2015年10月発売
箱根湯本の山林で若い女性の胸部が入った袋が発見された。中には、信濃日日新聞の安曇野版と、地元の銘菓の包装紙もあったのだ。なぜ犯人は有力な物証を残したのか?やがて被害者は、安曇野市の自宅から失踪した高崎恵那子と判明。長野県警安曇野署の道原伝吉は、彼女の足跡を追って畑宿、仙石原、強羅を訪れる。そして次々と発見される切断遺体!傑作長篇ミステリー。
老中首座松平定信は将軍家斉の意を汲み、実父治済の大御所称号勅許を朝廷に願う。しかし難航する交渉を受けて強行策に転換。若年の使番東城鷹矢を公儀御領巡検使として京に向ける。公家の不正を探り、朝廷に圧力をかける狙いだ。朝幕関係はにわかに緊迫。定信を憎む京都所司代戸田忠寛からは刺客が放たれた。鷹矢は困難な任務を成し遂げられるのか。圧倒的スケールの新シリーズ、開幕!
「十兵衛に抱かれると、心願がかなう」噂は江戸の娘たちの間に広がった!「好きな男と夫婦になれた。形見が高値で売れた」と大評判。だが千代という女の願いは少し妙?御出世でございます」惚れた男との恋の成就ではないって?が亡くなりました」と突然美貌の若侍が出現。彼こそが、龍助であった。
「にゃん!」「にゃんだと?生意気な野郎だ!」-最近のお江戸は物騒だ。夜明けに血を吸われたお嬢さんの死体が転がっていたりする。化け猫のしわざでは、と町人たちに疑われる雷獣クロスケ。しかしその昔、京都でも“吸血鬼”なる魔物が出たことが…。さらにお園に言い寄る謎の異国人や、ヘタレ仁科に相棒が!?花のお江戸を妖怪から守るため、妖怪改方の刀弥たちは立ち上がる!
相思相愛の日比野左内と茜姫であったが、二人はまだ男女の仲に至っていない。父殺しの汚名を着せられて出奔した兄を見つけ出し、その潔白を証明するまでは、誰とも深い仲にはなるまい。左内は、そう心に決めているのだ。二人が甘く切ないすれ違いをした夜、左内の前に弊衣の浪人者が現れた。その人物こそ、日比野博之進、三十四歳。長く行方知れずとなっていた、腹違いの兄であった。
ジャーナリストの尾木昌也が刺殺された。取材中の事案から、中東の過激派に疑いが向けられる。だが、特命を受けた渋谷署生活安全課の三上謙は、過激派への容疑に異和感を抱く。尾木が調べていた様々なネタを追ううちに、おぞましき癒着の構造に行き着く。そして、鍵を握る元代議士の拉致現場に居合わせると、三上は自らも銃撃を受け…。巨悪に迫る圧巻の警察小説。
ホステス時代の上客を呼び出しては禁断の秘戯にふける、入籍直前の美人秘書。清楚な見た目とは裏腹にSの噂のある妖しいOL。妊娠七ヶ月のキャリアウーマンは学生バイトの純情を弄び、地味な女子事務員は、堅物な男を不倫の海に溺れさせる。私の前では、男なんてただの玩具。すべては、私の愉しみのためにー。人気官能作家陣が描く、八つの甘くて感度抜群な極上エロス。
「おれの首を斬れば、おぬしの首も斬られるぞ」切腹の際、不気味な台詞を残した男。介錯を務めたのは、旗本柴崎家から請われた畠沢藩の首斬り人鬼塚雲十郎だった。予言通り鎖鎌を遣う異様な刺客の襲撃を受けた雲十郎は、柴崎家のお家騒動に巻き込まれていく。次次と家士が倒される中、病床の主の跡を狙うのは?居合を武器に、見えない敵に雲十郎が立ち向かう!
「遊び奉行」とは、禄高の割に月に一日の勤めでよいことから裁許奉行に付けられた別称である。藩主の長男ながら側室の子ゆえに、家老家に婿入りした九頭目一亀は、武士には禁じられている園瀬の盆踊りを踊った罪で、その暇な奉行に降格させられた。愚兄と誹られた振る舞いだったが、その陰には乱れた藩政を糺すための遠大な策略が!清冽で痛快な傑作時代小説。
廃業した元関脇がひっそりと江戸に戻ってきた。かつて土俵の鬼と呼ばれ、大関昇進を目前にした人気者だったが、やくざとの喧嘩のとばっちりで江戸払いとされたのだ。十五年後、離ればなれとなっていた妻や娘に会いに来たのだった。一方、“算盤侍”唐木市兵衛は、御徒組旗本のお勝手たてなおしを依頼された。主は借金に対して、自分の都合ばかりをくましたてるが…。
己が剣は求道か殺戮か!戦国の世にどこからともなく現れ、終生、自由な求道者として一刀流という巨木を打ち立て、そして忽然と姿を消した謎多き剣豪・伊藤一刀斎ー天才兵法者の鮮烈人生をスピード感溢れる筆致で描出した、極上のエンターテイメント。
シンガポールで〈アンティ・リーズ・ディライツ〉という名物カフェを営むアンティ・リーは、知りたがり屋で負けず嫌い。 観光地の島で見つかった女性の遺体が知人と知るやいなや、メイドがいさめるのも聞かず、探偵ごっこを始めてしまう。 ある時はカフェの料理人、ある時は真珠のネックレスをつけた優雅な老婦人として警部よりも一枚上手だ。 けれど真犯人を見つける前に、マングローブの森で第二の死体が見つかり……。
染色家の妻の留学に同行し、作家はノルウェーに一年間滞在した。光り輝く束の間の夏、暗雲垂れ込める太陽のない冬、歓喜とともに訪れる春。まっさらな心で出会った異郷の人々との触れ合いを縦糸に、北欧の四季、文学、芸術を横糸に、六年の歳月をかけて織り上げられた精神の恢復と再生のタペストリー。野間文芸賞受賞作。
『抹香町』によって、時代の寵児となった川崎長太郎。 しかし短篇群〈抹香町もの〉の全体像は、纏められたことがない。 初期作「夜の家にて」から、売春防止法施行、「抹香町」の消滅、その後日譚まで、 十四篇を精選した本書は、『新編 抹香町』ともいいうる。 扇情的な私娼小説を超え、孤独な男女の魂の道行、 虚飾を剥ぎ取り、危険水域に生きる者たちの生の原形質へと迫る。 長太郎文学の核心を余すところなく示した、歿後三十年記念出版。
父真田昌幸、兄信幸とともに天正壬午の乱を戦い、上杉家人質時に直江兼続と、上洛時には豊臣秀吉と出会い大きく成長した信繁(幸村)は、関ヶ原大戦では上田合戦において徳川軍を攪乱するも西軍は敗れ、九度山にて不遇の時を過ごす。大坂冬の陣・真田丸の激闘により真田の武名を轟かせ、夏の陣では後藤又兵衛、木村重成ら剛将とともに散り戦国に最高の輝きを放った男の生涯を描く傑作長編小説。
国際アンデルセン賞画家イングペンが描く、オールカラー豪華愛蔵版。 川の土手で読書をしていたアリスは 不思議なウサギを追いかけ穴へ落ちーー しゃべる芋虫、チェシャーネコと出会い、 帽子屋の永遠に終わらないお茶会に参加したり、 ハートの女王とのゲームに巻き込まれ・・・ 奇想天外な地下の国で、アリスの大冒険がはじまります。 国際アンデルセン賞受賞画家イングペンによる表情豊かな挿し絵と、読みやすい新訳で、 永遠のファンタジーが生き生きとよみがえります。 世界中で愛され続けているナンセンスで奇想天外な冒険をお楽しみください。 ※小学校5年以上の漢字にルビ
ボーン・コレクターを継ぐ殺人者、登場。 毒で刺青を彫り人を殺す犯人はボーン・コレクターの模倣犯か? 悪の天才とリンカーン・ライムの究極の戦いが開始される! 最新作。