2015年発売
弟・太一の体に妖怪うわんが宿って七か月。真葛は病床にある父に代わり診療を続けつつ、九百九十九の妖を捕らえるため奔走していた。そんなある日、助力を求めてきた小石川養生所に向かう道中、真葛は流れ医師の春之に出会うのだが…。養生所に様々な怪異を起こす妖と、春之の背後に執拗にまとわりつく謎の黒い影。その正体とは?人気シリーズ待望の第二弾!
奢侈禁止令による風俗取締まりで、日本橋にあった芝居小屋は猿若町に移転。だが、依然として取り潰しの噂が囁かれていた。中村座の興行を仕切る新五郎に、御用商人の市郎兵衛がある取引を持ちかけた。千両を出せば、芝居小屋の存続を南町奉行の鳥居耀蔵に働きかけるという。そこには、般若同心・柚木源九郎の宿敵の影が見え隠れしてー。大好評シリーズ第五弾。
トップ屋集団「メトロ取材グループ」の杉田兼助は、同僚の高森映子とともに銀座のキャバレーで取材をするが、協力した映子の友人のホステスが屍体となって発見された。警察の自殺判定に納得がいかない映子は独自に調べ始めるが、彼女も殺害されてしまうー。本格ミステリ界巨匠の異色作品。読み継がれるミステリファン必読の短編「達也が嗤う」を特別収録。
戦後犯罪史に残る凶悪犯に降された死刑判決。その報を知ったとき、正義を信じる検察官・大友の耳の奥に響く痛ましい叫びー悔い改めろ!介護現場に溢れる悲鳴、社会システムがもたらす歪み、善悪の意味…。現代を生きる誰しもが逃れられないテーマに、圧倒的リアリティと緻密な構成力で迫る!全選考委員絶賛のもと放たれた、日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。
高名な彫刻家の杉原完三が、自宅兼アトリエから姿を消した。一ヶ月後、完三は武蔵野の林から遺体で発見された。犯人は誰なのか。高校三年生の息子・鉄男の出生の秘密、美貌の母と鉄男の異常な関係など、杉原家の抱える歪んだ家族関係が明らかになり、容疑は息子の鉄男に向けられるが、仰天の顛末とはー。「ギリシャ悲劇」を絡めた連城三紀彦初期の傑作長編ミステリー。
高齢者が国民の三割を超え、破綻寸前の日本政府は「七十歳死亡法案」を強行採決。施行まで二年、宝田東洋子は喜びを噛み締めていた。我侭放題の義母の介護に追われた十五年間。能天気な夫、引きこもりの息子、無関心な娘とみな勝手ばかり。やっとお義母さんが死んでくれる。東洋子の心に黒いさざ波が立ち始めて…。すぐそこに迫る現実を描く衝撃作!
まだ恋を知らない少女、昔の彼と偶然再会した人妻、彼氏に浮気されたOL、婚約破棄された女…。彼女たちが下した決断と新たな一歩とは?実らなかった恋、伝えられなかった言葉、人には言えない秘密。誰もが持っている、決して忘れられない“あのとき”が、ここにある。ラブソングより心に沁みる、人気女性作家8名が奏でる珠玉の恋愛小説集。
よしえとときえは四月一日生まれの双子の姉妹。二人には絶対に知られてはいけない秘密があるー。交換日誌をした小学校の担任、はじめて心をゆるした大学の先輩、結婚したかったのにできなかったあの人…。死を直前にして語られる交錯した人々の思い出。愛の刹那と人生の偶然。鮮烈な言葉と不意打ちの笑いが織りなす魅惑の連作長編。
資格を剥奪され路頭に迷っていた元プロボクサーの最上は、ある企業に拾われる。そこは、警察には頼れない、訳ありの政治家、実業家などを顧客に抱えるVIP専門の警備会社だった。なぜ、彼らは命を狙われているのか、警察に打ち明けられない秘密とは何なのか。最上はひとり、警護対象の身辺を調べ始めるが…。爽快感溢れる長編ミステリー。
火災で亡くなったおばあさんの霊が見えるー。警視庁特殊捜査室に勤務する柏木警部補の元に若手警察官の青田が訪ねてきた。幽霊と話せる柏木は、現場へ向かうが、被害者の証言と現場検証が一致しない。困惑する柏木はふと、玄関先で不気味な市松人形を発見。物の記憶を読む高島佳帆警部に火災の状況を読んでもらおうとするが、この人形には恐ろしい秘密が…!
ダウンスイングとともに腰が回転し、ミニスカートが翻る。白い尻が、見えたー。過激な接待ゴルフに挑む課長丸山麗子、三十三歳。知的で美しい彼女が、なぜ?理由は超高級マッサージ機を3ヶ月以内に百台売らないと左遷だからだった!セクハラに異常に弱い「泣き虫」がノルマのためにとった最終手段とは!?三人のセクシーで美しい営業部員の活躍を描く、企業エロス。
19世紀、ロンドン社交界を揺るがした、稀代の宝石“ブルームーン”盗難事件。社交界にデビューしたばかりのローラは、容疑をかけられた父と国外へ逃亡した。父の無実を信じながら、贅沢も恋も手放してひっそりと暮らす日々。それから10年ー父が急死し、ローラはついにすべてを失ってしまう。ところが、訪れたロンドンの街でローラは見覚えのある貴婦人に出逢い、導かれるままに、老貴婦人のコンパニオンの職と美しい赤い靴を手に入れる。豪奢な邸宅での暮らしが始まると、彼女の前に伯爵アレックスが現れた。彼こそ、かつて甘く激しい恋に落ちた相手ー偶然の再会にとまどいながらも、二人の情熱は一瞬で呼び覚まされる。複雑な想いを抱えたまま10年の時を経て、互いへの想いはさらに深まっていた。しかし、アレックスには隠し続けている秘密があって…。
事の始まりは、昔馴染みの老人からの電話だった。ジェーンの故郷に住む農園主で、畑から謎の骨を発掘し警察沙汰になって困っているという。ジェーンは人生初のガレージセールの真っ最中にもかかわらず、力になろうとすぐさま故郷へ駆けつけた。ところがその夜、彼女が真っ暗な畑で目にしたのは…踊るかかし!?いや、人間の死体だ!謎の骨に殺人事件、いよいよきな臭くなってきた。ここはごくごく平凡な町で、古い食器や昔ながらの料理が食卓を飾る平和な田舎だったのに。若者たちが都会へ出て行ったあと、老人たちが屋根裏にそっとしまいこんできた古い物ーそれらが語りだす思い出や秘密に耳を傾けるうち、ジェーンは殺人事件の手がかりをつかみ!?
泰平の世にも剣鬼はいる。名を朽縄真蔵。大川沿いの幽霊桜にて朽縄は追われる身の女に遭遇、その窮地を救うも女は事切れた。女の骸からは阿芙蓉の粉(阿片)の包みが見つかる。渦中に放りこまれた朽縄に接触してくる謎の娘、銀。事件を追う同心釜口右衛門とも力を合わせて、魑魅魍魎の如き巨悪に立ち向かう!
天子直属の『護人』葛城九十郎は、京に生まれ京のために死す、百年に一人の天才と言われる最強剣士。九十郎は、ある事件で『護人』としての情熱を失ってしまったが、天子の命で江戸に移り住み、不穏分子の探索を始める。図らずも彼は朝廷のみならず、幕府をも揺るがす影の集団に辿り着くが…!?
旗本家次男の五月女角次郎は、縁あって舂米屋の大黒屋に入り婿した。関宿藩の藩米横流し事件の解決を助太刀した角次郎に、関宿藩勘定奉行配下の朽木弁之助から極秘の捜査依頼が持ちこまれる…。妻と心を重ね、家族一丸となって米屋を繁盛させていく物語。
田沼意次の失脚後、老中首座となった松平定信は幕政改革に着手。一方で裏門切手番頭・高槻宗一郎は、己が信じる士道を貫くため、裏の上役であった松平信明と袂を分かっていた…。焦燥と煩悶を朋える日々の中で、宗一郎は陣笠の刺客に襲われていた男ー最上徳内を助ける。その身柄と蝦夷地を巡り、陰々たる闘諍の幕が上がる!