2015年7月31日発売
浪速のインフルエンザ騒動は、まだ終わっていなかった。今度はワクチンが狙われて、市民が危機に瀕することに。異端の医師・彦根新吾は事態打開のため、欧州に旅立つ。医療の未来を切り開く海堂エンタメ最大のドラマ開幕!
金沢の高級旅館で発生した絞殺事件。被害者は都内大手企業の女性課長、所持品は泉鏡花記念館のパンフレットだった。一方東京で殺された高級デリヘル嬢も有名企業の社員ばかり。奇妙なことに、なぜか犯人はいずれの事件でも死後硬直した遺体のそばに、長時間居座っていた。犯人像を絞れぬまま、捜査本部は女性警察官をデリヘル嬢に扮装させ、囮捜査を決行するが…。男と女の魔境を抉るミステリー。
その日に死んでしまふ気がするのですー。凛太はTBを患い療養する幼馴染みの妻・早季を足繁く見舞っている。身体も、精神も、安静に保つ日々。しかし病状は悪化、咽喉の安静のため若い夫婦はついに会話を禁じられてしまう。そして或る日、彼が妻の瞳の底に見たのは、おそらく、人間が生きたまま宿してはいけない種類のものだったー。戦争を知らない世代が書いたと話題の『指の骨』で新潮新人賞を受賞し、各賞の候補に挙げられた大注目作家が描く、清らかで静謐な恋愛小説。
微生物の遺伝子に音楽を組み込もうと試みる現代芸術家のもとに、捜査官がやってくる。容疑はバイオテロ?逃避行の途上、かつての家族や盟友と再会した彼の中に、今こそ発表すべき新しい作品の形が見えてくるー。一人の音楽家の半生の物語は、マーラーからメシアンを経てケージ、ライヒに至る音楽の歩みと重なり合いながら、テロに翻弄される現代社会の姿をも浮き彫りにしていく。危険で美しい音楽小説。
名門アンドール候爵家の令嬢エリカ・アンドール。男を次から次へと手玉に取る、権力を傘に着た“悪女”ともっぱらの噂。だけどその実態は引っ込み思案な自分を変えて、青春を謳歌したい。そして、あこがれのギデオン様と幸せな結婚がしたい!…と夢見るごく普通の女の子。乙女エリカの恋と友情と魔法を描くときめき学園ファンタジー。
異世界に転生した侯爵令嬢リズベットは10歳に。弟ルビイも誕生し、従者のジル、ツンデレ美少年のセシル君にユーリス王子殿下に囲まれて、戸惑いつつもセカンドライフは順風満帆…かと思いきや、国家転覆の陰謀に巻き込まれ大ピンチ!?リズの破天荒な転生ストーリー第2弾!
大手商社に勤める長沢幹朗は美女と結婚するが、結婚後激変した彼女に振り回され、職も失い離婚。失意の幹朗は行きつけの小料理屋を手伝う地味な女性・理穂に妹のような親近感を覚える。やがて幹朗は、理穂が12年前に故郷の山梨県で発覚した大事件の当事者ではないかという疑念を抱きーサスペンスの名手が、女に囚われ堕ちてゆく男の運命を描く傑作サスペンス!
十六世紀末、太閤・豊臣秀吉が仕掛けた朝鮮出兵。狂信的キリシタン大名の小西行長は、加藤清正らライバル武将に先んずるため、首都漢城の争奪戦に暴虐の限りを尽くし進軍する。対する僧兵・元信が主導する朝鮮軍は圧倒的少数だが、驚きの秘策がー実在の戦闘「幸州山城の戦い」を材に、傑作『徳川家康』の主人公が活躍する、大興奮の歴史活劇巨編!
テロ組織内部で殺人事件が起きた。この組織のメンバーは、平日は一般人を装い、週末だけ作戦を実行。互いの本名も素性も秘密だ。外部からの侵入が不可能な、軽井沢の施設に招集された八人のメンバー。発生した殺人の犯人は誰か?テロ組織ゆえ警察は呼べない。週明けには一般人に戻らなければならない刻限下、犯人探求の頭脳戦が始まったー。閉鎖状況本格ミステリー!
眼鏡型の携帯通信端末「サイグラス」が普及したある日、見習い板前・和泉淳のもとに謎の電話が入る。その警告を無視した先に待っていたのは、殺人未遂犯としての緊急逮捕だった。冤罪にもかかわらず逮捕時の映像がサイグラスで広まったことで、淳は執拗なネット攻撃の標的に。次々と起こる出来事に巻き込まれ、傷つく淳は、窮地から這い上がれるのか?若き鬼才がリアルに描く!近未来社会の恐怖。
五輪男子マラソン代表・最後の一枠の選考レースまで四か月。日本最高記録を持ちながら故障に泣き、復活を期する天才・須田が最有力とされる中、優勝経験がなく“万年三位”の青山に正体不明の男が接触、「絶対に検出されない」ドーピングを勧めてきた。青山は卑劣な手段を一旦は拒むが…。ランナーたちの人生を賭した勝負を活写する傑作長編!
十津川警部の元部下の橋本豊は、仕事仲間の佐々木恵美と二人で探偵事務所を立ち上げた。しかし、恵美はある女性失踪に関する調査に向かったまま、連絡を絶ってしまう。その後、その調査の依頼人である建設会社の社長が刺殺され、恵美もビルから転落死したとの知らせが…。事件の背後に隠された真実を求め、十津川は飛騨高山、越中八尾へ!
東京都西南地区にある雲雀ヶ丘市を舞台に、メタボなおやじ刑事・土田貫太郎と準キャリア・遠藤理香子が事件を追う。発端は連続植木鉢窃盗。その後、一億円を要求された犬の誘拐、女子大生失踪、下着泥棒、川辺で発見された女性溺死体、幼児誘拐…。次々と起こる事件に凸凹コンビが奔走、複雑怪奇な謎に迫る。ラストで明かされる意外な真実とはー。時代小説界の雄、初の現代ミステリー!
豊臣秀吉が死に、世は戦国に逆戻り。覇権争いは全国の大名を巻き込み、徳川家康率いる東軍、石田三成の西軍による「関ヶ原の戦い」へ。裏切る者がいれば、その裏を掻く者もいる、私利私欲が渦巻く戦場となった。徳川家康・秀忠、石田三成、島左近、直江兼続…彼らにとって関ヶ原とは何だったのか。超豪華作家陣が描く、傑作歴史時代アンソロジー!
バカンスで1カ月間バリ島に滞在した主人公は、帰国が1週間後にせまったある日、年老いた治療師のもとを訪れる。ところが突然「あなたは不幸な人ですね」と言われ…。老治療師と主人公の対話によって、人がいかに“思い込み”に支配されているかが明らかになっていく。思い通りの人生を生きるために大切なこととは?フランスのベストセラー、待望の文庫化。
遠藤周作が絶賛した小説「夏の花」の作家が、原爆投下以前の広島の幼年時代を追憶する美しく切ない短編小説集ー。広島・被爆70年という歴史の節目に、同地出身の詩人・小説家、原民喜(1905〜1951)の文学を紹介。「三田文学」等で活躍し、原爆投下直後の広島の惨状を描いた名作で知られる作家・原民喜。戦後、自ら命を絶つ前に作家自身によって編まれた短編小説の連作「幼年画」をはじめて単行本化。古書・蟲文庫の店主でエッセイストの田中美穂の解説を付し、原民喜の知られざる初期作品に新しい光をあてる。