2015年2月発売
謎だらけの死神・宇城霊一郎の眷属になった高校生の七名子。死神の手伝いは不本意だが、隙をついて魂狩りを阻止しようと心に決め、うしろと行動を共にする日々だ。他の死神チームとも知り合い、うしろたちの仕事のしくみを知るうちに、七名子は自分の住む「まほろば市」に怪異事件が集中して起きていることに気づく。新世代死神ストーリー、風雲急を告げる第2巻!!
東京タワーが爆破された。現場に居合わせた天羽眞理子は、スクープ写真の撮影に成功する。そこから時を遡ること20年、宮崎の病院に全身を切り刻まれた赤子が捨てられた。“賢慈”と名付けられた彼は長じてNPO法人を立ち上げ、文字どおり賢く慈悲深い若き代表として、一躍時代の寵児となる。しかしそれは世間を欺くための偽りの姿で…。眞理子の写真は“悪魔”を止められるのか?息もつかせぬクライム・サスペンス誕生!!第1回ゴールデン・エレファント賞大賞受賞作。
高校3年生の藤代樹は「掃除」の全国大会3位の実力者。掃除とは、「長物」を扱って「塵芥」を操り、芸術点と技術点を競う日本古来のスポーツ。樹は掃除部主将に就任するが、校長の差し金で部費は半減、信頼で繋がれた仲間と顧問も行方不明に。掃除の国技化を巡る政治闘争にも巻き込まれ、波乱の新学期が幕を開けるがー。奇想青春エンタテインメント小説第2弾!!
「掃除」は、「長物」を手にフィールドを舞い、「塵芥」を回収する競技。高校3年生の藤代樹は、掃除のパートナー「対」の偲とともに、高校最後の大会に向けて修練を積む。しかし、掃除の奥義に近づいた樹を待っていたのは、国家権力をめぐる騒乱だった。樹は掃除を極め、争いに終止符を打てるのかー。奇想世界を舞台に繰り広げられる、「王道」青春小説第3弾!!
離婚して実家に戻り、雑貨を作りながら静かな生活をおくる果那。夫と別れるきっかけとなったある出来事のせいで、自分の家では眠れないのに、雑貨の卸し先である「梅屋」の奥の小部屋では熟睡できる。梅屋のみなみちゃん、どこか浮世離れした両親や親戚、ずっと昔、私を誘拐した「天使のおじさん」-。個性豊かな人々の心に触れ、自分らしい人生を取り戻す。生きていくことの愛おしさが胸に迫る、やわらかな再生の物語。
天保九年師走、大火に見舞われた佃島へ向かう渡し船に若侍立花左京介の姿があった。名主の娘・志津を助け、漁師になりたいと宣い、何を言われても「左様か」と受け流すこの若侍に島の面々がつけた綽名は左様介。佃島に災厄あるとき、必ず守護武者があらわれるとの言い伝えは本当なのか?公儀目付が暗躍、異国船の脅威にもさらされる佃島をとりまく謎と謀略と、あたたかな人情。傑作時代小説新シリーズ、スタート!!
「母さん、僕のあの帽子、どうしたでせうね?」。西条八十の詩集を持った黒人が、ナイフで胸を刺されて殺害された。被害者は「日本のキスミーに行く」と言い残して数日前に来日したという。日米合同捜査が展開され、棟居刑事は奥深い事件の謎を追って被害者の過去を遡るが、やがて事件は自らの過去の因縁をも手繰り寄せてくるー。人間の“業”を圧倒的なスケールで描ききった、巨匠の代表作にして不朽の名作。
岩手県の山村で起きた住人の大量殺人事件。唯一生き残った少女・頼子は事件のショックから、「青い洋服を着た男の人」を見たこと以外の記憶を失っていた。捜査は難航するが、頼子を引き取った遠縁の男・味沢が被害者遺族に接近するなど、不審な動きを見せ始める。警察の容疑を集めながら、やがて味沢がたどり着く驚天動地の真相とはー。人の奥底に眠る“野性”を呼び覚ます、“証明”シリーズ中最大スケールの社会派推理巨編。
東京の巨大ホテルの社長が堅牢な密室で刺殺された。捜査線上に浮かんだのは、事件の夜に刑事の平賀とベッドをともにしていた美しき社長秘書。状況証拠は秘書と事件の関係を示していたが、間もなく彼女も福岡で死体となって見つかった。なぜ彼女は社長殺しを計画し、東京から遠く離れた福岡で殺されたのか。愛した女性の真実を求め、平賀の執念の捜査が始まるー。鮮やかなアリバイ崩しが光る、江戸川乱歩賞受賞の傑作。文庫書き下ろし短編収録!
年の瀬も押し迫ったある日、オカルト研究会に奇妙な依頼が。絵画愛好会主催の、卒業生のための展示会。モナリザを題材にしたある絵に、クレームが殺到したという。それは、男子学生が婚約者をモデルに描いた絵。婚約者どころか片想いど真ん中の霊感系大学生・森司は、原因究明にかり出されるが…。片想いのヒロイン、こよみと迎える年明けと、やがて味わうハートブレイクの先に待つものは!?青春オカルトミステリ第7弾!!
平凡な郊外の町に、災いは舞い降りた。熱に浮かされ、痙攣を起こしながら倒れる住民が続出、日本脳炎と診断された。撲滅されたはずの伝染病がなぜ今頃蔓延するのか?保健センターの職員による感染防止と原因究明は、後手にまわる行政の対応や大学病院の圧力に難航。その間にもウイルスは住人の肉体と精神を蝕み続けー。20年も前から現代生活の脆さに警鐘を鳴らしていた戦慄のパンデミック・ミステリ!
大手石油会社・大和鉱油のエンジニア・田崎健治は画期的な排煙装置を開発したエリートだったが、労働組合結成の相談を受けたことが発覚して左遷。異動先の調査課で、なれない通産省通いを続ける身となる。社内での陰湿な扱い、家族的経営の下での矛盾を感じた田崎は、自分の信じる道を進もうとするのだが…。発表当時、話題騒然となった、企業小説の第一人者・高杉良のデビュー作、40年の時を経て大幅に加筆、改稿した決定版!
長年連れ添った妻・夏子を突然のバス事故で失った、人気作家の津村啓。悲しさを“演じる”ことしかできなかった津村は、同じ事故で母親を失った一家と出会い、はじめて夏子と向き合い始めるが…。突然家族を失った者たちは、どのように人生を取り戻すのか。人間の関係の幸福と不確かさを描いた感動の物語。
田中英光の作に出会い、人生が変わりゆく10代最後の日々。優れた小説が甦えらしめた少年の日の追憶。花冷えの夜道を歩いてひとときの幻影を追い、原稿用紙の束を前に呻吟するー平成の無頼派、筆色冴えわたる新境地!「私小説の救世主」の最新6短篇。
「将軍家の松姫様が日光へ代参される。事前に現地を探索せよ」という父・稲月三万五千石の藩主からの密命が、藩邸を夜逃げした若殿・千太郎君に届いた。許嫁の田安家ゆかりの由布姫、山之宿の弥市親分と若殿は、日光への道中で奇妙な男を助けたのだが、これが日光奉行所と宇都宮藩が絡む怪事件の幕開けだった。
幻のニホンオオカミは生存する!?奥秩父、両神山周辺で次々と発生する不可思議な事件。森の中に点々と続く、そこに存在しないはずの足跡。この広大な秩父山地の中で、いま何が起きているのか。有賀雄二郎、ネイチャー・ミステリーシリーズ最新刊!
綾鹿科学大学大学院准教授・増田米尊は異変に気づきつつあった。何人もの女性から言い寄られるなどなかったことだ。発表用の論文が書いた記憶のない小説に入れ替わっていたり、何者かに監視されているようだったりと、とにかくこれまでと違うのだ。増田はもちまえの学者魂から真相を探るのだが…