2015年発売
部屋いっぱいのバラの花に囲まれ、華やかなドレスを身にまとい、ロッキングチェアに横たわる死体。かつて子役スターだった彼女の死の真相をバラたちは知っているのかー!?(表題作)日常生活に溶け込んでいる動物や植物が、ミステリーの謎に結びつき輝きを増す。名手・日下圭介ならではの妙味を堪能できる傑作推理短編を厳選収録。色あせない芳醇な作品世界!!
紀伊勝浦藩主・安田義治に対して養子の慶次郎が謀反を企てている疑いがあり、ジョゼフ按針に慶次郎を捕らえるよう命が下る。しかしこれは、ジョゼフを再び陥れようとする老中の陰謀で、さらに慶次郎には出生の秘密が…。はたしてジョゼフはこの黒い罠を破ることができるのか!?イギリス人三浦按針を父にもつ、破天荒な旗本の活躍を描く時代活劇、待望の第二弾!
辻占を副業としている御家人の鏑木左京之介に、人足寄場の奉行から声がかかる。仕事の中身は寄場を放免になった錺職人・吉次郎を悪事を企む連中から守ることだった。晴れて寄場を出てなんとか仕事についた吉次郎だったが、その仕事には黒い影がちらつく。そして、背後にはさらなる闇が存在していた。左京之介が神刀自在流の剣で悪を断つ!異色の新シリーズ。
将軍家毒味役を務める矢背蔵人介の息子・鐵太郎は知人の勧めで海外渡航の企てに参加しようとする。しかし、その企ては何者かによって阻止され、参加しようとした者は鐵太郎の眼前で斬殺される。鐵太郎に捕り方たちが忍び寄る。はたして、鐵太郎、蔵人介、そして矢背家の人々の運命はー。蔵人介に最大の試練!人気上昇中の鬼役シリーズ、慟哭必至の第十四弾。
約束された次期重役の椅子がー!?営業部長の安田は、房総へ愛人とドライブへ出かけた帰途、人身事故を起こしてしまう。出世の危機と不安を抱くが、轢いたのは小柄で貧相な男。これは示談で済む、そう安田は安堵した…。だが、そこには信じられない落とし穴が待っていた。傲慢なエリート男を襲った恐怖とは?(「脅迫者」より)推理小説界の巨人が描くサスペンス傑作集!
人生に挫折し、八ヶ岳へ流れ着いた真鍋智也が働くことになったのは、理由あり物件を得意とする「やまびこ不動産」だった。泣く泣く生家を手放す女性、絶縁した父から土地を相続することになった男ー物件に篭もる思い出や事情、家族の想いに接するうち、空虚な真鍋の心にも変化が…。瑞々しい自然に抱かれた八ヶ岳で、悲喜こもごもの人生が交差する、再生の物語。
東京湾で、トカレフの銃弾が撃ち込まれた女の遺体が見つかった。巡査の伊吹龍次は、横行するロシアの密輸組織との関連を疑う。直後、先輩警官の遠藤が姿を消し、密輸船から持ち出された麻薬密売に関わっていたことが明らかになる。尊敬する先輩が、一体なぜー。血気盛んな伊吹は、遠藤の無実を確信し単独捜査に乗り出すが、炙り出されたのは法でも裁けぬ巨悪だった!
刀剣目利きの上条綸太郎は、ある日、虎徹の流れを汲む刀鍛冶とともに刀を作り続ける香苗と出会う。藩主の御側役だった香苗の夫は、主君の刀を失くし切腹したが、後に濡衣だと判明。香苗は自ら作った刀で夫の仇を討つという。だが、彼女の工房には骨董の贋作も多く、お宝と贋作をすり替えて盗む取替屋の疑いが浮上し…綸太郎は心の真贋まで見抜けるのか!?
豊後相良藩二万石の徒士組・金杉惣三郎は、固い絆で結ばれた藩主・斎木高玖から密命を帯びる。何者かによって奪われた相良藩の蔵書の中に、幕府ご禁制の切支丹本が混ざっていたという。事が明るみに出れば藩の取り潰しは免れない!真相を探るべく江戸に潜入した惣三郎は、藩主の分家・斎木丹波の企みを嗅ぎつけ…。相良藩の龍虎が激突する一大剣豪小説!
御家騒動から七年後。相良藩の江戸留守居役となった金杉惣三郎は、財政の建て直しに忙しく、我が子とゆっくり向き合う暇もない。そんな折り、藩の下屋敷が黒装束の一団に襲撃された!普請奉行・大岡忠相らとともに探索に乗り出した惣三郎は、やがて将軍家をおびやかす遠大な陰謀を突き止める。将軍宣下を控えた徳川吉宗にかかわる、驚愕の秘密とは…!?
風ヶ丘高校の旧体育館で、放課後、放送部の少年が刺殺された。密室状態の体育館にいた唯一の人物、女子卓球部部長の犯行だと警察は決めてかかる。卓球部員・柚乃は、部長を救うために、学内一の天才と呼ばれている裏染天馬に真相の解明を頼んだ。アニメオタクの駄目人間にー。“平成のエラリー・クイーン”が、大幅改稿で読者に贈る、第22回鮎川哲也賞受賞作。待望の文庫化。
すさまじい魔法嵐を逃れたアーゾウの民は、新たな街ホワイトグリフォンを造ったが、街の統率者に祭り上げられた鷲獅子スカンドゥラノンは、数え切れない雑事にうんざりしていた。そんなある日、ハイリィ帝国の船がホワイトグリフォンの港に入ってきた。彼らの街がハイリィ帝国の領土の聖域権を犯しているというのだ。ヴァルデマール伝説の時代を描く“魔法戦争”三部作第二弾。
ホワイトグリフォンの民を代表し、外交使節の一員としてハイリィ帝国を訪れたスカンドゥラノンは、知性をもつ動物の存在に慣れていないハイリィの人々を驚愕させる。そんななか、宮廷で残忍な殺人事件が起きる。しかも一見すると鷲獅子の仕業らしい。なんとか疑いをはらしたものの、スカンドゥラノンは、監視をうけることになってしまった。犯人の狙いは何か?同盟の行方は?
京人形に仕込まれた爆弾による殺人事件が東京と京都で起きた。警視庁と京都府警の合同捜査が始まり、十津川警部は人形師・京屋一太郎を重要参考人として指名手配した。しかし、京屋一太郎は来日中のカナダ副首相夫人を誘拐し、名所旧跡の無差別爆破予告と京都の景観改善を要求する脅迫状を京都市長に送ってきた。難事件解決に十津川警部が動いた。
バーで出会った男は荒れていた。なんでも、妻の浮気が判ったという。それを聞いた私の同伴者は、男に語り始めた。「あなたを見て、以前の自分を思い出したものでー」その意外な結末とは。(「遅すぎた忠告」)一編わずか4ページでも、面白さは長編並み!?巧みな謎と鮮やかな推理がぎっしり詰め込まれた、傑作ショートショート・ミステリー集の第2弾。60作収録で読み応え抜群の一冊!
古いアパートを改装してショッピングモールとなった『夢玄館』。そこに入居する、自分の“夢”を追い求める各ショップのオーナーが起こす事件と、失業中で仕方なく管理人を引き受けた“わたし”の心の葛藤を描いた連作ミステリ。
高校教師の杉本康介は兄・駿介の妻である美里に密かな憧れを抱いていた。兄が事故で亡くなって二年、康介の懊悩は増すばかりだったが、美里は独り身の康介を案じ「婚活」を勧めてくる。美里が勤める結婚相談所に入会し、そこで出会った魅惑的な女性たちと体を重ねていく康介だが、美里への思いは断ち切り難く…。長編癒し系エロス。
江戸の街で盗賊「怪盗阿弥陀小僧」が大評判となる。盗みの予告は「南無阿弥陀仏」の御札。変装の名手で、いくら厳重に警戒しても、鮮やかな手口で大切なお宝を盗んでいく。そんなある日、日本橋の豪商「三浦屋」に盗みの予告が届く。三浦屋の若旦那でありながら、いまは役者修業中の中村捨蔵は、独自に探索を始める。注目の新シリーズ始動!
大坂の堂島にある米問屋・栄屋で手代として働く佐助は、暖簾分け・独立を目指して先輩同輩らと商いに励んでいる。幕末の動乱前夜の大坂には、大鳥圭介や福沢諭吉、清水次郎長の子分の石松らが集まっており、佐助は彼らと交流を重ねながら、時代の転換点を商人として生き抜いていくー。