2015年12月発売
主人公・中原亜紀は、40歳独身の会社員。しっかり者で、一見“デキる女”に見える亜紀だが、恋愛となると、尽くしすぎる“都合のいい女どまり”。そんな亜紀の親友で、同じく独身の大崎萠子とバイツチで3人の子持ちの坂田みどりのアラフォー女性3人が、ひとクセある男たちに翻弄されながらも幸せをつかむべく奮闘していく…恋でも仕事でも幸せになりたい女性たちを応援する痛快でハッピーなヒューマンラブストーリー!
諦めず、迷わず、信じた道を一筋にーー 謎の刃傷事件を起こした浅野内匠頭。 彼が密かに残した”最期の言葉”とは。 言葉を聞いた勘解由の、秘めたる想いの行方は。 直木賞作家が描く、かつてない「忠臣蔵」! 元禄十四年(1701)十一月。 若くして扇野藩の馬廻り役・中川三郎兵衛の後家となった紗英【さえ】は、江戸からやってくる永井勘解由【ながいかげゆ】という人物の接待役兼監視役を命じられた。 勘解由は旗本であり、幕府の目付役だったが、将軍・徳川綱吉の怒りにふれて扇野藩にお預けの身になったという。 この年、江戸城内で、播州赤穂の大名・浅野内匠頭が、高家筆頭、吉良上野介を斬りつける刃傷事件が起きていた。浅野内匠頭は理由を問われぬまま即日切腹。だが勘解由は、老中に切腹の見合わせを進言し、また切腹の直前、襖越しにひそかに浅野内匠頭の"最後の言葉"を聞いたという。この行いが将軍、徳川綱吉の知るところとなり、機嫌を損じたのだった。 雪が舞い散る中、屋敷に到着した勘解由を迎え入れた紗英は、役目を全うしようとするがーー。 身分を隠し、勘解由の元を訪れる赤穂浪士。 勘解由のやさしさに惹かれてゆく紗英。 扇野藩に、静かに嵐が忍び寄る。 これまでにない視点から「忠臣蔵」の世界を描き、新たな感動を呼び起こす歴史時代長編! ≪熱き信念が胸を打つ、扇野藩シリーズ≫
日本の教育を、変えたい! 血潮燃える若者たちを描く熱き長篇。この国に必要なのは、子どもの可能性を伸ばす理想の小学校だーー就活中の学生たちが、夢に向かって立ち上がった。設立のための資金は四億円、意気と情熱で奔走していく彼ら。だが前途に待っていたのは挫折、裏切り、そして黒い策謀だった。彼らが思い描く「志ある授業」は実現するのか。不可能に挑む青春群像を描き心震わす力作!
正門から徒歩一分足らず。家の窓からは教室が、教室の窓からは家が見えるーー。先生たちのキャラクター。男子と女子の攻防。隣の学区への小さな旅。PTAと子ども会。行事をめぐる一喜一憂。父との微妙な距離感。連続誘拐殺人事件の影。深まる母の謎ーー。小学生自身の視点で克明に立ち上がる、ノスタルジーも無垢も消失した、驚くべき世界像! 三島賞作家による、スーパーリアルな「小学生小説」。
ロシア戦線で左手を失い、故郷の山あいの村で郵便配達人として働く17歳のヨハンを主人公に、同じ年でドイツの敗戦を経験した作者が自分の生きてきた時代が犯した過ちを正面からみつめ、誰もが等しく経験せざるをえなかった「戦争の本当の姿」を渾身の力をこめて描く。
難解と言われる「H・P・ラヴクラフト」の作品が親しみやすく、より読みやすくをコンセプトに『超訳LLシリーズ』として生まれ変わりました。「クトゥルー神話」には興味があるけど読みにくくて…という方々にお勧めです。
わずか15歳の少年に課せられた命懸けのサバイバル。襲いくる姿なき敵、国家転覆の陰謀、究極の殺戮兵器、千年の伝統を持つ格闘秘術…。希代のストーリーテラーが放つ怒涛の青春アクション・エンターテインメント!
春休みの夜、少年は瀕死の鬼に行き逢った。血も凍るほど美しいその金髪の吸血鬼を彼は衝動的に助けてしまう。代償として自分が、人間をやめることになるとは知らずにー。『化物語』の前日譚にして“物語”シリーズの原点・特装版。
背任の疑いをかけられた大手銀行員・藤原道長は、妻と娘を置いて失踪した。人目を避けた所持金ゼロの逃亡は、ネットカフェから段ボールハウス、路上を巡り、道長は空腹と孤独を抱え、格差の底へと堕ちてゆく。一方、横領の真の首謀者たる銀行幹部たちは、事件の露見を怖れ、冷酷な刺客を放つー。逆転の時は訪れるのか。東京の裏地図を舞台に巨額資金を巡る攻防戦の幕が開く!
上海留学中に応召し、日本へ復員する列車の中で、矢田部は偶然出会った小椋に窮地を救われる。復員後、その恩人を探す途次、男が木地師であることを知った矢田部は、信州や東北の深山に分け入る。彼らは俗世間から離れ、独自の文化を築いていた。山間を旅するうち、矢田部は二人の女性に心を惹かれ、戦争で失われた生の実感を取り戻していく……。絶賛を浴びた著者初の現代長編。
あるとき、母が死んだ。そして父は、あなたに再婚を申し出た。あなたはコンタクトレンズで目に傷をつくり訪れた眼科で父と出会ったのだ。わたしはあなたの目をこじあけてーー三歳児の「わたし」が、父、喪った母、父の再婚相手をとりまく不穏な関係を語る。母はなぜ死に、継母はどういった運命を辿るのか……。独自の視点へのアプローチで、読み手を戦慄させる恐怖作(ホラー)。芥川賞受賞。
秘伝の継承を目前にして親方は逝き、弟弟子には先を越され、鬱屈した日々を送る看板職人・武市のもとへ、大店(おおだな)から依頼が舞い込んだ。しくじりは許されない重圧の中、天啓のように閃いた看板思案に職人の血が滾る。実現を前に立ち塞がるいくつもの壁。それでも江戸っ子の度肝を抜くこの仕事、やるのは俺だ。知恵と情熱と腕一本で挑む、起死回生の大一番! 痛快無比の人情時代長編。
二十一世紀終盤。かの震災の影響で原発が廃止され、ネオンの煌めく明るい街を知らないこの国を、新たな巨大地震が襲う。第二の地震が来るという政府の警告に抗い大学の校舎で寝泊まりを始めた学生たちは、カリスマ的〈リーダー〉に希望を求めるが……極限状態において我々は何を信じ、何を生きるよすがとするのか。大震災と学生運動をモチーフに人間の絆を描いた、異色の青春小説。
僅かに虚名が上がり、アブク銭は得たものの内実が伴わぬ北町貫多は虚無の中にいた。折から、藤澤清造の自筆原稿が古書の大市で出品された。百四十一枚の入札額を思案するうち、ある実感が天啓の如く湧き起こる(「形影相弔」)。二十数年振りに届いた母親からの手紙に、貫多の想念は激しく乱されるが……(「感傷凌轢」)。孤独な魂の咆哮を映し出す私小説の傑作六編。『歪んだ忌日』改題。
溥儀を皇帝に祭り上げ、帝政へ移行した満州国。だが楽土の風はそよとも吹きはしない。抗日連軍に参じた中国人や金日成を奉ずる朝鮮人がゲリラ戦を仕掛ける。蒙古、ロシア、ユダヤ、インド、民族の野心が地に蟠る。歴史の最前線で、敷島四兄弟はそれぞれの闇に抗いながら日々を重ねてゆく。遙かなる帝都を震撼させた二・二六事件。その報に揺れる大陸の日本人たちを描く、第四巻。
雨宮黎の前に、死んだはずの父親が現れた。家族を守るため罪を背負い、刑に服していたという父の存在に戸惑いを隠せない。そんななか、探偵社には女子高生の捜索依頼が舞い込む。ある資産家の愛娘で、アイドル志望の少女が消息を絶ったのだ。そして身代金を輸送中、黎までも拉致されてしまう。事件に浮上する、闇社会を牛耳る男とはー黎の奪還に命を賭す大神チーム、絶体絶命か!
これは僕の失恋であり、同時に、初恋の物語だ。七草は引き算の魔女を知っていますかーー。夏休みの終わり、真辺由宇と運命的な再会を果たした僕は、彼女からのメールをきっかけに、魔女の噂を追い始める。高校生と、魔女? ありえない組み合わせは、しかし確かな実感を伴って、僕と真辺の関係を侵食していく。一方、その渦中に現れた謎の少女・安達。現実世界における事件の真相が、いま明かされる。心を穿つ青春ミステリ、第3弾。
重病から生還した34歳の作家シドニーはリハビリのためにブルックリンの街を歩き始め、不思議な文具店で魅入られたようにブルーのノートを買う。そこに書き始めた小説は……。美しく謎めいた妻グレース、中国人の文具店主Ⅿ・R・チャン、ガーゴイルの石像や物語内の物語『神託の夜(オラクル・ナイト)』。ニューヨークの闇の中で輝き、弦楽四重奏のように響き合う重層的な愛の物語。
動く屍体、加速する殺戮、そして涙……。 これが、青春ホラーミステリの王道 閉塞感に満ちた田舎町で、大学進学の夢を諦め、父の葬儀社を継いだ遼一。 ある日彼は、遺体が棺から起き上がり、他の遺体をむさぼり喰らうのを目にする。 「死者がよみがえる葬儀社」の噂のせいで客足は激減し、遼一は調査に乗りだすことに。 一方、遼一の妹で高校生の佐紀には、ある秘密があった。それは、霊が見えるということ。 遼一に理解してもらえず、学校でも孤立している佐紀だが、ふと町の変化に気づく。 佐紀は偶然出会った、同じく霊が見える颯太と共に、理由を探り始めるが・・・・・・。