2016年1月16日発売
団地に住むショウタと親友トモヤ。部屋に籠もって本ばかり読んでいるトモヤの奇妙なつくり話が、ショウタの目の前で現実のものとなる。残酷な“子どもの王様”が現れたのだ。怯える親友を守るため、ショウタがとった行動とは?つくり話の真相とは?『ハサミ男』の殊能将之が遺した傑作をついに文庫化!
NYの書店員ジョーは、店頭で見初めた女子学生・ベックのクレジットカードから、フルネームを知る。ツイッターやブログを閲覧して、出自や関心事を掴む。自宅を割り出し、尾行も始める。ついには外出先で危機に瀕した彼女を、寸前で助け出した。何も知らないベックは、ジョーに運命的な出会いを感じ始めるのだった。
愛に飢えるベックにとって、ジョーは自分のすべてを受け入れてくれる存在だった。二人はお互いを必要とし、激しく求め合う。しかし、彼女はついに、ジョーのおぞましい正体に気付いてしまう。別れ話を切り出したベックに、ジョーがとった想定外の反応とは?ストーカーの書店員が引き起こす、歪んだ愛の結末。
刑務所にぶちこんでやりたいー。人気プロ野球選手が膝の手術を担当した名医を刑事告発。故意に靱帯を切断されたというのだ。だが医師は失踪。世間をゆるがす大事件の真相を若手刑事と社会部の女性記者が追いかける。男たちの嫉妬と欲望うずまく球界を舞台にした、著者ならではのハイブリッド警察小説!
犯罪のサポートと情報の売買。それがカーラの仕事だった。だが今回持ち込まれた依頼は危険きわまりないー“プログラム”への潜入の手配である。頻発する刑務所の暴動に手を焼いたイギリス政府が導入した矯正施設、“プログラム”。ゴーストタウンとなった住宅街を接収、二重の壁で囲み、そこで受刑者たちによる「自治」が行なわれている。依頼人は元狙撃兵の殺し屋ジョハンセン。カーラの手配でジョハンセンは施設に潜入するが…。依頼の背景を調べはじめたカーラは、次々に不可解で不穏な事実にぶちあたる。かつて彼女とジョハンセンが関わったギャングの抗争。元MI5の老スパイの死、謎の失踪を遂げた女性医師。警察、MI5、犯罪者たち…この一件の裏側で何か秘められた謀略が動いている。そして“プログラム”の中では、ジョハンセンに怨みを抱く大物ギャングが待ち受けていた…。ジョン・ル・カレばりの陰謀の迷宮。スタイリッシュなクライム・ノワールの語り口。最高にクールな女性ヒーローと巧妙なプロットでイギリス出版界を揺るがせた新人のデビュー作。