2014年発売
この長さが、クセになる。ハマってください。好評『10分間の官能小説集』第3集。 からだが時間を覚えてしまった。 月曜は清純系、火曜はギャル風。日ごとに別の女と寝ていた彼は、ある決意をする。「木曜の女」(乾くるみ)。カラオケルームの狭い個室で美緒に抱きついてきた売れない俳優、翔也は未経験で……。「男と女の夜のシナリオ」(内藤みか)。小説現代に好評掲載された名手10人の手になる「10分で読める」短編官能小説集。 内藤みか「男と女の夜のシナリオ」/南綾子「L町の男伝説」/小手鞠るい「愛のおけいこ」/乾くるみ「木曜の女」/草凪優「月に咲く花」/坂東眞砂子「ハレルヤ」/深志美由紀「裸のお姫様と召使いの話」/前川麻子「まなざし」/睦月影郎「祭の夜」/団鬼六「人生の黄昏に我、名器を想ふ」全10編。
社伝を奪い逃走中の諒司から呼び出しを受けた竜之介は、一人、出雲へ。そこで、現在の天皇家である「金烏」とは別に、裏の天皇家の「玉兎」があり、竜之介はその関係者だと告げられる。一方、竜之介を探して島根へと向かった甲斐と聡美は、出雲大社と素戔嗚尊の謎に挑むも、激しい抗争に巻き込まれてしまう!まさに激動の、シリーズ第8弾!
憑きものばかりの皆塵堂に現れたのは、ツキに見放された不運の男だった。母親と美しい妻を村に残し馴れぬ呉服屋奉公を勤め上げるが、村では石礫で迎えられ、給金も家族も丸ごと失ってしまう。恨みを晴らす丑の刻参りの道具を求めた庄三郎に、店主の伊平次は!?とぼけた人情味と怪談噺で大注目、お江戸ミステリ。
伍子胥は父・五奢、兄・伍尚とともに楚に仕える身だった。だが、楚王の佞臣・費無極が弄した奸計により、父と兄は誅せられてしまう。血涙を振るって危地を脱した伍子胥は、「つぎに楚都にくるときは、楚を滅ぼすときだ」と復讐を固く誓いつつ中原諸国をさすらうのだった。大河中国歴史小説の伍子胥篇、第三弾。 亡命の道 悠悠たる蒼天 流浪の人 子木のたくらみ 密告者 脱出路 呉へーー 蘭京の船 延陵の地 呉王と公子光 彭乙の苦難 謎の絵図
母が殺されたーーその悲しみの葬儀の席で逮捕連行されたのは、弟だった。 大企業勤務のエリートサラリーマンの父、良妻賢母を絵にかいたような料理上手の母、幼いころから両親の期待を一身に背負い、溺愛されてきた弟、そして彼らのなかで、ひとり除けものであるかのように成長した主人公、葉山和弘。 遺棄死体となって発見された母親の被疑者が弟であったことで、父親は頑なにて弟の無実を信じ、反証を得ようとするのだがーー。
1925年、二重帝国崩壊後のウィーン。大戦時に両シチリア連隊を率いたロションヴィル大佐は、娘のガブリエーレとともに元トリエステ総督の催す夜会に招かれた。その席で彼は、見知らぬ男から、ロシアで捕虜となって脱走した末、ニコライ大公に別人と取り違えられたという奇妙な体験談を聞く。そして宴もお開きになるころ、元両シチリア連隊の将校エンゲルスハウゼンが、邸宅の一室で首を捻られて殺害される。六日後には、事件を調べていた元連隊の少尉が行方不明となり…。第一次世界大戦を生き延びた兵士たちが、なぜ今“死”に見舞われるのか。謎に次ぐ謎の果て、明らかとなる衝撃の真相とは。二重身、白昼夢、幻視、運命の謎。夢想と論理が織りなす、世の終わりのための探偵小説。反ミステリの金字塔。
英国中西部の炭鉱の村で、夫婦と幼児が突如失踪した。ロンドン警視庁のディ警部補とハマースミス巡査部長が捜索に派遣されたが、与えられた時間はわずか二日間。地下の坑道のため沈みゆく村を襲う原因不明の奇病、発見された不気味な目玉と血染めのドレス…。謎に次ぐ謎が刑事たちを翻弄する。迷信と因習が残る村の闇と、刑事たちの光がせめぎ合う、ノンストップ警察小説!
全身をグレイ一色につつんだ異色の名探偵・幽霊紳士が事件関係者の前に現われた時、謎は解き明かされるーどんでん返しの趣向に満ちた全12話で構成される『幽霊紳士』。若き日のホームズの活躍を描くパスティーシュなど、世界を舞台にした奇妙な8編を収録する『異常物語』。時代小説の大家による、本格ミステリ連作集と長らく入手不可能だった奇想に満ちた短編集を合本で贈る。
御庭番が登用されたため、公儀隠密の職を失った元隠密の弧兵衛。悪党退治の影成敗を始めた矢先、阿蘭陀花のいかさま話に引っかかってしまう。怒り心頭の弧兵衛だったが、その詐欺の黒幕には思わぬ忍の影があった!?
曲者による三浦屋襲撃事件以来、雷平八郎と四郎左衛門との間には、また最初の頃のようなよそよそしい感じが漂っていた。そんな時、三浦屋の夕霧太夫に三河岡崎藩主・水野忠辰との身請け話が持ち上がるが……。
戸辻八右衛門は突飛な行動は目立つが、義理人情に厚く町民にも好かれる南町奉行所年番方与力。玉川上水へ毒を流すとの投げ文に奉行所の意見が割れる中、八右衛門は腰巾着と陰口を叩かれるも奉行の意見を推すが……。
江戸城・大奥の裏門を警護する切手番頭の高槻宗一郎は、松平伊豆守信明の密偵でもあった。主命により幕政の闇を探る彼は、白河藩主・松平定信、そして老中・田沼意次と邂逅し、権謀の深淵で己が正義を貫かんとする!
旗本家次男の角次郎は米屋の主人に見込まれて婿に入った。婿に入ると聞いていた話と大違い、商売は芳しくなく妻は自分と口をきかない。角次郎は店を立て直すべく奮闘するが……。妻と心を通わせ商家を再興する物語。
楽勝の任務のはずが、まさかこんな展開に! 警察ドラマの現場で殺人が。今野敏節全開!! 驚愕の謎と事件の連続! 「エフシー」=「FILM COMISSIONフイルムコミツシヨン」、その特命は「警察ドラマ撮影に便宜をはかれ」。 しかし、そこにはヤクザの影。お気楽な仕事が、とんでもない捜査現場に発展する!! 信頼喪失であせる警視庁が考え出した特命グループ、警視庁FC。彼らの使命は、映画やドラマの撮影に便宜をはかること。マル暴の刑事、ミニパトの女性警官、交機の白バイ隊員が集められ、憧れの業界仕事にとりくんだが、いきなり、助監督殺人事件が発生。二転三転のとんでもない展開の警察小説が始まる!!
五人の受刑者が脱走した日、彼女は、記憶喪失の青年と出逢った。毎年クリスマスに女性を襲う連続殺人鬼「サンタクロース」。犯人を逮捕できないまま、次の犯行日を三日後に控えたある日、一台の護送車が襲われた。脱走したのは別の事件で逮捕されていた五名の受刑者。その直後シングルマザーのトラック運転手・早苗は一人の青年と出逢う。記憶喪失だという彼の正体は。 五人の受刑者が脱走した日、 彼女は、記憶喪失の青年と出逢った。 「この絆は、君を守ってくれる」 毎年クリスマスに女性を襲う連続殺人鬼「サンタクロース」。犯人を逮捕できないまま、次の犯行日を三日後に控えたある日、一台の護送車が襲われた。脱走したのは別の事件で逮捕されていた五名の受刑者。その直後シングルマザーのトラック運転手・早苗は一人の青年と出逢う。記憶喪失だという彼の正体は。 ーーチェインギャングって知ってるか? 「絆で結ばれた集団」って意味なんだぜ。 俺はこの言葉が大好きなんだ。 絆ってやつはさ、絶対に忘れちゃいけないものなんだよ。 プロローグ 第一章 名もなき者のサイン 第二章 戦う者のサイン 第三章 裏切り者のサイン 第四章 信じる者のサイン エピローグ
江戸川乱歩賞受賞作家7名が放つ最強の競作アンソロジーが、乱歩賞60周年の2014年、文庫化! 七人のミステリ作家に届いた挑戦状。「テーマはデッド・オア・アライヴ、生死の危機。2013年9月7日正午、主要人物が帝国ホテルにいる短編ミステリーを執筆せよ」その場所は天国か地獄か、その選択は生か死か。彼らの出した珠玉の“答え”がここにある。 江戸川乱歩賞受賞作家7名が放つ最強の競作アンソロジーが、 乱歩賞60周年の2014年、文庫化! 七人の作家に届いた挑戦状。 「テーマはデッド・オア・アライヴ、生死の危機。 2013年9月7日正午、主要人物が帝国ホテルにいる短編ミステリーを執筆せよ」 その場所は天国か地獄か、その選択は生か死か。彼らの出した珠玉の「答え」がここにある。 薬丸岳「不惑」 とある事件が原因で13年間眠り続ける恋人をもつ窪田。彼は今日行われる結婚式で復讐を企てるが、同級生の夏目が違和感に気付く。夏目シリーズ最新作。 竹吉優輔「イーストウッドに助けはこない」 違法スレスレの街金で働くコージは、ヤクザの女に手を出した「そのスジ」の叔父を拉致してリンチする羽目になるが、ダメ叔父とコージには大切な思い出があった。 高野史緒「悪魔的暗示」 1918年、帝国ホテルで天才少年は米国スパイの会話を耳にする。各国スパイが血眼になって追う、滅亡したロシア・ロマノフ王朝の“秘宝”の行方は。 横関大「クイズ&ドリーム」 とある目的でホテルに泊まっている川尻の客室を突然訪れた、銀色の仮面をつけた男。彼は「負けたほうが謎のカプセルを飲む」ルールのクイズゲームを強要する。 遠藤武文「平和への祈り」 ケセランパサランを追いかけた先の公園で、ミステリー作家・“遠藤武文”はミカエルを名乗る天使に出会う。自分の肩に世界の滅亡がかかっているとしった作家は……。 翔田寛「墓石の呼ぶ声」 雨宮勇吉は、9月頭の7日間を必ずホテルで過ごす常連客だ。ホテルマンが聞いた彼の過去と、墓石に刻まれた秘密とは。 鏑木蓮「水の泡〜死を受けいれるまで〜」 ナノバブルと呼ばれる微細な気泡を作る技術で会社を興した凜子。会社は大きくなったが、婿養子の夫には愛想が尽きた。一人酒を楽しむ夜、急に体中をしびれが襲い……。 薬丸 岳「不惑」 竹吉優輔「イーストウッドに助けはこない」 高野史緒「悪魔的暗示(Наваждение)」 横関 大「クイズ&ドリーム」 遠藤武文「平和への祈り」 翔田 寛「墓石の呼ぶ声」 鏑木 蓮「水の泡〜死を受けいれるまで〜」
首なし死体として発見された美人女子大生、菅野香織。彼女の死と殺害方法は、ミステリ小説の中で何故か予告されていた。首は見つからぬまま、再び発見される首なし死体。異常な連続殺人の背後には、密室の中で自ら首を切断して自殺した作家の存在があるという。被害者の同級生、安藤直樹が事件の真相を追う。『記憶の果て』『時の鳥篭』に続く安藤シリーズ第3弾。
安藤直樹は冷たく表情のない若者。三人目の女子大生・首なし死体が見つかっても動揺せず、「これは俺の事件だ」とのたまう。そして、第四の事件を予言する安藤。彼が笑みを浮かべた時、世界は暗転した。驚愕の「切断の理由」とは…。『記憶の果て』『時の鳥篭』から複雑に絡み合うメビウスの輪が、遂に解かれる!どんでん返しでは済まされぬ、愕然必至のミステリ。