2015年発売
「孤愁」とは、「愛するものの不在により引き起こされる胸の疼くような思いや懐かしさ」のこと。ポルトガルの外交官モラエスは、明治後期に来日、日本の自然、文化、女性を愛し、その著作で、日本の素晴しさ、日本人の美徳を世界に知らしめた。父・新田次郎の未完の絶筆を息子・藤原正彦が書き継いだ力作評伝。
戦国の世、井伊家を背負って立った女がいた 徳川四天王・井伊直政の養母、直虎。彼女は先を視る不思議な力を持っていた。戦国の世に領主となった女の熾烈な一生を描いた渾身作。
東京ー大阪間が七時間半かかっていた頃、特急列車「ちどり」を舞台にしたドタバタ劇。給仕係の藤倉サヨ子と食堂車コックの矢板喜一の恋のゆくえ、それに横槍を入れる美人乗務員、今出川有女子と彼女を射止めようと奔走する大阪商人、岸和田社長や大学院生の甲賀恭男とその母親。さらには総理大臣を乗せたこの列車に爆弾が仕掛けられているという噂まで駆け巡る!
O・ヘンリーの短編小説は、心温まるいい話として、人生の教訓として、気軽に親しまれてきたが、しかし、この作家は、じつは、時代のずばぬけた観察者でもあった。本書を読めば、烈しく変貌する20世紀初頭のニューヨークが浮上してくる。O・ヘンリーの新しい読み方ができるように編集された画期的な小説集。カラー口絵と全作品についた小解説とともに、100年前のニューヨークへタイムスリップ!
クレモント公爵ことロバートは、夜会の喧噪を避けて図書室に隠れていたところ、地味なドレスを着た、いかにも「壁の花」のようなミリーがそこに飛び込んできた。彼女は口先ばかりの求婚者から逃げてきたのだ。会話をかわすうち、ミリーの風変わりな奥ゆかしさと聡明さに興味を覚えたロバートは……。
「世界でもっとも重要な台所」と呼ばれる、ホワイトハウスの厨房で働くオリーは、小柄ながら腕と舌は確かなアシスタント・シェフ。彼女の任務は、大統領の朝食から晩餐会にいたるまでの献立を吟味し、期待以上の料理で彼らの胃袋をつかむこと。ところがある日、ホワイトハウスに不法侵入した男をフライパンで打ちのめしたせいで、彼女は国際手配の殺し屋から命を狙われることに! いっぽう厨房では、一週間で重要な国賓晩餐会のメニューを決めるという前代未聞の事態が発生。オリーは、夢だった総料理長の座を射止めるためにもこの大ピンチを乗り切れるのか!? ホワイトハウスの舞台裏で大活躍する料理人を描くシリーズ第一弾! アンソニー賞、バリー賞、ラヴィー賞受賞の話題作。
発症まで、あとわずか!検疫官・西條亜矢は、新感染症の蔓延を阻止できるか!?アフリカに取材へ出かけた老ジャーナリスト・葛木が、帰国直後に姿を消した。西條は、エボラに感染して隔離されたのではと疑う葛木の娘とともに捜索するも、足取りはつかめない。そんな中、アフリカで新感染症が発生していたという情報が入り…。女性検疫官・西條亜矢が感染症の脅威と闘う、震撼の医療サスペンスシリーズ第二弾。
憧れのバスケ部に入部届を出したジュンペー。ところが、三年生が不祥事を起こして一年間対外試合禁止、とばっちりを食った二年生はジュンペーら一年生の練習参加を拒否する。諦め切れないジュンペーは、「勝てば練習参加、負ければ退部」を賭けて、二年生に試合を申し込む。しかし試合に必要なメンバーが足りない!?女子との練習試合でボロ負け!?いったいどうなるの??高校バスケを舞台にした、青春スポーツ小説。
外国人大関・荒把米は、独自の稽古で鍛え上げた強靱な身体で、土俵上に旋風を巻き起こしていた。しかし横綱昇進が確実視される中、格下相手にまさかの連敗。先場所からの不可解な取組結果に、支度部屋が関係していると気づいた大関は、本場所中にもかかわらず失踪する。やがてマスコミの前に現れた大関は“事実”を明らかにするが、何者かに狙撃されー。角界の闇に迫る衝撃のミステリー。
かつてない好景気に沸き続ける、昭和六十年代の札幌・ススキノ。高騰した土地を狙って、手段を選ばない地上げ集団と、それに嘲弄される住人たち。史上最高の日経平均株価が更新された陰で、人生の歯車が狂い始めた証券会社の支店長と企業舎弟の男の運命。キャバレー〈ニュータイガー〉の敏腕黒服・黒頭悠介が出逢う、五つの夜の物語。達意の筆致と抜群のディテールでバブル期のススキノを描きあげる、『夜明け遠き街よ』の続編登場。著者あとがき=高城高
とびきり善人だが、刑事としての才能はほぼ皆無なウィザースプーン警部補。事件のたび困りはてる主人を放っておけない“名探偵”の家政婦ジェフリーズ夫人をはじめ、彼を慕う屋敷の使用人一同は、秘かに探偵団を結成する。今回警部補が担当するのは、毒キノコによるらしき殺人事件。探偵団は先回りして解決し、主人の手柄にできるのか?痛快ヴィクトリア朝ミステリ新シリーズ。
ジャズは高校三年生。町ではちょっとした有名人だ。ある日、指を切りとられた女性の死体が発見され、ジャズは連続殺人だと保安官に訴える。なぜジャズには確信があったのかー彼が連続殺人犯の息子で、父から殺人鬼としての英才教育を受けてきたからだ。親友を大切にし恋人を愛するジャズは、内なる怪物に苦悩しつつも、自ら犯人を捕えようとする。全米で評判の青春ミステリ。