝心の捜査は嘘つきだらけのクラブ仲間や貴族、くだんの食えない執事に翻弄されるばかりで!?
フローベール「愛書狂」、デュマ「稀覯本余話」、ノディエ「ビブリオマニア」、アスリノー「愛書家地獄」、ラング「愛書家煉獄」、古本黄金時代、世人の想像を絶する愛書家たちの倒錯的生態を描いた究極の書痴小説五篇。その狂乱の歴史と実態を綴った評論「フランスの愛書家たち」を併録。