2015年1月発売
新進IT企業「クレイズ・ドットコム」の採用プロジェクト・リーダーに抜擢された志帆子。「ブラック企業」の汚名を返上して学生を確保すべく、情報戦と心理戦を駆使して成果を上げていく彼女だったが…。「就活」の裏側を超リアルに描く注目作!
「男はつらいよ」シリーズの子役、秀吉だった「私」は寅次郎と一緒に行方不明になった母を探す旅に出た…27年の歳月を経て、そんな昔話を伊豆の温泉宿で「美保純」とともに懐かしむ「私」。「男はつらいよ」の世界に迷い込める、味わいたっぷりな“寅さん小説”、表題作の「愛と人生」の他、短編「かまち」とその続編「泥棒」の3作を収録。
江戸に怪蛇が出没。老人・聊異斎は来る大きな変異の兆しだと仄めかす。男を殺して逃げた女が身を隠した奥山の見世物小屋では、大蛇を抱えた妖艶な巫女の舞が催されていた。女の不幸な境遇を透視できるという巫女・斎姫女。複雑怪奇な「蛇」の謎が次第に露わになる。半四郎の妖刀が火を噴く!
逮捕された振り込め詐欺実行犯の背後に権力の影。ホームレス救済の名の下に闇に取り込まれていく人々。通常捜査不可能な事件に“非合法”潜入捜査専門捜査官たちが召集された。その一人、田宮一郎はホームレスとして上野公園に現れ振り込め詐欺組織に潜入する。闇を演じ、悪を暴く。ハードアクション長編小説。
偽書『蘇我大臣馬子傳暦』を、なぜ幾つもの集団が命懸けで奪い合うのか?「乙巳の変(大化の改新)」は、中大兄皇子や中臣鎌足が起こした天皇へのクーデターだとする「玉兎」の真の狙いは?聖徳太子は、藤原氏が捏造した架空の人物なのか?すべての謎を解くべく、甲斐と貴湖は決戦の地・京都へ。禁断の完結編!
密室で墜落死した男の口から、「深山木薬店」の名刺が見つかった。店長の秋にかけられた殺人容疑を晴らすため、座木は妖世界で囁かれるある噂の調査を開始。リベザルは事件現場へ向かい、奇妙な言葉を呟く幼女と出会う。しかし、なかなか真相に近づけぬ二人を嘲笑うかのように、第二、第三の事件が勃発し…。
武士が武士として生きた最後の時代、安土桃山。最愛の妻と息子を守る為、居城を捨てる生き恥をさらしながらも、天草に落ち延びた肥後の豪族・木山弾正。彼はそこで、武勲を打ち立てる事のみを生きがいとする加藤清正と出会う。妻子の為には命を惜しまぬ勇者と、血の臭い漂わす闘将。槍対槍の一騎打ちが始まる。
公家の姫とのあいだに生まれ、人知れず伊豆下田の山里で剣の師無心斎に育てられた宗元寺隼人。齢三十四。京の尼庵で父の菩提を弔う母に会うも、江戸に向かう鈴鹿峠で手裏剣の山伏に襲われる。異変を報せた弥生も手裏剣で応戦!さらに隼人は、林で刺客たちに追われた武家の娘を救うのだが!?
本格ミステリの目利きたちがバラエティに富んだ作品から選んだ最高峰の10作を収録。ミステリの面白さがつまったいずれの作品から読み始めても、謎解きの魅力を堪能できます。
関ヶ原の合戦から30年が経ち、戦の記憶も薄れかけた泰平の江戸。さる人物から、天下分け目の合戦にそれぞれの立場で関わった生存者たちと会い、「ありし日の石田三成」の聞き書きを作成せよ、との密命を受けた町人がいた。全国に散らばる生存者たちへの面会に奔走する町人。すでに年老いた者多き人々が語る、三成の素顔とは?そして密命の行きつく先はー。「敗軍の将」を語る人々は、何を想う?
転校を控えた高校2年の夏休み、始発電車に乗って学校に向かった少年は、駅のホームで同じ学校の制服を着た少女と出会った。あんな子、乗ってたか?そもそも、この駅で降りたのは自分ひとりだけだったはずだー。(「始発電車の彼女」)田舎町の小さな駅のホームにあらわれる制服姿の少女。見える人にしか見えない彼女が、出会った本人も忘れたい、心の奥に隠した本当の声を聞く。そのとき…。あり得たかもしれない自分。二度と帰れないあの日。驚きと感動のラストに、青春の残酷さと美しさを知る。
口は悪いが、料理は旨い女将のお夏。常連客である貧乏浪人の亀井礼三郎・春之助親子の前に、家を捨てたはずの女房・おせいが現れた。春之助を強引に取り戻そうとするおせいの背後に怪しい影を感じたお夏が、料理人の清次と突きとめた姦計とは?客のささやかな幸せを守るため、艶美な姿で悪事を暴くお夏の活躍を描いた待望のシリーズ第二弾。
ネットに溢れる殺人者の噂を追う大学一年生・孝太郎。“動くガーゴイル像”の謎に憑かれる元刑事・都築。人の心に渇望が満ちる時、姿を現すものは?宮部みゆきの物語世界、さらなる高みへ!
プルースト(1871-1922)が20代前半に書いた短篇小説・散文・詩をまとめた第一作品集。鋭敏で繊細な感受性、細部にわたる緻密な観察、情熱や嫉妬といった心理の微妙かつ執拗な探究、スノビスムへのこだわりなど、大作『失われた時を求めて』にも見られる特徴の数々が本書にはすでに現れている。作家プルーストの原点。
晩秋の武蔵野、明子は、烏瓜の実がたわわに垂れる家で、女子大時代の先輩蕗子と運命の再会をした。ゆたかな才能をもてあますように奔放に生きる蕗子と、くもりのない批評意識をもって日々を真摯に生きる明子。二・二六事件前後の激動の時代に、深い愛に結ばれ自立をめざして青春を生きた二人の魂の交流を描く。第四十六回読売文学賞受賞作。