2015年7月15日発売
時は昭和二十年。ダグラス・マッカーサーは、次期アメリカ大統領就任の野望を胸に日本上陸を果たした。狙うは三つ。日本軍が隠匿した通称「M資金」、千年の歴史を持つ桃園淫道司家が計画する「謎の事業」の特許権、そして桃園家伝彰の「東洋の秘儀」だ。占領下の日本で世界を股にかけた淫戦が幕を開ける!
神降市に勃発した連続猫殺し事件。芳雄憧れの同級生ミチルの愛猫も殺された。町が騒然とするなか、謎の転校生・鈴木太郎が犯人を瞬時に言い当てる。鈴木は自称「神様」で、世の中のことは全てお見通しだというのだ。鈴木の予言通り起こる殺人事件。芳雄は転校生を信じるべきか、疑うべきか。神様シリーズ第一作。
時は幕末。十六歳の捨吉は名刀・池田鬼神丸と自分の左眼を奪った「黒駒の勝蔵」を追って故郷を飛び出す。千に一つの島破りを成功させた伝説のやくざ「武居の吃安」と出会った彼は、やがて凄絶なる戦いの渦に巻き込まれてゆく。「森の石松」が次郎長の子分となる前の若き姿を描くアウトロー講談小説登場!
炎暑のヴェニスを訪れた二組の夫婦。日常に疑いを持たない夫婦同士が同行した旅であったが、彼らはやがて狂熱に融かされるように我を失ってゆく。狂いゆく愛、毒される欲望、燃え尽きない孤独。内なる衝動に突き動かされ、埋めようのない喪失感に真実を見出し、惑う男女を、鮮烈な筆致で描いた長編傑作。
高校生になった天童純は、鎌倉・長谷寺で、死んだはずの水葉に似た少女に遭遇。追いかけるも気を失ってしまう。一方、時を遡って鎌倉時代、刀鍛冶を志す十五歳の王仁丸は、仲間を刑場から救い出しにきた鬼の少女と、その手に携えられた大太刀「鉄丸」を見て、何かとんでもないことが起きる予感に襲われる。
アイドルのあらゆる情報を入手せよ。ネット空間で過熱するパパラッチ競争の中で、元写真週刊誌記者のタカツキリクオは若き資産家カキオカによって選ばれたターゲットEDのミカをモニターするチームの一員として能力を発揮。しかし新メンバーの加入が緻密なチームプレイを徐々に狂わせていく。
内人と創也は究極のR・RPGを作り始める。世界を救うため、夢の世界に住む怪人を追いかけていくゲームのタイトルは「怪人は夢に舞う」。そんな時、脅迫めいたメッセージが姿なき「ピエロ」から次々と届く。その正体は驚きの人物だった。謎に取り囲まれた二人の運命は!?「YA!」大ヒットシリーズ文庫版第七弾。
完全警護の東京拘置所で殺傷事件被告人の連続死亡事件が勃発。監視カメラが捉えた人物は、紗崎玲奈にとって唯一無二の存在だった。真実はどこで決着をみるのか。死神への復讐は果たしたものの、琴葉に裏切られ虚ろな日々を送っていた玲奈が覚醒する。「探偵の探偵」四部作、壮絶なフィナーレ。
野球部を休部中の中学二年生、海彦は落とし物をした同級生のユカリを追いかけて「たそがれ探偵社」にたどりつく。そこは幽霊専門の探偵社で、海彦とユカリは、ヤンキー姿の幽霊、大島の頼みを解決することに。ふたりの通う中学校に伝わる不思議な話も気になりはじめー。大人気「幻想シリーズ」4作目。
横浜中華街、国慶節前夜。中国籍の男が殺された。彼は31年前に獅子舞仲間2人と消息を絶ち、さらに同時期に警察官も失踪していた。殺人と過去の事件を結ぶのは、かつて中華街を統べた男と、見えない国境に阻まれた恋。日中関係激変の時代、少年たちはどこへ消えたのか。今なお爪痕が残る街で刑事が謎に挑む。
小さな入り江と低い山並みに挟まれた土地に十歳の尊は連れて来られた。言葉が話せず体も動かせない兄と尊を、都会の狭い部屋に残していなくなった母があれほど嫌っていた田舎。豊かな自然と大人たち、霊的なるものに慈しまれ、尊は癒されていく。芥川賞受賞作『九年前の祈り』に連なる“希望と再生”の物語。
退職目前、古参社員ケラウェイが命じられたのは社史編纂のための記録探し。買収合併を繰り返して世界的大企業にのしあがった会社の記録の一部が紛失していたのだ。ケラウェイは四〇年あまり前の記憶からたどり始める。それは今も彼の心に重くのしかかる、一人の少年の死の真相をつきとめる旅でもあった。
一八歳の夏、地元企業でアルバイトをするケラウェイは創業家の姉弟と出会う。多くの謎を残して死んだ弟、美しい姉との運命の恋。その後も一族で不審な死が重なり、企業は拡大していく。裏切り者は誰なのか?結末まで全貌が見えない洗練のプロット、含蓄がちりばめられたセリフ。ミステリ読みのための快作。
絶望的な「死の舞踏」をくりひろげた挙げ句、サイパン島は失陥、他の太平洋の島々にも累々と死屍が積まれた。和平に持ち込む戦略を持たない指導者たちは、逼迫するほど闘志を燃やし破滅に向けて狂奔。戦艦部隊の強行突入に国運を賭けなければならなくなる。もはや残された道は、玉砕と特攻しかなかった。
「帝都の表玄関」でありながら絶体絶命の孤島と化した硫黄島。その地下壕に栗林中将以下、二万三千人の兵は敵襲を待つ。全滅する以外にない残酷きわまる運命は、隆盛日本の象徴・戦艦大和にも降りかかる。どんな悲惨がおとずれようと本土から助ける手段はもはやなく、沖縄では、最終特攻戦が始まっていた。
「一億総特攻」として誰もが死所を探す危機は、天皇の聖断により救われた。昭和二十年八月十五日、終戦。武人たちは自決、天皇は「責任は私が負う」とマッカーサー元帥に告げた。そして「数世紀間の文明を抹殺する思想」という不条理のもと東京裁判が始まる。平和に徹して生きる未来のための鎮魂の巨篇、完結。
時は大正四年、晩秋。秋田の網元屋敷に奉公する山中ミツは、その美貌に目を付けた跡取り息子の幹也に犯されてしまう。入水自殺を図った彼女を救ったのは、十河恭平と名乗る謎の男。「お前は一度死んだ人間だ。俺と一緒に生き直さないか」-。そして舞台は帝都・東京へ。白亜の洋館ではミツを最高級の“令嬢人形”へと生まれ変わらせる数々の調教が待ち受けていた。大正浪漫の香りに乗せて送る波瀾万丈の濃蜜ラブストーリー。
天明八年七月、小梅村では坂崎磐音の嫡男空也が木刀を手に、独り黙々と稽古に励む日々が続いていた。そんな折り、尚武館道場を訪れた速水左近の口から思いもよらぬことを告げられた盤音は、その知らせに驚愕し言葉を失う。やがてその磐音のもとに、小梅村から姿を消していた弥助から文が届き…。超人気書き下ろし長編時代小説第四十九弾。