2015年10月発売
スペイン内戦下、バスクから疎開した少女を引き取ったベルギーの若者ロベール・ムシェ。その出会いが、彼の人生を思わぬ方向へと導いていく…。それから70年近くを経て、バスクの作家によって見いだされた、無名の英雄をめぐる心揺さぶる物語。
バラバラ死体の「虫の知らせ」がおかしい!東京都西多摩で、男性のバラバラ死体が発見される。岩楯警部補は、山岳救助隊員の牛久とペアを組み捜査に加わった。捜査会議で、司法解剖医が出した死亡推定月日に、法医昆虫学者の赤堀が異を唱えるが否定される。なぜ遺体の死後経過と「虫の知らせ」が一致しないのか!
二十歳で八十歳の巌夫と打算ずくの結婚をした麻貴は、巌夫の息子、さらに孫とも不倫をしている。ある日、ふらりと赴いた旅先で出会った女学生に抱いた気持ちは、未だかつて経験のないものだった。(「金色」)。狂おしく愛を求める女たちの物語。
心に傷を抱えた大学生の春近は、眠れない冬の日の深夜、公園に散歩に出かけた。「二月三日は、『不眠の日』です」。そこで彼に話しかけたのは、ひまわりのような笑顔を浮かべる、人妻のひまりさんだった。もふもふの白い毛並みのサモエド犬・有海さんを連れた彼女とともに、晴追町に起こる不思議な謎と、優しい人々と触れあううちに、春近はどんどんひまりさんに惹かれていき…。
十年前に一度だけ見た星を探す少女ー私立指輪学園中等部二年の瞳島眉美。彼女の探し物は、校内のトラブルを非公式非公開非営利に解決すると噂される謎の集団「美少年探偵団」が請け負うことに。個性が豊かすぎて、実はほとんどすべてのトラブルの元凶ではないかと囁かれる五人の「美少年」に囲まれた、賑やかで危険な日々が始まる。爽快青春ミステリー、ここに開幕!
東京地検特捜部検事・正崎善は、製薬会社と大学が関与した臨床研究不正事件を追っていた。その捜査の中で正崎は、麻酔科医・因幡信が記した一枚の書面を発見する。そこに残されていたのは、毛や皮膚混じりの異様な血痕と、紙を埋め尽くした無数の文字、アルファベットの「F」だった。正崎は事件の謎を追ううちに、大型選挙の裏に潜む陰謀と、それを操る人物の存在に気がつき!?
ウォーカロン。「単独歩行者」と呼ばれる、人工細胞で作られた生命体。人間との差はほとんどなく、容易に違いは識別できない。研究者のハギリは、何者かに命を狙われた。心当たりはなかった。彼を保護しに来たウグイによると、ウォーカロンと人間を識別するためのハギリの研究成果が襲撃理由ではないかとのことだが。人間性とは命とは何か問いかける、知性が予見する未来の物語。
両親失踪、自宅差し押さえ…突如天涯孤独の身になった高校生の万丈は、父が残した伝言通り、東銀座にある「ガルボビル」に向かう。そこで初対面の祖母「石さん」に出逢い、彼女と一緒に暮らすことになるのだが、どうやらそのビルには奇妙な先住者たちがいるようで。訳ありな者どもが集うガルボビル界隈で、石さんと万丈はちょっと不思議な商売を始めることになって…!?
女子高生すずは神楽坂の「恋衣神社」で、ちょっと能天気な神主・波留斗のもと巫女バイトを始めたばかり。おっとりしてるけど頼りになる先輩巫女の麻矢が珍しく休みをとったある日、神社に不審な電話がたてつづけにかかってくる。そして麻矢の隠された過去が明かされて。ワケありな人々が集う恋衣神社で、波留斗がご近所の謎を解く。ほんわかじんわり神楽坂事件簿!
郵便屋が郵便局と呼ばれていたのは昔の話。四つ葉坂郵便屋の窓口で働く春日浦ハルは、厳しくも優しい先輩・六嘉のことが大好きだった。ところがある日、郵便総括局の局員が四つ葉坂郵便屋を訪れ、匿名で手紙が届かないという告発があり、六嘉を疑っているようなことを言い出してー?「郵便屋」を舞台に巻き起こる、切なく優しい郵便ミステリー!
配達人のイットは今日も真っ赤な愛車「ダットサン」にお荷物少女のイソラと荷物を乗せてひた走る。イットが運ぶ荷物の届け先はいつもどこか風変わり。千人以上の人が住む家や辺鄙な土地に暮らす謎の一家など、一筋縄ではいかない彼らの頼みにイットはなぜか巻き込まれて…!?荷物にまつわる、ちょっと不思議な人々と、二人の日常を描く新感覚配達人ストーリー。
連続する殺人事件には共通点があった。見せしめのような殺害方法、被害者は破綻した大手消費者金融「紅鶴」の元社員。それに気付いた刑事・久保田は事件を追い始める。紅鶴に人生を破壊された男たちの復讐劇の最後にして最大のターゲットは社長一族の元専務・紅林伸夫。決着の場所は、六本木の巨大ビルで行われる映画祭。その壮絶な結末とはー!?現代社会の闇に向き合った渾身の犯罪小説。
安政二年、天地を揺るがす大地震が江戸を襲った。騒乱のなか、臨時の町廻りを言いつかった新米同心の虎之助は、不審な遺体の発見や赤ん坊の神隠しなど、さまざまな出来事に遭遇する。大柄で気の優しい虎之助はときに迷いながら、岡っ引きの松五郎、勝気な母や姉らに助けられ、住む場所と家族を失った民のため町を駆ける!天災に見舞われてなお、懸命に生きる市井の人びとを描く傑作時代小説。
次なるターゲットは警察官!?仕事に応じて数々の名を使い分ける男と自称経営コンサルタントの四面堂遥。ひょんなことからコンビを組んだ二人は、今日もあの手この手であくどい奴らに罠を仕掛ける。不倫、偽札、骨董商売、遺法賭博と聞けば食指が動く。金になりそうな匂いのするところに世間師あり。狙った獲物は逃さない。褒めてのせて騙して稼げ!大人気“世間師”シリーズ第2弾!
僕が入社したのは、悪徳ブラック企業!?過酷な労働と精神的負担で営業部員は半年で辞めていく中、事務職の僕は無難に仕事をこなし二年目に。唯一の楽しみは、会社や駅のトイレでくつろぐこと。素性不明なトイレ常連メンバーたちと静かな個室争奪戦を毎日繰り広げる。しかし、ある電話がきっかけで、日常が一気に崩れ出す。限界に達した僕は、退職を決意するが…。芥川賞作家の話題作。
後漢末、霊帝の時代。宦官たちは帝をほしいままに操り、天下は麻のごとく乱れていた。疲弊した民衆の一部は黄巾賊となって全国に蜂起。大軍を率いて首都洛陽に入った董卓が軍政の覇権を握ると、たちまち暴政の嵐が吹く。「乱世がくるぞ」若き曹操は身ぶるいしながら思ったー“乱世の英雄”曹操を中心に、群雄たちが繰り広げる壮大な歴史ロマン。文字が大きく読みやすい新版、全5巻刊行開始!
暴君董卓が誅殺され、長安を脱出して洛陽に還幸した献帝を迎えたのは、十万の精兵を率いる曹操だった。帝を擁した曹操は、為政者として絶大な権力を握り、他の群雄から一歩抜きん出た。膝下には勇将・賢臣が集い、いよいよ天下を狙い中原の制覇を目ざす秋が来た。しかし、もう一人の英雄劉備が、雄飛の時を待っていた。終生の宿敵となる両雄の戦いは、いま静かに始まろうとしているー。
真冬のバルセロナ。若い女性が地下鉄に飛び込んだ。彼女の携帯電話には不可解なメッセージと、木に吊るされた3匹の犬の死体の写真が…。カタルーニャ州警察警部エクトル・サルガドは、女性の勤める会社では、他にも自殺者がいることに気づく。相次ぐ自殺の裏にあるおぞましい真相とは?一方、産休中のレイラ・カストロ刑事は失踪したエクトルの元妻を捜すが…。好評のバルセロナ・ミステリー第2弾。