2015年4月発売
特集は「読書とおやつのおいしい関係」。北村薫、坂木司、吉本ばななの「おやつ本」エッセイや島本理生の食べ歩きルポで、おやつと物語の楽しみ方をご紹介します。原田マハの新連載もスタート。
世間を騒がす辻斬り。その現場を新伍の恩人お里が見てしまったことで、彼女の身が危うくなった。新伍に請われお里の護衛をすることになった柊虎之助と橘隆志郎、天の悪意と呼ばれたふたりの侍が、再び手を組んだ!
北フランスの貧しい工場地帯、男たちが力で支配する、強いことだけが価値を持つその世界で、女の子のような少年エディは異分子だった。壮絶ないじめと暴力、同性愛体験…。差別主義の標的となり、苦しい日々を送った彼は逃亡を決意した。家族を捨て、貧しい村を捨て、奇妙な名前(エディ・ベルグル)を捨てた彼は高等師範へと進み、エドゥアール・ルイと名前を変え、同性愛者であるインテリ青年となった。現代の現実世界の出来事とは、にわかには信じがたいほどの貧困の実態、想像を超える差別主義ー性差別、人種差別、同性愛差別ーそのすべてを赤裸々に語り、自身の半生をつづった衝撃の物語。
クレア・デウィットはただの女探偵ではない。独特の探偵術を駆使し、巧みに銃を扱い、困難な調査でも決して諦めない。2007年、ハリケーンの傷痕が残るニューオーリンズで、クレアは失踪した地方検事補の捜索を依頼される。洪水で死んだと思われる一方で、嵐のあとに姿を見た者もおり経緯がわからない。真実によって誰かが傷つくこともある。しかし探偵にできるのは、謎を解決し先に進むことだけだ。傷ついた街と人々に寄り添う女探偵の活躍を描く、マカヴィティ賞最優秀長篇賞受賞作。訳者あとがき=高山祥子
世界は言葉の拘束衣を着ている、詩はその綻びか。 活字ではなく浮世に生きる詩と詩人を描いて新鮮。 ーー谷川俊太郎 ほんとうの意味でかわいい人しか出てこない、 ほんとうの意味できれいな物語です。 ーー吉本ばなな
アジアの西の果て、荒野に立つ直方体の白い建物。一度中に入ると、戻れない人間が数多くいるらしい。その「人間消失のルール」を解明すべくやってきた男たちは、何を知り得たのか?めくるめく幻想と恐怖に包まれる長編ミステリー。人間離れした記憶力を持ち、精悍な面差しで女言葉を繰り出す、魅惑のウイルスハンター・神原恵弥を生み出した、シリーズ第一作!
北国のH市を訪れた神原恵弥。不倫相手を追いかけていった双子の妹を連れ戻すという名目の裏に、外資製薬会社の名ウイルスハンターとして重大な目的があった。H市と関係があるらしい「クレオパトラ」と呼ばれるものの正体を掴むこと。人々の欲望を掻きたててきたそれは、存在自体が絶対の禁忌であったー。謎をめぐり、虚実交錯する世界が心をとらえて離さない、シリーズ第二作!
錦戸虎治と本田麗香は、同じ孤児院出身。どん底の生活を経て再会したふたりは、性を武器に成り上がることを決意する。大金をつかむまで互いとのセックスはしないという約束のもと、ターゲットを捕獲していく虎治の前に、絶好の獲物・小浜真央美という天使のような令嬢が現れる。草凪ワールドのダーク系とライト系が融合。書き下ろし長編官能、ダーク系の前編。
母親を自分が通う学校の教師に殺された真裕子は、大学を卒業後、親元を離れる。一方、父親が加害者となった大輔と絵里は、その事を知らずに長崎の祖父母のもとで生活を送っていた。また、事件を取材した新聞記者の建部は長崎に転勤となり、そこで新たな殺人事件に接していた。-運命が変わったあの日から7年。事件に関わる人間の姿を、熟練の筆で描く大作。
長崎で起きた中学生撲殺事件の取材をする建部は、その再会に運命のようなものを感じていた。殺害された少年の通夜に、かつて加害者の妻だった香織が被害者の遺族として現れたのだ。-心に癒しがたい傷を負い、今も母を強く想う真裕子。父母を知らず、心にもやもやしたものを抱える大輔。ふたりの行く先に待っているものとは。
見事な花を咲かせる桜の古木と、その木を見守り続ける老齢の植木職人の姿を描いた表題作「さくら」。女房に間男がいることを知った朝顔売りの懊悩と、男女の心の機微を取り扱った「いい女」など、心に沁みる四つの物語を収録した書き下ろし時代短編シリーズ、待望の第二弾。
闇世界を統べる帝、“闇皇”の後継者としてブラコン最凶弟・言やドS陰陽師の側近・晴明たちと日々修行中の后。闇皇になるためには、獄界・冥界からも承認をもらわなければいけない。不穏な発言で険悪になる言・晴明らとともに地獄に移動した后だが、「身体を清いものに戻せ」なければ、地獄から出られないと言われ!?…って、「清い身体」ってどういうこと!?
闇世界を統べる帝、“闇皇”の後継者として修行中の后の次なる課題は、獄界と冥界に認められること!さらに『清い身体』に戻らないと獄界から出られない!…って、『清い身体』ってどういう意味!?
捨て童子とは、この世ならぬ途方もないエネルギーを持ち、人を戦慄せしめる人物!徳川家康の第六子でありながら、容貌怪異なため、生まれ落ちてすぐ家康に「捨てよ」と言われた“鬼っ子”松平忠輝の異形の生涯を描く、傑作伝奇ロマン小説。新鮮な発想や史観、壮大なスケールで完結をみた、著者最後の長編。