2016年10月28日発売
2011年、高校生になった武井遼介は、関東の強豪サッカー部に入部する。東日本大震災から1ヶ月、ふつうにサッカーができる現状に葛藤を抱きながら、遼介は新入部員約50名でスタートした部活に励む。しかし、全国大会を視野に入れたレベルの高い部内では、1年生チームの中ですらポジションを確保できずにいた。やがて1年生は2チームに分裂し、紅白戦が開催されることに。勝敗によって両チームの選手を入れ替えるサッカー版“大富豪”という特殊ルールで、遼介はチーム内での立場を思い知らされ、夏の1年生大会、ルーキーズ杯へと向かうー。無名の高校生16歳、リアル青春サッカー小説。
真田幸村の兄にして、“信濃の獅子”と謳われた真田信之。松代藩に善政を敷いた老雄は、九十歳を超えすでに隠居していたが、当主を譲った息子の突然の死をきっかけに、家督相続に頭を悩ませることに。その内紛に乗じ、“下馬将軍”と呼ばれた老中酒井忠清は隠密を使い陰謀をめぐらすが、信之には藩を守るための秘策があったー。巨編『真田太平記』の後日譚にあたる、爽快なる傑作。
ロシア革命直後のウラジオストックで、怪しい男がロマノフ王家の宝石にまつわる奇妙な体験を語る(「死後の恋」)。海難事故で無人島に漂着した兄妹が出遭った悪夢を父母宛に綴る(「瓶詰地獄」)。鼓作りの男が想いを寄せる女に贈った鼓の、尋常ならざる音色が不吉な事件を起こす(「あやかしの鼓」)-。夢と現の狭間へと誘う奇才夢野ワールドから厳選した究極の甘美と狂気、全10編。
母性に倦んだ母親のもとで育った少女・恵奈は、「カゾクヨナニー」という密やかな行為で、抑えきれない「家族欲」を解消していた。高校に入り、家を逃れて恋人と同棲を始めたが、お互いを家族欲の対象に貶め合う生活は恵奈にはおぞましい。人が帰る所は本当に家族なのだろうか?「おかえり」の懐かしい声のするドアを求め、人間の想像力の向こう側まで疾走する自分探しの物語。
「会社を辞めて、これからどうするつもりなんですか?」リストラ面接官として村上真介が今回対峙するのはー鼻っ柱の強い美容部員、台湾に身売りした家電メーカーのエース研究員、ペースを狂わせる不思議ちゃん書店員。そして最後にクビを切られるのは、なんと真介自身!?変わりゆく時代を見据え、働くこと=生きることの意義を探す人々を応援する人気シリーズ、旅立ちの全四話。
濃い津軽弁と小柄な体がトレードマークのドジッ娘メイド、相馬いとも高校3年生。三味線の腕前は相変わらず抜群、バイト先のメイドカフェではたるんだ後輩に鬼の指導(?)、一つ年下の鯉太郎への恋心も奥手なりに加速中。成長著しいいとの前に「受験」という名の過酷な試練が待ち受けていた。そしてついにやってきた、旅立ちの時ー。まぶしすぎる青春物語、笑顔と感涙の卒業編!
「フィル・トムスをご存知ですね」収監された過去を持つ孤高の作家・榊の前に現れたのは、囚人仲間フィルの娘、里奈だった。親と子ほど年の離れた二人は強く惹かれ合い、フィルが残した謎を探るべく、共に沖縄へと向かう。そこで待ち受けていたのは、葬られた戦後沖縄の真実と、当時を生きた若者たちの哀しき物語だった。全身全霊を捧げた愛。壮絶な運命。白川ロマン、ここに極まる。
新聞部の創設。柏原第二高校に転校してきた安達は、島で唯一の小学生・相原大地のために部活動を始めることを提唱する。賛成するクラスメイトたちだったが、七草はそれが堀を追い込むために巧妙に仕組まれた罠であることに気づく。繙かれる階段島の歴史と、堀が追い求めた夢。歩み続けた7年間。その果てに彼女が見つけた幸福と、不幸とは…。心を穿つ青春ミステリ、第4弾。
数学オリンピック出場者との夏合宿を終えた栢山は、自分を見失い始めていた。そんな彼の前に現れた偕成高校オイラー倶楽部・最後の1人、二宮。京香凛の数列がわかったと語る青年は、波乱を呼び寄せる。さらに、ネット上の数学決闘空間「E2」では多くの参加者が集う“アリーナ”の開催が迫っていた。ライバル達を前に栢山は…。数学に全てを賭ける少年少女を描く青春小説、第2弾。
27年間続けた教員を辞めた。これで小説を書く時間はたっぷりできたはずなのに、惰眠を貪るばかりで、執筆は一向に進まない。書けない日常から、思考はいつしか逃避をはじめ、気づけば異界の入口へと招かれていた。作家の日常と足取りをたどるうち、深遠なる世界に足を踏み入れる異色漫画作品!
ある北関東の小さな集落で、家々の壁に描かれた、子供の落書きのような奇妙な絵。その、決して上手ではないが、鮮やかで力強い絵を描き続けている寡黙な男、伊苅(いかり)に、ノンフィクションライターの「私」は取材を試みるが…。寂れかけた地方の集落を舞台に、孤独な男の半生と隠された真実が、抑制された硬質な語り口で、伏せたカードをめくるように明らかにされていく。ラストには、言いようのない衝撃と感動が待ち受ける傑作長篇。
ファルジア王太子レジナルドの死の運命に抗うため魔術師になったキアラ。しかし、ファルジアは隣国ルアインによって占領され、ルアイン出身の王妃の裏切りで、国王は殺されてしまう。辺境のエヴラールにいて難を逃れた王子レジーは領土を取り戻すべく戦いを繰り広げる。レジーとエヴラール辺境伯軍は、ルアイン軍とその同盟国サレハルドと戦い、デルフィオン男爵領イニオン砦を奪還に成功。キアラの活躍もあり順調に戦いが進むと思った矢先突如、キアラが魔法を上手く使えなくなってしまった。さらに、レジーに猛烈アプローチする謎の少女エイダの存在も、キアラの心を揺さぶって…。想いが交錯する第4巻。
7年前に家族を殺された復讐を果たすべく、仇であるヴァネッティファミリーに潜入したアヴィリオ。ファミリーのドン、ヴィンセントに辿り着くために、その嫡男で復讐相手の一人ネロに接近していく。ネロの親友であり右腕のヴァンノ、弟フラテ、ネロを慕う部下…。彼の近くにいた者たちは命を散らし、アヴィリオはネロの側近としての地位を築いていった。そして着実に復讐を果たしていくなか、決断を下す時が訪れる。アヴィリオが選び取るのは、友情か、復讐か。敵も味方も、そして友も。一通の手紙がもたらした運命は、男たちを哀しみの連鎖に引きずりこんでいく…。アヴィリオのシカゴ旅行を描いたオリジナルストーリーも収録!TVアニメ公式ノベライズ、完結。