2015年7月発売
気象台に勤務する美晴は、息子の楓大と二人暮し。ある日、自分たちが天気を「よむ」能力を持つ一族の末裔であることを知る。美晴にも天気を予知する不思議な能力が出現し、特別研究チームへの参加を任命される。それは、代々“空の一族”が担ってきた「外番」の仕事をすることを意味していた。「外番」とは、そして一族の「役割」とは一体何なのか?かつてない気象エンタメ小説、ここに開幕!
昭和16年。大学予科に通う太一は、長引く戦争による食糧不足のため、愛犬アルマを軍用犬にすることに。試験に合格したアルマに、ついに出征命令を告げる「赤紙」が届き、満洲へ出征していく。このままアルマを「生きる兵器」にしていいのか。お前を一人にさせない、必ず僕も行くー。太一は、アルマを追って戦場に行くことを決意する。戦争に翻弄された青年と犬の“友情”を描く感動物語。
立志館大学を囲むように出現した「呪」と「殺」の落書き。それは次第に増殖し、ついには女子学生が正門前で刺殺体に。被害者が、桜子のゼミに出入りする平泉講師の恋人だったという噂が流れ、おまけに彼の研究が「呪いと密教」なものだから、疑いの目は一気に集中。ところが桜子を慕う勤勉実直な講師・鱈目小雪が恋する相手が平泉だったため、事態はとんでもないことに!?大学内ミステリー第2弾。
高校ダンス部の部長に指名された西原あずさ。前部長への恋心から引き受けるが、部員たちの反感を買ってしまい、主力メンバーが全員退部。残ったのは、落ちこぼれの幽霊部員3人と、誰よりも踊るのが上手だが無愛想で協調性のない美少女・愛海だけ。なんとか部を続けようとするあずさは、伝説のダンサー・ケニー長尾と出会い、コーチを頼むのだが…。少女たちのきらめく青春ダンス小説!
オスロ中心部の銀行に、白昼強盗が押し入り、銀行員一人を射殺、金を奪って逃走した。現場に手がかりひとつ残さない鮮やかな手口で、ハリー・ホーレ警部も加わった捜査チームにとっては、前途多難を予感させられた。一方、かつてのガールフレンド、アンナと食事をしたハリーは、翌朝、前夜の記憶がない状態で目覚めた。そしてアンナが死体で見つかり…。30カ国以上で出版されている話題作。
連続銀行強盗事件の捜査が行き詰まり、ハリーはチームを離れ、独自の捜査に踏み出す。また、自殺として処理されたアンナの死の真相を探り続けるハリーに、謎めいたメールが届く。死の直前、ハリーがアンナと会っていたことを知っている、とほのめかす文面だった。そして、アンナ殺害の容疑が降りかかり、窮地に陥るハリー…。エドガー賞長編賞の候補にもなった、北欧ミステリーの傑作。
若い女性を狙った連続絞殺事件が発生。FBIのサビッチは若手捜査官のルーシーとクープを担当させる。そんな矢先、ルーシーの父親が急死。遺された謎の言葉から、封印された一家の秘密の扉が開きだす。22年前の祖父失踪の真相とはー?一方、全米各地で繰り返される悲劇に捜査は難航するが、DNA鑑定の結果、犯人は稀代の連続殺人鬼テッド・バンディの子供だと判明した。FBIをあざ笑うかのように犯行を重ねる殺人鬼はサビッチを狙撃。不意を衝かれた彼はその場にくずおれるが…!?
ミナは准男爵だった父親を無実の罪で処刑され、子供時代を過ごした瀟洒な屋敷も奪われた。首謀者は屋敷の元の所有者フォーカム伯爵。いつか父の復讐を果たすと心に誓いながら、今はミナという偽名を使い、薬草に詳しい村の娘としてひっそりと暮らしている。そんなある日、伯爵が大怪我をしたとの知らせが入り、呼ばれたミナは仕方なく屋敷に向かうー伯爵の命令に背けば、この土地にはいられなくなるから。だが怪我のせいで高熱にうなされる伯爵の美しい裸体を目にした途端、ミナは憎しみを忘れ…。
高さ100メートルの巨大な鉄柱が支える小さな甲板の上に、“会社”は建っていた。雇用主である社長は“人間”と呼ばれる不定形の大型生物だ。甲板上とそれを取り巻く泥土の海だけが語り手の世界であり、日々の勤めは平穏ではないー第2回創元SF短編賞受賞の表題作にはじまる全4編。奇怪な造語に彩られた異形の未来が読者の前に立ち現れる。日本SF大賞受賞作、待望の文庫化。
ヒマラヤ山脈東部のカンチェンジュンガで大規模な雪崩が発生、4年前に登山をやめたはずの兄が34歳の若さで命を落とした。同じ山岳部出身の増田直志は、兄の遺品のザイルが何者かによって切断されていたことに気付く。兄は事故死ではなく何者かによって殺されたのかー?相次いで二人の男が奇跡の生還を果たすが、全く逆の証言をする。どちらの生還者が真実を語っているのか?兄の死の真相を突き止めるため、増田は高峰に隠された謎に挑む!新乱歩賞作家、3作目の山岳ミステリー!
舞台は大江戸八百八町ー。天涯孤独の刺青彫師・青治、青治に片思いする剣術道場師範代の巴、その巴を好いている桃助。市井の人々の口端にのぼる不思議や怪異に、幼なじみの三人は、首をつっこみ右往左往。一話、一話と読み進むうちに、あるときは心浮き立ち、あるときは憂いに胸をしめつけられる。最終話「蝶の影」にて明かされる青治の秘密に、あなたの心は浮くか、沈むか。