2015年発売
俳優、放浪藝の研究者、エッセイスト、俳人、そしてラジオ・パーソナリティとしての磨き抜かれた話藝。「小沢昭一的こころ」の筋書作家をつとめた著者が、“異能の人”の藝と人生に迫る。
<内容紹介> 大学教授の主人公Dr.サマーヴァケーションと、彼の幼馴染キョウナとの手紙から始まるファンタジー。キョウナの家で飲んだ甘い麦茶の記憶とスマートフォンを操る美しい指先が誘う不思議な世界。母への反発を募らせる思春期の娘心とその底に流れる家族への愛情が静かに胸にせまる佳品。 <推薦>児童文学者 日野多香子 児童文学の新たな旗手として ありふれた日常が一人の作家の筆にかかると、 燦然と輝く別の世界にかわる。 藤谷さんの作品を読むとき私はいつもそれを 感じます。 それは作品そのものの魅力です。同時に、 その作品のなかでは、主人公のその後と深く かかわったりもします。 (中略) ともあれ、藤谷さんはこれからの若手の作家 として、とても楽しみなひとりなのです。 ◆もくじ◆ 一 キョウナの手紙 二 気になる麦茶 三 スマートフォンダマシ 四 Dr.サマーヴァケーションの手紙ーキョウナへの返信ー 五 死 エピローグ 児童文学の新たな旗手として 日野多香子 あとがきに代えて
二冊分の面白さ! ガリレオ文庫版、お買い得です 天才物理学者・湯川と草薙刑事のコンビが難事件を解決する、シリーズ王道の短篇集。単行『虚像の道化師』と『禁断の魔術』に収録された全8編のうち7編を、文庫版オリジナルの再編集で登場! 「幻惑す」「透視す」「心聴る」「曲球る」「念波る」「偽装う」「演技る」 「幻惑す」 「透視す」 「心聴る」 「曲球る」 「念波る」 「偽装う」 「演技る」
大友の一人息子・優斗が誘拐されたーー。 胸に銃弾を受け(AF5『凍る炎』)、長野県佐久市の実家で療養する大友鉄のもとを、春休みになった優斗は高速バスで訪れる。だがその道中、優斗はパーキングエリアで忽然と姿を消す。その直後におきた、優斗の乗っていたバスの不可解な大事故。息子と向き合い、事件の背後を探る、大友の新たな試練がはじまった。手に汗を握る、怒濤のノンストップサスペンス。シリーズ最高傑作の誕生です。
1939年、ワシントンDC近郊で娼婦の死体が発見された。時をおかず第二の事件も発生。凄惨な猟奇殺人に世間が沸く中、恐竜の謎について独自の解釈を示した「重力論文」が発見される。思いがけない点と点が結ばれたときに浮かびあがる動機ー先端科学の知見と奔放な想像力で、現代ミステリーの最前線を走る著者渾身の一作!
妻を喪った三十四歳の茂樹には、美花という異母妹がいる。島根の岬の家で育ててくれた祖母が逝き、美花は出生への疑念を口にした。茂樹の母が書き遺した“許すという刑罰”の言葉は?家族写真で幼い美花を抱いた男の顔は、なぜくり抜かれたのか?二人の想いはやがて、岬の家を訪れて共に楽しんだ焚火のように燃え上がる。
北海道のキャンプの夜、兄妹はついに結ばれた。その仲間もさまざまな愛に苦しんでいた。「共同体が崩れるとき、その原因は、たいてい男と女のことや」-岬の家もあるいは小さな共同体だったのか。海外赴任を前に茂樹は会社を辞し、美花と岬の家で生きる決意をする。詮索は終わりにしようと思った二人だったが…。
安土桃山時代。足利義輝、織田信長、豊臣秀吉と、権力者たちの要望に応え「洛中洛外図」、「四季花鳥図」、「唐獅子図」など時代を拓く絵を描いた狩野家の棟梁・永徳。ライバル長谷川等伯への嫉妬、戦乱で焼け落ちる己の絵、秘めた恋。乱世に翻弄されながら大輪の芸術の華を咲かせたその苦悩と歓喜の生涯を描いた長篇。
戦国末期。千葉房総の大名、里見家に仕える下級武士・金丸強右衛門は、戦で勝てば領地が増えて、生活も楽になり、妾も囲えると意気揚々。ところが主家は、秀吉に領地を減らされ、徳川幕府によって滅ぼされてしまう。負け組大名に仕えた強右衛門一家が、戦乱の世でも明るくたくましく生きる姿を描く痛快時代小説。
ふとした縁で航空券を手にし、忘れられぬ表情、言葉、情景を心に刻みこまれてしまう三つの旅ー亡母の知己である未知の台湾男性に会いに行く美雨。北京初の女性誌創刊のため、真冬に春服の撮影を決行する夏美。駐在先の住居探しで上海を彷徨う亜矢子。芭蕉派にも「旅は読む」派にも旅時間を満喫させてくれる中編集。
羽田融はヒップホップに夢中な北鎌倉学院高校二年生。矢田部研吾はアルコール依存症で失職、今は警備員をしながら同校剣道部のコーチを務める。友人に道場に引っ張られ、渋々竹刀を握った融の姿に、研吾は「殺人刀」の遣い手と懼れられた父・将造と同じ天性の剣士を見た。剣豪小説の新時代を切り拓いた傑作。
「紅雲町珈琲屋こよみ」の著者が放つ書き下ろしサスペンス! タクシードライバーの千春には、正当防衛で人を殺した過去があった。ある日、客の小学生の行方が分からなくなり、千春にも疑いが…。
猟奇殺人の犯人が捕まった。陪審員の理解は得られず、男は凶悪犯の巣窟・孤島の牢獄アルカトラズへと送られる。折しも第二次世界大戦の暗雲が垂れ込め始めたその時期、囚人たちの焦燥は募り、やがて脱獄劇に巻き込まれた男は信じられない世界に迷い込む。島田荘司にしか紡げない、天衣無縫のタペストリー。
寝台特急トワイライトエクスプレスにプラスチック爆弾を仕掛けた。スイッチを入れれば、ただちに爆発する。それを回避したいなら、乗客・乗員の身代金として1億円を用意しろーーJR西日本に脅迫状が届いた! 列車は定刻どおり大阪駅を出発したばかりだった。脅迫は本物なのかイタズラなのか? 爆発物処理班が乗り込み、必死の捜索を開始。脅迫状が東京中央郵便局から投函されていたことから、警視庁・十津川警部も捜査を開始した!?
異常な寒波のなか、私は少女の家へと車を走らせた。地球規模の気候変動により、氷が全世界を覆いつくそうとしていた。やがて姿を消した少女を追って某国に潜入した私は、要塞のような“高い館”で絶対的な力を振るう長官と対峙するが…。迫り来る氷の壁、地上に蔓延する略奪と殺戮。恐ろしくも美しい終末のヴィジョンで、世界中に冷たい熱狂を引き起こした伝説的名作。
ハクスタブル家シリーズ最新作! 早くに両親を亡くし、必死に家を守ってきたハクスタブル家の長女メグ。 かつて彼女を裏切っていながら、よりを戻そうとする元恋人を遠ざけたいあまり、 咄嗟にメグは、自分には婚約者がいると嘘をついてしまう。 困りはてていた矢先、彼女の前に現れたのは、スキャンダルを起こして 社交界から半ば追放されていたダンカンだった……。
雨降りの薄暗い朝、スザンヌは朝から式典のための花を届けに墓地に向かっていた。 あともう少しで、卵とコーヒーの美味しい朝食を求めて大勢の客がカフェに押し寄せてくる時間。 一刻も早く厨房に戻りたいというのに、またも死体を発見! 嫌われ者の元刑務所長だった。 友人たちに背中を押され、ふたたび捜査に乗り出すスザンヌだったが、 いつも事件の推理で丁々発止やり合う頼もしい保安官が、重傷を負って 意識不明という悪い報せが入り……!?