2016年1月22日発売
結婚まぢかのエルミーネが連れて来られたのは、人を競り落とす闇オークション会場!どうしてわたくしがこんな目に!?震えの止まらないエルミーネを救ってくれたその人は、黄金の軍神・ライオルド国王陛下だった!彼から、闇オークションの黒幕を捕らえるため、協力してほしいと言われ、お城に滞在することに!「私の傍にいる限り、そなたを守ると誓おう」舞踏会でくれた、ライオルドの熱い言葉に胸が高鳴り!?その夜、夢の中で甘く淫らな口づけをくれたライオルド。まさか、国王陛下に恋をするなんてー!?
八百八町の果ての果てにある「ドブ板長屋」に住む凛は、美しく気立てもいい、売れっ子の芸妓。ただし亡き父は、大盗賊だった。そんな凛のところにある日転がり込んできたのは、どうしようもない男、十三郎。だが、十三郎には秘密があった。そして使命もーそんなつもりなど毛頭なかった。三味線に仕込んだ刀と斬馬刀を、抜く日が来るとはー血で血を洗う戦いのあと、一体何が残るというのか?凶暴になる理由。それは、恋心ー義理と愛情の時代長編。
失踪した妹を捜す男が迷い込んだのは、磁器人形作家の奇妙な王国。雪に閉ざされた山荘に招かれた4人のコレクターの前で、無残な遺体が発見された。一体誰が何のために?次の標的は?そして、鍵を握るトランプコードの秘密を知ってしまった者の運命とは…。復讐と耽美と追憶のゴシック・ミステリ。
就活に失敗し、個人経営のメンタルクリニックにオープン直前で滑り込んだ心理療法士・森野美夢。しかし、変人だと思っていた院長は伝説の名ドクターで、ベッドタウンのクリニックは心の病のデパートだった!仕事への情熱と、よく当たる「夢占い」だけが取柄の美夢は、複雑極まりない現代人の心の謎を解き明かすことができるのかー。
ハルコンネン男爵の策謀によって、アトレイデス公爵は不慮の死をとげ再度、アラキスは男爵の手に落ちてしまう。公爵の世継ぎポールは、巨大な砂蟲が跋扈する危険な砂漠へ母ジェシカとともに逃れ、砂漠の民フレメンの中に身を隠すことになる。しかしこの過酷な環境と香料メランジの大量摂取が、時間と空間を果てしなく見通す超常能力をポールにもたらす。彼はフレメンの伝説の救世主ムアッディブとして歩みだすことに!
そして遂に復讐の時がきた。フレメンの一員と認められたポールは、その超常能力から、預言者ムアッディブとしてフレメンの全軍勢を統率する立場になっていた。ハルコンネン家の圧政とポール指揮下のフレメンの反撃に、惑星アラキスは揺れる。状況を危惧した皇帝とハルコンネン男爵は、軍団を引き連れ、再び惑星へと降り立つが…。映画化・ドラマ化され、生態学SFの先駆けとしても知られる伝説的傑作。
十二頭の竜が守護する“天竜の帝国”では、竜の声を聞き、自然を操ることができる十二人の“竜眼卿”が皇帝に次ぐ権力を持っていた。隠れた力を見いだされた少女イオナは、男装してイオンと名乗り、男子のみが参加を許される次代の“竜眼卿”を選ぶ儀式にのぞむため鍛錬を積んでいた。やがて儀式の日が訪れるが、彼女は妨害に屈してしまう。だがそこで、思わぬ竜の声を聞くことに…オーリアリス賞受賞の中華風ファンタジイ二部作開幕篇。
長らく姿を消していた幻の竜“鏡の竜”に選ばれて、“竜眼卿”の地位に就いた男装の少女イオン。だが、自分の真の名“イオナ”を叫べという“鏡の竜”の声を否定したために、竜と不完全な絆しか結べずにいた。そして、宮城のあらゆる人間が強大な力を目当てに彼女を利用しようと動いていた。そのなかで、イオンにさらなる試練がおとずれる…オーリアリス賞に輝いた、絢爛豪華な宮城で孤独な闘いに立ち向かう少女の物語。
18世紀英国。愛弟子エドらを失った解剖医ダニエルが失意の日々を送る一方、暇になった弟子のアルたちは盲目の判事の要請で犯罪防止のための新聞を作っていた。ある日、身元不明の屍体の情報を求める広告依頼が舞い込む。屍体の胸には“ベツレヘムの子よ、よみがえれ!アルモニカ・ディアボリカ”と謎の暗号が。それは、彼らを過去へと繋ぐ恐るべき事件の幕開けだった。『開かせていただき光栄です』続篇。
1920年代、デンマーク。画家のアイナー・ヴェイナーは、同じく画家である妻グレタに頼まれて女性モデルの代理を務めたことをきっかけに自らの中に潜む“女性”に気づいていく。やがて“リリー”という女性として生きることを決意するアイナーを妻は理解し、献身的に支え、愛し続けるが…。世界初の性別適合手術に成功した人物の実話を基にした、切ない愛の物語。トム・フーパー監督、エディ・レッドメイン主演映画原作。
地球征服を目論むヴェンダリスタ星人とそれを阻止するウルトラの戦士たちは激しく衝突し戦力を削りあった。どちらの援軍が先に地球に到着するかで、この星の命運が決まるー。地球は勝敗が決するまで、ウルトラの戦士に希望を託しつつヴェンダリスタ星人にも服従の態度を示さねばならぬジレンマを抱えることとなった。政府は苦渋の選択のすえ、傷ついた宇宙船で東京近郊に不時着したウルトラの聖女を、建前上はヴェンダリスタと同等の侵略者と位置づけた。ウルトラの聖女もまた地球の事情を察し、その一帯を“光の国の飛び地”として侵略支配することを宣言する。巨大な壁に囲まれ情報と物資の供給が絶たれた小さな飛び地に、ヴェンダリスタはウルトラの聖女を倒すため次々と怪獣を送り込む。地球のために涙する聖女に心打たれ共闘を誓った少数の者たちは、中立の立場を崩さない政府によって国籍を剥奪され、地球人であることを捨てて極秘のうちに飛び地へ渡った。そのひとり、二柳日々輝もまた複雑な思いを胸に、光の国への扉をくぐるのだった…。
国難の幕末にあって、薩英戦争などで薩摩藩内で、大胆な発想と行動の異色の開明派志士として頭角を表わす。英国巡歴後、経営手腕と財政感覚で倒幕に貢献する。維新後は政界から実業界に転進、大阪商法会議所の設立を始め、大阪の発展に尽くした。大阪をこよなく愛した無頼派の旗手オダサクが“恩人”の生涯を描く決定版二作。
1961年、共産主義体制下の東ベルリン。反体制派の烙印を押された教師のレベッカは驚愕の事実を知らされた。夫の正体は秘密警察官で、彼女と家族を監視していたのだ。希望を失ったレベッカは自由を求めて西側へ逃亡をはかる。一方、公民権運動が広がるアメリカでは、黒人青年ジョージが司法長官補佐官として希望に燃えていた。人種差別撤廃のため政界に入り、みずから国を変えるのだ。そしてモスクワでは双子の兄妹ディムカとターニャが理想の社会実現を目指し奔走する…。激動の20世紀を背景に壮大なスケールで描く大河ロマン。
命がけの苦難の末、レベッカは西側に渡ることに成功した。だがやがて、巨大な壁が完成し、東側の家族との間を完全に分断する。一方、ケネディ大統領のもとで民主的な光が国を照らすなか、希望に満ちたジョージを予想だにしない展開が待ちうけていた。キューバが東西対立の焦点となり、一触即発の危機へと突入していったのだ。司法長官補佐官のジョージとモスクワで第一書記の補佐官を務めるディムカは、それぞれの立場から核戦争回避に向けて必死の画策を続ける。が、米ソの対立は激化し、全世界が死の恐怖でおおわれていった!
ほのぼのとした筆致の中に浮かび上がる人生の哀歓。週刊誌、新聞、大衆向け娯楽雑誌などに発表された短篇を新発掘。ユーモアとペーソスに満ちた未刊行小説集。昭和を代表する私小説家の、意外な一面も垣間見える短篇を多数収録。