2015年7月発売
モテない男、一世一代の大博打!「誰にも見えない男」は、愛を伝えるため、自分の存在を証明するため、英仏海峡を泳いで渡ることを決意するが…。映画界の巨匠ルコントの最新作は、ちょっとまぬけで哀しい男のずっこけ大冒険。
恋愛戯曲で注目の女子大生劇作家は、筋金入りの“未恋”女子。そんな彼女がリアルに恋をした。でも想いは告げられないまま時が過ぎ…(「星球」)。元エリート会社員の婚活騒動。天体マニアの女性に向けられた年下男の溢れる想い。妊婦の忘れていた恋心。セレブ夫婦の離婚工作を引き受けた便利屋中年社長の偽恋。戦争に翻弄された若者たちの絆…すんなり行かないのが恋だけど、どこかで必ず希望の星が光っている。恋する人、恋を待つ人にエールを送る6つの恋愛物語。
1966年8月15日、根津謙治は目黒区碑文谷二丁目にトラックを止めた。現金11億を奪うためだ。戦後の混乱期に金貸しを始めて財を成した原島勇平の屋敷で根津は居合わせたクラブのママを射殺する。カーラジオからはローリング・ストーンズの『黒くぬれ!』が流れていた。14年の歳月が過ぎ、新たな事件が彼らの身の周りに次々と起こる。「誰が何のために?」混乱と疑心暗鬼の中、根津は煩悶する。袂を分かった男たちの軌跡が再び交差する時、戦中、戦後を生きた人間の業と事件の真相が明らかになるー。昭和の時代と風俗を克明に描写した熱き犯罪小説。
侍を捨て商人となった男が、南海でふたたび刀を抜く!関ヶ原の合戦から十年余。豊臣秀吉はすでに亡く、しかし大坂の陣を前にして、世は徳川と豊臣との最後の決戦の時を迎えようとしていた。かつて豊臣方の小西家に仕えていた彦九郎は、朱印船による南洋貿易を営む商人となっていたが、派遣先で行方知れずとなった盟友を捜すため、自ら海を渡る。当時の南洋には海賊船が出没し、大筒を積んだオランダやポルトガルの船が跋扈していた。彦九郎がそこで見たものとはー。
大手テレビ局「帝国テレビジョン」での仕事に昼夜、オンオフの区別はない。恋も夢も曖昧なまま、それぞれの“戦場”に向かう日々-憧れと現実のあいだで揺れる5人の女性の切実な生き様がここにある。仕事、恋愛、夢、希望、葛藤…。等身大の思いが胸に響く、すべての戦う女性たちに捧げる物語。リアルにビター、だけど必ず前を向きたくなるお仕事小説!書下ろしエピソードを加えて刊行!
昼夜逆転の生活。昼間は眠そうで不機嫌、ときどきアルコールが入っている。嫌われてもひかれても気にしない。中世スペインを中心にした西洋建築史の専門家で、休暇はスペインで過ごすー。学長選挙の迫る地方国立大学に新たに赴任してきた袋井准教授。型破りな「フクロウ」は、閉塞感漂う学内のムードをものともしない。次々とトラブルに首を突っ込み、教授たちのスキャンダルを暴き立てていく。彼の目的は、いったい何なのか?
高位の霊的存在である僕は、『我が主様』によって、不本意ながら黒猫の姿で地上に派遣された。この世に未練を残し地縛した魂を『我が主様』のところへ導くのが仕事だ。記憶喪失の魂と出会った僕は、昏睡状態の女性の体にその魂を入れ、彼女の飼い猫として、街の魂を救い始める。だが、魂たちはなぜかある製薬会社に関係する人物ばかり。その会社では、怪しい秘密の研究が行われていたようで…!?現役医師がホスピスを舞台に描いた『優しい死神の飼い方』に続くファンタジックミステリー第2弾。
コーポ中里ー。枇杷の木が茂る四階建ての古い鉄筋アパートには八世帯が暮らす。二十数年前、母子家庭の幼児が行方不明となった事件に、住人たちは誰もが口を閉ざす。苦しみを背負い、ひとり住まいのままこの世を去った女は、何を思い、どんな風に生きてきたのだろうか。家族の愛憎と、人間の身勝手さ、生きていくことのままならなさを描く、注目の作家「カトゲン」の、ざわめく新しい世界!!
1945年。少女はたった一人で世界と戦っていた。太平洋戦争さなか、幼くして母を亡くしたイコは新しい母親になじめぬまま、生まれたばかりの弟と三人で千葉の小さな村へ疎開することに。家のそばにある、暗く大きな森の中で脱走兵が自殺した噂を耳にする。耐え難い孤独感と飢餓感はトンネルの森のように覆いかぶさり、押しつぶされそうになった時、イコは兵隊の影を追いかけ森に入るが…。『魔女の宅急便』の著者角野栄子が、自らの戦争体験から描き下した、憫然で、美しい、珠玉の物語。
過去の世界のマーキス島に呼び寄せられた、医学生の西條遊馬。元の世界に戻るその日まで、王室に仕える鷹匠クリストファーの弟子として過ごすことになった。しかし、新王ロデリックの即位式の夜、事件は起きた。招待客である外国の要人が不審な死を遂げたのだ。早急に犯人を見つけ出さなければ王室の信用にかかわる。遊馬は現代法医学の知識で真相究明に臨むがー!?
極道だった実家のせいで、彼氏も仕事も長続きしない緋桜乃は、現在花屋のアルバイト。そこに整った顔に銀縁メガネをかけた男性客が現れた。祖父が義理と人情を守るため、東京下町に立ち上げた会社「NDY企画」への帰還の合図だ。いやいや帰った緋桜乃は、唐突な見合いを強要された上、結婚詐欺の被害者を救済しろと言われてー!?義理と人情の下町事件簿!
高校三年、最後の夏。甲子園予選を前に、スラッガーの益岡が故障した。プロ入りも狙えた益岡に誰もが気を遣う中、益岡は大会出場を強行。補欠の俺が益岡専用の代走に起用されて!? 高校野球小説集!
将棋に挫折し、無気力な日々を送っていた元天才少女の歩は、将棋同好会を立ち上げた元陸上部エース・涼の熱意に負け、将棋を再開する。元ライバルの奈津子、師匠だった父、挫折の原因となった天才棋士・龍也…。将棋盤に向き合うたびに、過去の痛みに立ち向かっていく歩の隣には、いつも涼がいて…。ひたむきに盤上を駆ける少女達の、ひと夏のガール・ミーツ・ガール。
東京下町に暮らす主婦・志乃子、50歳。もうすぐ閉店する「かささぎ堂」という近所の喫茶店で、文机と朝鮮の手文庫、そして薄茶茶碗という骨董品を女主人から貰い受ける。その茶碗は、なんと三千万円は下らない貴重な鼠志野だという。一方、志乃子の姉、美乃も長年勤めていた仕事を辞め、海雛という居酒屋の女将になるという。予想もしなかった出会いから、人生の扉が大きく開きはじめるー。
志乃子は一個の鼠志野の茶碗をきっかけに、骨董の世界へ足を踏み出していく。茶碗と同時に貰い受けた手文庫には、小さな手縫いのリュックサックと、敗戦後に命懸けで、北朝鮮から三十八度線を越え帰国した、ある家族の手記が入っていた。残りの人生で何が出来るかを考えた彼女は、その持ち主を探し始めるー。ひたむきに生きる人々の、幸福と幸運の連鎖から生まれた、喜びと希望の物語。
週刊誌の記者が何者かに殺された。偶然その場に居合わせた報道番組「ニュースイレブン」記者の布施は事件直後の現場撮影に成功、翌日のニュースで映像が流される。一方、継続捜査を受け持つ捜査一課の黒田はある暴力団の組員が殺害された事件を追う中で、記者殺害との奇妙な符合に気付く。しかし、二つの事件を繋ぐカギは踏み込んではならない聖域だったー。大人気“スクープ”シリーズ第3弾。