2015年10月発売
ある朝、レイチェルは電車の窓から、理想としていた主婦の、不倫現場を見てしまう。その直後、主婦は行方不明に。失踪か、殺人か。捜査が難航する中、彼女の過去が徐々に明かされる。レイチェルは「真相」を告げようと被害者の夫に近づくが、それが悲劇の始まりだった。世界で絶賛された英国ミステリー、驚愕の結末。
第二子の誕生した日に、会社が買収された!?木下勇介の勤めるトマト証券が、業界大手の朝日証券に買収される。その記事が各新聞を賑わせた朝、勇介の第二子が誕生する。妻のいない一週間、長男の世話をしなければならないし、勇介の想像を絶する苦闘の日々が始まった。所属する部には、暴力的で成果至上主義の野獣のような部長がやってきて、過酷なノルマの必達が課せられた。-猶予は一週間!父として、証券マンとしてどれだけの力を発揮できるのか!正統派サラリーマン小説の意欲作。
政治家の妻であり、息子のために描いた絵本『あおぞらリボン』がベストセラーとなった高倉陽子と、新聞記者の相田晴美は親友同士。共に幼いころ親に捨てられ児童養護施設で育った過去を持つ。ある日、「息子を返してほしければ、真実を公表しろ」という脅迫状とともに、陽子の息子が誘拐された。「真実」とは一体何なのか。そして犯人は…。絵本『あおぞらリボン』(作・みなとかなえ、絵・すやまゆうか)を特別収録。
念願かなって神楽坂でカフェを始めたマリエ。だが店はすぐに行きづまり、路上を彷徨っていたところを謎の中年男に助けられる。この「誇り高き宿無し」であるヤッさんは、築地市場や料理店を駆け回り、食の達人として関係者の相談に乗っているという。時には啖呵を飛ばし、時には悩む背中を押すヤッさんに、人はなぜ惹かれるのか?マリエは弟子入りし、新たな道を探っていく。大好評ユーモア人情小説の第二弾!
中学校教師の竹原に、傷害事件を起こして以降、没交渉だった父親が孤独死したとの連絡が入る。父親は遺言書を残しており、そこには竹原の知らない人物に財産を贈ることが書かれていた。疑問に思いその人物を調べ始める竹原だが、やがてさまざまな事件に巻き込まれていくー。単行本刊行時に各紙誌で絶賛された長編ミステリーが遂に文庫化。第32回小説推理新人賞受賞作家のデビュー作。
上司とケンカして会社を飛び出し、起業するも失敗。女房にも愛想を尽かされ、いまは居酒屋の二階に居候し、「便利屋」をしている本田優一郎。そんな折、優一郎は居酒屋の女将から、友人の浮気調査を頼まれる。元プロレスラー、元サオ師という一癖も二癖もある住人の協力もあり、見事に事件を解決した優一郎は、それ以来、3人でチームを組み、様々な男女間のトラブルを解決していく。書き下ろし官能下町ロマン。
江戸に強風が吹き荒れ、市中に黄砂が煙る頃。神田馬ノ鞍横町で口入屋を営む蛙屋忠兵衛は、小商いばかりで、うだつの上がらぬ毎日。昼酒を啖い、無聊を託つが、忠兵衛には女房のおぶんも知らぬ、裏の顔があったー。雲弘流の達人「殺生石」柳左近。不傳流の若武者、琴引叉四郎。そして稀代の仕掛人、「帳尻屋」忠兵衛。蔓延る悪に引導を渡す、闇の男たちの活躍を描く、痛快無比の新シリーズ参士!
仏壇屋『芳徳』の跡継ぎ、長兵衛が忽然と姿を消した。金持ちを強請って養護所設立資金を稼ぐ日々に気詰まりを感じていた桜井慎之介は、五十両で若旦那探しを引き受ける。一見実直な長兵衛には裏の顔があり、二人の女の影が浮上。そのうちの一人、元亭主持ちのお勢が無残な姿で発見される。一方、もう一人の女、おふうはやくざも手を焼く性悪娘だった。やがて明かされる驚愕の真相とは?痛快シリーズ第四弾!
左門によって己が企てを立て続けに阻まれていた赤鞘組の小頭、猿橋市之丞は、副頭目の轡田兵庫の来訪を受け、組織への上納金が減っていることを咎められる。轡田の苛烈な制裁を懼れた猿橋は、左門と懇意にしているお神楽一家の縄張りを奪うべく、策を講じるがー。左門の業を凌駕する、最強の敵が姿を現す!空前絶後の無頼漢、三日日左門の活躍を描く、圧巻のシリーズ第三弾!!
本所来栖道場の師範代・豊之助は懸命にオンボロ道場の立て直しをはかるが、弟子は遅々として集まらない。ところがある日、十数名もの新弟子志願者が訪れた。どうやら、闇討ちに遭ったところを豊之助が救った越中屋の指図らしい。喜ぶ豊之助だったが、この一件、思わぬ事件へと繋がっていく…。好評シリーズ第二弾!
2019年。45歳、結婚経験なし、子どもなしのフリーター・トリコは、人生に絶望して、睡眠薬をまるごとひと瓶飲んで自殺をはかる…。意識を取り戻した先は、昭和の終わり、バブル期まっただ中の1989年の渋谷。30年前にタイムスリップしたトリコは、憧れだったミュージシャン、ドルフィン・ソングの解散を阻止すべく、奔走する!
1918年11月、休戦が近いと噂される西部戦線。上官プラデルの悪事に気づいたアルベールは、戦場に生き埋めにされてしまう!そのとき彼を助けに現われたのは、年下の青年エドゥアールだった。しかし、アルベールを救った代償はあまりに大きかった。何もかも失った若者たちを戦後のパリで待つものとはー?『その女アレックス』の著者が書き上げた、サスペンスあふれる傑作長篇。フランス最高の文学賞ゴンクール賞受賞。
第一次世界大戦直後のパリでのしあがる実業家プラデルは、戦没者追悼墓地の建設で儲けをたくわえていく。一方、アルベールは生活のため身を粉にして働いていた。そんな彼にエドゥアールが提案したのは、ある途方もない詐欺の計画だった。国をゆるがす前代未聞のたくらみは、はたしてどこにたどりつくのか?日本のミステリ・ランキング一位を独占した人気作家が放つ、スリルと興奮に満ちた群像劇。一気読み必至の話題作。
膨大な犠牲者を出して、大戦は終わった。真面目な青年アルベールは、戦争で職も恋人も失ってしまう。画才に恵まれた若きエドゥアールは顔に大怪我を負い、家族とのつながりを断つ。戦死者は称揚するのに、生き延びた兵士たちには冷淡な世間。支え合いながら生きる青年たちは、やがて国家を揺るがす前代未聞の詐欺を企てる!
「コラーゲンの抽出を見守るような仕事はありますか?」燃え尽き症候群のようになって前職を辞めた30代半ばの女性が、職業安定所でそんなふざけた条件を相談員に出すと、ある、という。そして、どんな仕事にも外からははかりしれない、ちょっと不思議な未知の世界があってー1年で、5つの異なる仕事を、まるで惑星を旅するように巡っていく連作小説。
馬車に轢かれ、魂だけの存在になっていた町娘ユーナは、とある事情から、聖女シェリアスティーナの身体に入り、1年間の期限付きで王宮暮らしをすることになる。そんな中、ユーナは誠実で優しい騎士アシュートに淡い恋心を抱きはじめる。けれど彼はシェリアスティーナの婚約者で、国で一番の騎士。自分には届かない人だと、その想いは胸にしまい、残された時間は、いずれ戻ってくるシェリアスティーナのために使うことを心に決める。そして迎えた別れの日。ユーナはアシュートに抱き締められながら、幸せな気持ちでシェリアスティーナの身体から去った。悲嘆に暮れるアシュートだが、身体に戻ったシェリアスティーナから、ユーナがまだ生きていることと、その命の危機を知らされて…。ユーナをどうしても助けたいアシュートは、ある決意をするのだがー?