2015年発売
一八歳の夏、地元企業でアルバイトをするケラウェイは創業家の姉弟と出会う。多くの謎を残して死んだ弟、美しい姉との運命の恋。その後も一族では不審な死が重なり、企業は拡大していく。裏切り者は誰なのか? 結末まで全貌が見えない洗練のプロット、豊かな含蓄がちりばめられたセリフ。ミステリ読みのための快作。
絶望的な「死の舞踏」をくりひろげた挙げ句、サイパン島は失陥、他の太平洋の島々にも累々と死屍が積まれた。和平に持ち込む戦略を持たない指導者たちは、逼迫するほど闘志を燃やし破滅に向けて狂奔。戦艦部隊の強行突入に国運を賭けなければならなくなる。もはや残された道は、玉砕と特攻しかなかった。 関連地図 サイパン玉砕の悲劇(一) サイパン玉砕の悲劇(二) サイパン玉砕の悲劇(三) サイパン玉砕の悲劇(四) 東条内閣崩る! 比島捷一号作戦の陣容 神風特攻隊誕生の近因 神風・神雷特別攻撃隊 悲劇のなぐり込み艦隊 死闘する栗田艦隊(一) 死闘する栗田艦隊(二) 死闘する栗田艦隊(三) 比島戦の山下奉文 死のレイテ島決戦(一) 死のレイテ島決戦(二) 死のレイテ島決戦(三) 比島戦の終末(一) 比島戦の終末(二) 比島戦の終末(三) 太平洋戦争関係年表(4)
「帝都の表玄関」でありながら絶体絶命の孤島と化した硫黄島。その地下壕に栗林中将以下、二万三千の兵は敵襲を待つ。全滅する以外にない残酷きわまる運命は隆盛日本の象徴・戦艦大和にも降りかかる。降伏か徹底抗戦か、小磯内閣も鈴木内閣も終戦の糸口をつかめないまま、沖縄は最終特攻戦へと突入していた。 関連地図 硫黄島の玉砕戦(一) 硫黄島の玉砕戦(二) 硫黄島の玉砕戦(三) 硫黄島の玉砕戦(四) 硫黄島の玉砕戦(五) 沖縄の決戦前夜(一) 沖縄の決戦前夜(二) 沖縄の決戦前夜(三) 沖縄戦・神雷出撃! 米軍慶良間に上陸す! 沖縄県民はかく戦えり 沖縄に立つ往生戦の火柱! 戦艦「大和」出撃の真相(一) 戦艦「大和」出撃の真相(二) 最終特攻戦となった沖縄(一) 最終特攻戦となった沖縄(二) 最終特攻戦となった沖縄(三) 惨烈! 沖縄戦の終末(一) 惨烈! 沖縄戦の終末(二) 惨烈! 沖縄戦の終末(三) 太平洋戦争関係年表(5)
「一億総特攻」として誰もが死所を探す危機は、天皇の聖断により救われた。昭和二〇年八月一五日、終戦。武人たちは自決、天皇は「責任は私が負う」とマッカーサー元帥に告げた。そして「数世紀間の文明を抹殺する思想」という不条理のもと東京裁判が始まる。平和に徹して生きる未来を信じる鎮魂の巨篇、完結。 関連地図 祖国の危機! 本土決戦の構想 祖国の危機! 近衛特使派遣の真相 祖国の危機! 原爆投下とソ連の参戦 祖国の危機! 八月十日未明の聖断 祖国の危機! ポツダム宣言受諾の経緯 ああ、八月十五日! 日本人の自決! 敗戦の衝撃と混乱 連合軍進駐す! 東条大将の逮捕 戦犯旋風の美醜 巣鴨監獄の友情 近衛文麿の死 七人の絞首刑始末(一) 七人の絞首刑始末(二) 満州国の終焉(一) 満州国の終焉(二) 満州国の終焉(三) 太平洋戦争関係年表(6)
時は大正四年、晩秋。秋田の網元屋敷に奉公する山中ミツは、その美貌に目を付けた跡取り息子の幹也に犯されてしまう。入水自殺を図った彼女を救ったのは、十河恭平と名乗る謎の男。「お前は一度死んだ人間だ。俺と一緒に生き直さないか」-。そして舞台は帝都・東京へ。白亜の洋館ではミツを最高級の“令嬢人形”へと生まれ変わらせる数々の調教が待ち受けていた。大正浪漫の香りに乗せて送る波瀾万丈の濃蜜ラブストーリー。
天明八年七月、小梅村では坂崎磐音の嫡男空也が木刀を手に、独り黙々と稽古に励む日々が続いていた。そんな折り、尚武館道場を訪れた速水左近の口から思いもよらぬことを告げられた盤音は、その知らせに驚愕し言葉を失う。やがてその磐音のもとに、小梅村から姿を消していた弥助から文が届き…。超人気書き下ろし長編時代小説第四十九弾。
公領水没に気落ちする民百姓を陽気に煽り、たらふく飯を振る舞う隠密廻、八巻卯之吉。だが、炊き出しの元手はなんと横領。幕府が寄越した堤修繕金をちゃっかり着服していたのだ。露見すれば打ち首必至、なのに当の卯之吉は余裕綽々。この始末、いったいどうつけるか。累計五十万部突破、絶妙絶品の大人気シリーズ!
北町奉行・永田備前守正直の三男である豊之助は婿入りの話を断わり、剣客として生きる決心をした。師の中西忠兵衛の命に従い、本所の町道場の師範代となるが、当の師範は借金をつくってすでに夜逃げ!もはや後には引けない。豊之助は懸命にオンボロ道場の立て直しをはかるのだったが…。待望の新シリーズ第一弾!
「だれにも見えない男」は、愛を伝えるため、自分の存在を証明するため、英仏海峡を泳いで渡ることを決意するが…。映画界の巨匠ルコントならではの、ちょっと間抜けで哀感に満ちたふしぎな物語。
1977年に刊行された佐野洋子の名作絵本『100万回生きたねこ』に捧げる短編集。人気作家13人による短編小説や詩のアンソロジー。 著者は、江國香織、岩瀬成子、くどうなおこ、井上荒野、角田光代、町田康、今江祥智、唯野未歩子、山田詠美、綿矢りさ、川上弘美、広瀬弦、谷川俊太郎。 江國香織 「生きる気まんまんだった女の子の話」 岩瀬成子 「竹」 くどうなおこ 「インタビューあんたねこ」 井上荒野 「ある古本屋の妻の話」 角田光代 「おかあさんのところにやってきた猫」 町田康 「百万円もらった男」 今江祥智 「三月十三日の夜」 唯野未歩子 「あにいもうと」 山田詠美 「100万回殺したいハニー、スウィート ダーリン」 綿矢りさ 「黒ねこ」 川上弘美 「幕間」 広瀬弦 「博士とねこ」 谷川俊太郎 「虎白カップル譚」
恋愛戯曲で注目の劇作家は、筋金入りの”未恋”女子大生。そんな彼女がリアルに恋をした。でも想いを告げられぬまま時が過ぎ……。元エリート会社員の婚活騒動。妊婦の忘れていた恋心。天体マニア女性への年下男の溢れる想い。離婚工作を引き受けた便利屋社長の偽恋、戦争に翻弄された若者たちの絆……すんなり行かないのが恋だけど、どこかで必ず希望の星が光っている。恋する人、恋を待つ人にエールを送る6つの恋愛物語 「愛しかたは、ひとつじゃない。 ひとの気持ちは、まっすぐな一本道とは限らない」 表題作「星球」 私が選んだ「2014年の短編小説ベスト3」である。 ーー目黒考二(文芸評論家) (「目黒考二の何もない日々」WEB本の雑誌 2015年1月26日より) 『お父さんと伊藤さん』『おまめごとの島』で 注目度急上昇の新鋭が描く恋愛短編集 恋愛戯曲で注目の女子大生劇作家は、筋金入りの“未恋”女子。そんな彼女がリアルに恋をした。でも想いは告げられないまま時が過ぎ……(「星球」)。元エリート会社員の婚活騒動。妊婦の忘れていた恋心。天体マニアの女性に向けられた年下男の溢れる想い。セレブ夫婦の離婚工作を引き受けた便利屋中年社長の偽恋。戦争に翻弄された若者たちの絆……すんなり行かないのが恋だけど、どこかで必ず希望の星が光っている。恋する人、恋を待つ人にエールを送る6つの恋愛物語。 星球 The Last Light ほうき星 半月の子 Swing by 七夕の旅
強盗殺人事件で得た金をもとに事業を始めた根津謙治の周りで奇怪な事件が次々に起こる。完全犯罪の綻びは太平洋戦争のさなかに結ばれた絆にあった。「誰が何のために?」混乱と疑心暗鬼の中、根津は煩悶する。袂を分かった男たちの軌跡が再び交差する時、昭和を生きた人間の業と事件の真相と明らかになるーー。昭和の時代と風俗を克明に描写した熱き犯罪小説。 1966年8月15日、根津謙治は目黒区碑文谷二丁目にトラックを止めた。現金11億を奪うためだ。 戦後の混乱期に金貸しをはじめて財を成した原島勇平の屋敷から岩武弥太郎、宮森菊夫の二人と共に強盗計画を実行にうつした根津だったが、アクシデントにより屋敷に居合わせたクラブのママを射殺する。カーラジオからはローリング・ストーンズの『黒くぬれ!』が流れていた。 この強盗計画にはもう一人、川久保宏が関わっていた。彼の役割はアリバイ工作。4人は奪った金を隠し、4年後の山分けを約束する。 事件は大々的に報道され、根津は厳しい取り調べを受けるが、4人の繋がりは誰にも知られず未解決のまま時は過ぎた。 戦時中4人は疎開の為、別々の出身地からほんの僅かな期間、長野県の郊外で机を並べた仲だったのだ。 事件後、根津は疎開先で世話になった教師・玉置00の娘・鏡子と再会し関係を持ち結婚する。4人でした約束通り、1970年の終戦記念日に11億を取り出し分配した彼らは二度と会うこともないはずだったが、10年の歳月が過ぎ、新たな事件が彼らの身の周りに次々と起こる。 「誰が何のために?」 混乱と疑心暗鬼の中、根津は煩悶する。 袂を分かった男たちの軌跡が再び交差する時、昭和を生きた人間の業と事件の真相と明らかになるーー。 昭和の時代と風俗を克明に描写した”藤田宜永ノワール”小説。 第一章 強奪者+ワン 第二章 成功への光と影 第三章 血の弔旗
関ヶ原の合戦から十年。大坂の陣を前にして、世は徳川と豊臣との最後の決戦の時を迎えようとしていた。かつて豊臣方の小西家に仕えていた彦九郎は、朱印船による南洋貿易を営む商人となっていたが、シャムの都アユタヤの拠点から行方知れずとなった盟友を探すため、自ら海を渡る。当時の南洋には、海賊船が出没し、大筒を積んだオランダやポルトガルの船が跋扈していたが、彦九郎がそこで見たものとは──。歴史海洋冒険小説大作。 関ヶ原の合戦から十年。天下統一を成し遂げた豊臣秀吉は既に亡く、しかし大坂の陣を前にして、世は徳川と豊臣との最後の決戦の時を迎えようとしていた。 かつて豊臣方の小西家に仕えていた彦九郎は、朱印船による南洋貿易を営む商人となっていたが、シャムの都アユタヤの拠点から行方知れずとなった盟友を探すため、自ら海を渡る。当時の南洋には、海賊船が出没し、大筒を積んだオランダやポルトガルの船が跋扈していたが、彦九郎がそこで見たものとは──。歴史海洋冒険小説の大作。 第一章 銀の海 第二章 謎の島 第三章 熱い空 第四章 泥の河
大手テレビ局「帝国テレビジョン」での仕事に昼夜、オンオフの区別はない。恋も夢も曖昧なまま、それぞれの“戦場”に向かう日々-憧れと現実のあいだで揺れる5人の女性の切実な生き様がここにある。仕事、恋愛、夢、希望、葛藤…。等身大の思いが胸に響く、すべての戦う女性たちに捧げる物語。リアルにビター、だけど必ず前を向きたくなるお仕事小説!書下ろしエピソードを加えて刊行!
昼夜逆転の生活。昼間は眠そうで不機嫌、ときどきアルコールが入っている。嫌われてもひかれても気にしない。中世スペインを中心にした西洋建築史の専門家で、休暇はスペインで過ごすー。学長選挙の迫る地方国立大学に新たに赴任してきた袋井准教授。型破りな「フクロウ」は、閉塞感漂う学内のムードをものともしない。次々とトラブルに首を突っ込み、教授たちのスキャンダルを暴き立てていく。彼の目的は、いったい何なのか?
高位の霊的存在である僕は、『我が主様』によって、不本意ながら黒猫の姿で地上に派遣された。この世に未練を残し地縛した魂を『我が主様』のところへ導くのが仕事だ。記憶喪失の魂と出会った僕は、昏睡状態の女性の体にその魂を入れ、彼女の飼い猫として、街の魂を救い始める。だが、魂たちはなぜかある製薬会社に関係する人物ばかり。その会社では、怪しい秘密の研究が行われていたようで…!?現役医師がホスピスを舞台に描いた『優しい死神の飼い方』に続くファンタジックミステリー第2弾。
コーポ中里ー。枇杷の木が茂る四階建ての古い鉄筋アパートには八世帯が暮らす。二十数年前、母子家庭の幼児が行方不明となった事件に、住人たちは誰もが口を閉ざす。苦しみを背負い、ひとり住まいのままこの世を去った女は、何を思い、どんな風に生きてきたのだろうか。家族の愛憎と、人間の身勝手さ、生きていくことのままならなさを描く、注目の作家「カトゲン」の、ざわめく新しい世界!!