2015年10月発売
イリアナはスコットランドに稼ぐことを決意した。父亡き後、資産目当てに強引に母と結婚した男の監禁から逃れ、自分と母の安全を守るためにはそれしか方法がないー。だがたどり着いた城は荒れ放題で、夫となる領主の息子ダンカンも領民たちも“こぎれい”とは言いがたい状態。とはいえ、いまさら引き返せない彼女は夫が衛生的な生活に改めるまで一緒に寝ないと宣言し、“貞操帯”を身につける。怒りながらもイリアナの魅力に抗えない彼は、その鍵のありかを探りつつ、なんとか彼女を誘惑しようと知恵をしぼるが…?
ある日、人形たちの世界“パッパラワールド”で起こった謎の美大生殺人事件。奇妙な暗号が残された事件の背後には悪の権化、地獄の学芸員の影がちらつく…。この謎の事件に挑むのは、われらが金田一耕助…ではなく、現代アート探偵ゲンダイチコースケ!はたしてゲンダイチコースケは、現代アートの知識と教養を駆使して、この難事件を解決に導くことができるのか?
外国スパイから「凶神」と恐れられた公安警察の元エース。組織を追われた男のもとに、かつての特別協力者が現れたー。命をかけた諜報戦は、あなたの目の前でも起きている。公安警察、最後の狂犬が“北”の利権を狙う政財官に喰らいつく。
中国の謀報機関・国家安全部の辣腕工作員と、警察に紛れ込んだ「潜入者」の罠にかかり、公安部を追われた元スパイハンター・筒見慶太郎。だが、左遷先のニューヨークで発生した外務大臣毒殺未遂事件を機に、8年の月日を経て再び彼らと対決の時がー。極秘の存在とされる公安部ウラ作業班の元精鋭たちが再び立ち上がる。これが国際謀報戦の現実だ!
みんな、いつか遠くへ行ってしまう。本当の自分を知っているのにね。生きること、いなくなること、強くなることー人生のとても柔らかな場所をそっと照らしだす物語。いちばん大切な人に贈りたい、四年ぶりの長篇小説。
信玄に臣従して真田家の祖となった祖父・幸隆、その智謀を秀吉に讃えられた父・昌幸、そして大坂の陣に“真田丸”を死守して家康の心胆寒からしめた幸村。戦国末期、真田三代と彼らに仕えた異能の者たちの戦いを、超豪華作家陣の傑作歴史小説で描き出す!
一人の男子生徒の転落事故以降、ひきこもりを続ける少年・渉。ある日、軽い気持ちで投稿サイトに書き出した小説が、突然現実とリンクし始める。殺人鬼が少女たちを襲う小説内での事件が、町で実際に起こったのだ。さらに、消したはずの小説は何者かにより続編が公開され、さらなる悲劇が積み重なっていくー。
「あなたの愛人になんて、ぜったいなりませんっ!」元華族家の令嬢・椿は、実家の借金と引き換えに若き実業家・誠二の「愛人」にさせられる。可憐で家庭的な椿を大切にしたいのに、魅力に抗えず求め続ける誠二。不器用な誠二の優しさにほだされ、心とカラダを開いていく椿…。クラシカルな雰囲気ただようロマンティック全開ラブストーリー!
恐るべき破壊力を秘めたパワードスーツを着用して、目的の惑星へと宇宙空間から降下、奇襲攻撃をかける機動歩兵。地球連邦軍に志願したジョニーが配属されたのは、この宇宙最強の部隊だった。肉体的にも精神的にも過酷な訓練や異星人との戦いの日々を通して、ジョニーは第一級の兵士へと成長していくが…。ミリタリーSFの原点ここに。映画・アニメ界にも多大な影響をもたらした、巨匠ハインラインのヒューゴー賞受賞作。
地球がナメクジ型異星人に攻撃されてから30年、ヒブル大佐率いる科学者チームは、ついに敵を殱滅する新型爆弾を開発する!だが、肝心の敵の母星の位置がどうしてもわからない。惑星バイクセルが異星人に再占領されたとの情報を得たワンダー中将は、ヒブル大佐とともに惑星バイクセルに急行する。異星人兵士をあやつる脳の役目を果たす生命体を生け捕りにして、その本拠地をつきとめるために…壮大な戦争SF堂々完結!
「15年後、あなたは奥様や友人に見捨てられ不幸のどん底にいます」平凡だが幸せな毎日を過ごすアニメーター・服部政志に、未来からきた中年女性“アリアドネ邦子”は、恐るべき破局の訪れを告げる。「15年後の8月23日を72回繰り返してください」-そうすれば、最悪の将来から逃れる方法が見つかるという。ヒントは飼い猫のコテツ!?夏の終わりの吉祥寺を翔けるタイムトラベル・ラブコメ!気鋭のアニメ監督初の書き下ろし。
第二次大戦後まもなく、従軍看護婦だったクレアは、夫フランクとスコットランドのハイランド地方での休暇を楽しんでいた。しかしストーン・サークルを訪れた彼女は、巨石のあいだでつまずき…気がつくと、近くにはキルト姿の男たちとマスケット銃を持った兵士たちが!なんとクレアは、二百年前にタイムスリップしていたのだ。現代と過去で愛と運命に翻弄される、時を旅する女性の物語ここに開幕!大人気ドラマ原作。
長野県松本で暮らす作家のぼくは、連絡がとれない父・伊郷由史の安否を確認するため、新潟の実家へと戻った。生後3ヶ月で亡くなった双子の兄とぼくに、それぞれ“文”“工”と書いて同じタクミと読ませる名付けをした父。だが、実家で父の不在を確認したぼくは、タクミを名乗る自分そっくりな男の訪問を受ける。彼は育ての親を殺して死刑になってから、ここへ来たというのだが…神林長平、三十六年目の最新傑作にして、最大の野心作。
その書店は島で唯一の、小さな書店ー偏屈な店主のフィクリーは、くる日もくる日も、一人で本を売っていた。かつては愛する妻と二人で売っていた。いつまでもそうすると思っていた。しかし、彼女は事故で逝き、いまはただ一人。ある日、所蔵していたエドガー・アラン・ポーの稀覯本が盗まれる。売れば大金になるはずだった財産の本が。もう、なにもない、自分にはなにも。それでもフィクリーは本を売る。そしてその日、書店の中にぽつんと置かれていたのはーいたいけな幼児の女の子だった。彼女の名前はマヤ。自分も一人、この子も一人。フィクリーは彼女を独りで育てる決意をする。マヤを育てる手助けをしようと、島の人たちが店にやってくる。婦人たちは頻繁にマヤの様子を見に訪れるし、あまり本を読まなかった警察署長も本を紹介してくれと気にかけて来てくれる。みなが本を読み、買い、語り合う。本好きになったマヤはすくすくと成長し…人は孤島ではない。本はそれぞれのたいせつな世界。これは本が人と人とをつなげる優しい物語。
近未来アメリカ、地球温暖化による慢性的な水不足が続くなか、巨大な環境完全都市に閉じこもる一部の富裕層が、命に直結する水供給をコントロールし、人々の生活をも支配していた。米西部では最後のライフラインとなったコロラド川の水利権をめぐって、ネバダ、アリゾナ、カリフォルニアといった諸州の対立が激化、一触即発の状態にあった。敏腕水工作員(ウォーターナイフ)のアンヘルは、ラスベガスの有力者であるケースの命を受け、水利権をめぐる闇へと足を踏み入れていく…。『ねじまき少女』で化石燃料の枯渇した世界を描いた作者が、水資質の未来を迫真の筆致で描く傑作。