2014年発売
近未来/パラレルワールドの地球を舞台に、一人の女性が自分の夢を見定め歩みだす成長物語。大事な人との別れ、自らの夢、働くこと……宇宙の美しさとそこでの営み、すべての命に感謝したくなる、唯一無二の物語。
本第四楽章をもって“連環体長篇小説”『地獄変相奏鳴曲』がついに完結。十五年戦争の時代をくぐり、敗戦・占領下の混乱、そして戦後の激動を生き抜いてきた、一組の老齢に達した夫婦が、周到な準備のもと、何ゆえ「情死」を選びとったのか?互いに敬愛する男女のなかに根づく“無神論的・唯物論的にして宗教的”な境地とはいかなるものか?日本人の現代および近未来の課題に果敢に挑戦した最終楽章「閉幕の思想」。
天文台の赤道儀室で「幽霊」を見たと言う早川美沙子と、ぼくら級友は夜の雑木林へ出かけた。だが「幽霊」は現れなかった。彼女は目立ちたがり屋の嘘つきだと言われ、学校で浮いてしまう。怯えながらぎこちなく微笑む彼女に、心の底から笑ってほしくてぼくはある嘘をついたー。(表題作)そっとあなたの居場所を照らしてくれる、輝く星のように優しい純愛小説集。
こうしてぼくたちは休暇を過ごすために、だれもが常に巨大な金魚鉢を持ち歩かねばならない世界へテレポートするー不思議なバカンスの顛末(休暇旅行)、肌が宇宙服になって飛んでゆく奇病に引き裂かれる恋人たち(僕らが天王星に着くころ)、彼女の手編みセーターの中で迷子になる男(セーター)…不世出の天才作家による、とびきり奇妙だけれど優しく切ない33編の奇談集、待望の邦訳。2001年度フィリップ・K・ディック賞候補。
大学時代のルームメイト、パミーが家に転がり込んで二週間。家を占領するだけでなく、店で客に迷惑をかけるにいたって、ついにトリシアの堪認袋の緒が切れた。なのに追い出したその日のうちに、トリシアの姉がうっかり彼女を雇ってしまったのだ。そのパミーが姉の店の裏で殺された。古書と専門書の町、読書家の聖地ストーナムで起こる事件を描くライトミステリ。アガザ賞候補作。
池袋チャイナタウンに吹き荒れる、ヘイトスピーチの風。本当の敵は、一体どこにいる?日本の今がここにある。3年半ぶりの、シリーズ第11弾。
「一度の過ちもせずに、君は人生を終えられると思う?」 風俗嬢の後をつける男、罪の快楽、苦しみを交換する人々、妖怪の村に迷い込んだ男、決断を迫られる軍人、彼女の死を忘れ(忘れに傍点)小説を書き上げた作家…… ベストセラー『掏摸(ルビ:スリ)』など世界中で翻訳。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル年間ベスト10小説に続き、米文学賞、デイビッド・グティス賞も受賞 いま世界が注目する作家が放つ13の「生」の物語!!
埼玉県越谷市某町ー絵に描いた様に平和な新興住宅地であるこの町の住民の多くは、ある人物を師と仰ぐ集団の「門下生たち」によって占められていた。彼らは師亡き後も、その清廉な教えに恥じぬよう行動し、なんとか結束を保っていた。目覚めぬ遺児「御子」をめぐり牽制し合いながら…。しかし、かつて御子の生命を救った異端の研究者の死で、門下生たちの均衡は破れた。「私たちこそが、御子をいただくのにふさわしい」三つに分裂した各派閥によって始まった、熾烈な後継者争い。立て続けに起こる、凄惨な第二の死、第三の死。驚愕の真犯人が、人の命と引き換えてまで守ろうとしたものとは!?奇抜な状況設定における人間心理を、ひたすらロジカルに思考するミステリー界のトリックスター、石持浅海が放つ渾身の書下ろし長編。
江戸時代において漢詩は詩歌の王道をなす。それはまた知識層が身につけるべき素養のひとつでもあった。幕末維新という激動期、志士たちは数多くの優れた漢詩を遺している。勝海舟、西郷隆盛、吉田松陰、桂小五郎、高杉晋作など、時代を代表する人々が人生の画期において詠じた詩は、その心情の紛うかたなき結晶である。時に烈々、時に艶美。それら詩の味わいとともに描かれる二十の肖像。
「YA!」累計百万部突破の人気シリーズ第5弾! "地図から消えた村"での冒険、おもしろかったです。 青柳碧人(『浜村渚の計算ノート』) 天才ゲーム制作者に招待され内人と創也はN県塀戸村に向かった。そこに待っていたのは廃村寸前の村に大規模な工事を加え舞台としたリアルRPGだった。集められた参加者たちは詳細不明、予想困難なゲーム『IN塀戸』への挑戦を開始する。天才的頭脳とサバイバル能力が光る。"大長編"少年冒険小説前編! ミステリーの魅力は「不思議な謎の提出」「中盤のサスペンス」そして「意外な結末」の三要素から成るともいわれているのですが、『IN塀戸』はそのどれもが上下巻のボリュームにふさわしいパワーを持った一作といえるでしょう。最後まで目が離せません。 (青柳碧人・下巻・解説より)
リアルRPG『IN塀戸』は謎の連続。閉ざされた村でのゲームに全力を尽くす内人と創也。だがUFO、宇宙人Xと続々登場する未体験レベルの怪現象に、かえって謎は深まるばかり。創也の天才的頭脳が遂に敗北するのか?二人の父親が初登場の短編、短編コミックも余さず収録。“大長編”少年冒険小説完結編!
公立の弱小チームに、甲子園初出場の夢が見えてきた!その道のりで監督の退任、盟友のベンチ漏れとつらい出来事が続くが、主人公レブンは涙を振りきってどまんなかに投げ込む。それが本当の恩返しだ!野球を通じて心身ともに成長する少年たちを描いた、傑作青春小説の最終章。
すべてのビジネスマンに捧ぐ。 本屋大賞の話題作、早くも文庫化! ページをめくるごとに、溢れる涙。これはただの経済歴史小説ではない。 一九四五年八月十五日、敗戦で全てを失った日本で一人の男が立ち上がる。男の名は国岡鐡造。出勤簿もなく、定年もない、異端の石油会社「国岡商店」の店主だ。一代かけて築き上げた会社資産の殆どを失い、借金を負いつつも、店員の一人も馘首せず、再起を図る。石油を武器に世界との新たな戦いが始まる。 石油は庶民の暮らしに明かりを灯し、国すらも動かす。 「第二の敗戦」を目前に、日本人の強さと誇りを示した男。
この男の生き様は美しい。 本屋大賞の話題作。読まずに語るな。 愛する家族、社員、そしてこの国の未来のために。 この奇跡のような英雄たちは、実在した。 敵は七人の魔女、待ち構えるのは英国海軍。ホルムズ海峡を突破せよ! 戦後、国際石油カルテル「セブン・シスターズ」に蹂躙される日本。内外の敵に包囲され窮地に陥った鐡造は乾坤一擲の勝負に出る。それは大英帝国に経済封鎖されたイランにタンカーを派遣すること。世界が驚倒した「日章丸事件」の真実。 若き頃、小さな日本の海で海賊とよばれた男は、石油を武器に、世界と対峙する大きな野望を持っていた。 「ゼロ」から全てが始まる。
作家・小歩危ルカ、六十八歳。巨額の印税を得て以来、新宿のホテルで一人暮らし。相棒はWネックのギター「ロカ」。あとは酒と大麻と鮟鱇鍋。「IQが185もあると予知能力が備わる。だから私の予知したことはほぼ、九十六パーセント当たるんだ」。著者が急逝直前まで書いていた、問題の近未来の私小説。
小説であり、小説でない。ミステリィでもエッセィでも詩でもない。創作の可能性を無限に広げる、奇才・森博嗣の新たな境地がここにある。究極の読書体験が味わえる話題作、待望の文庫化!