2016年10月発売
身内の死を機に武士を捨て、無宿人となった新九郎は、偶然出会った国定忠治に使いを頼まれ松井田から高崎へ向かっていた。だが道中、古寺に野宿する色白で愛らしい鳥追いの初音になぜか誘われる。初物だと羞じらう言葉とは裏腹な初音の大胆さに二度も絶頂を迎えた新九郎。翌日別れを惜しみつつ高崎に着くと、聞き覚えのある甘い唄声が…。美女と中山道を行く悦楽記。
罪なき農民が斬られ、女房、娘らが夜伽を強要される。江戸近郊の村での勘定方の非道を聞き、本多控次郎は怒りに打ち震える。だが勘定奉行の名で斬殺が行われていると知り、それが周到な謀略と気付く。「浮かれ鳶」と渾名され、暢気な長屋暮らしの貧乏旗本控次郎だったが、実弟で養生所与力の片岡七五三之介や、地本問屋の手代辰蔵らと共に、許し難き悪を討つ!
一年に及ぶ柳生逗留を終え、惣三郎と結衣が江戸に帰ってきた。しのと結衣は抱き合って再会を喜ぶ。惣三郎は皆に飛鳥山菊屋敷での静養を薦められ、すぐにも精出して働きたいと渋るが、人々の厚意を受けることにした。息子や娘、弟子の成長を見るにつけ、自らの老後に想いを馳せる惣三郎。そんな折、近隣の「烏鷺荘」に引っ越してきた老人が、惣三郎を囲碁に誘うが…。
男を車で撥ねて死なせてしまった女。男が自分を証明する公的書類を一式持っていたことから、ふいにある企みを思いつく。「男の身代わりを立てればいい」と。彼女が目を付けたのは、記憶喪失の若いホームレスだった。突如、人生は大きなうねりに呑み込まれていく…。その先に待ち受けるのは、成功か破滅か。ページを繰る手が止まらない、傑作長編サスペンス!
「もう一度、仕事をしてみないか」。二人の子どもにも恵まれ、ささやかながら幸せな日々を送る福田曜子の元に届いた25年ぶりの仕事の依頼。幼い頃にアメリカで暮らした曜子は、祖父エドからあらゆることを教わった。格闘技、護身術、射撃、銃の分解・組立…。そう、祖父の職業は暗殺者だったのだ。そして、曜子はかつてたった一度だけ「仕事」をしたことがあった。家族を守るため、曜子は再びレミントンM700を手にする。
うちのばあちゃんって一体何者!?浪人生の真崎光一は、一緒に住み始めた祖母が、方々で先生と慕われることに驚く。どうやら昔から色々な人を幸せにしてきたらしいのだ。実際、家族の抱える諸問題もいつの間にか解決してしまった。光一は目撃する。ばあちゃんの作るびっくりするほど美味しい料理や「優しいうそ」の力がもたらした信じがたい奇跡をー。「こんな人がいてくれたら」ワンダフルでスペシャルなおばあちゃんが惹き起こす幸せの物語。
愛する妻子を惨殺した凶悪犯、永倉を七年間追い続ける警視庁強行犯担当刑事・神条俊輔。復讐に燃える不死身の肉体を駆使し、逮捕のためなら手段を選ばぬ非情な神条は裏社会で「狂犬」と恐れられている。そしてついに、神条は永倉一味が沖縄に潜伏中との情報を掴み、現地へと飛ぶ。だが、それはさらなる血の雨の前触れに過ぎなかった。ハードアクションの旗手がぶっぱなす超ド級の快作!
二匹の猫の世話を条件に叔母のマンションに引っ越したぼくは、ある雨の夜、部屋で女性の声を聞いた。「わたしは幽霊です」と言う彼女は、自分を殺した人を捜してほしいという。戸惑いながらも、真相究明に乗り出したぼくは、いつしか、雨の日にしか現れない彼女に恋をしていた。そして、すべての謎が明かされたときー奇跡の恋を描いた感動のラブストーリー『雨恋』が、装いも新たに!
トモ子の許嫁、宗一が殺人の主犯として逮捕された。事件当夜、宗一と寝ていたトモ子は、宗一が部屋を空けていた時間があったにも拘らず宗一と一緒にいたと証言する。一審二審と宗一は有罪になるが、トモ子は一貫して宗一のアリバイを主張。裁判は最高裁まで進み、差し戻される可能性が出てきた。そこでも、これまで通りの証言をするつもりのトモ子だったが、ある事を知り、心理に微妙な変化が起きる(「脊梁」)。ジャンル別作品集第4巻は「法廷ミステリ」。裁判や法律を扱いつつ、著者ならではの人間ドラマ5編を収録。
祖父から譲り受けた古民家を改造し、外国人旅行者向けのゲストハウス「八百万」を開業した元バックパッカーの安堂美香。オープンから九ヶ月。同僚の亮介、ミシェル、そして宿のマスコットである柴犬のヤタローとともにおくる外国人ゲストとの楽しくもドタバタな毎日が、今日も始まる!文化も言語も異なる外国人が教えてくれた、日本のいいところ。古民家ゲストハウスを舞台にした、疲れた心がほっと休まる優しい物語。
伊豆に温泉旅行に出かけた今井健吾は、深夜、ひとり温泉に浸かっていると、いきなり全裸の女性が風呂場に入ってきた。なんとその女性は、二ヶ月前まで健吾が通院していた歯科医院の医師大町比沙子だった。思いがけない場所で出会った二人は、誰もいない混浴露天風呂で互いの欲望を解放する。さらに後日、比沙子を介して複数の美女が健吾の前に姿を現し…。書き下ろし長編柔肌エロス。
「あんたの奥さんを俺たちに抱かせな」。愛人殺しの罠にはめられ、謎の覆面男二人組に脅迫された不動産会社社長、坂本修三郎は、やむなく妻の沙織を差し出す。だが、事件には驚愕の裏があったー美しく貞淑な人妻が、夫の眼の前で犯され嬲られ堕ちる!斬新なストーリーと主演の風祭ゆきの妖艶な魅力で話題をさらった80年公開の衝撃作を、日活ロマンポルノ生誕45周年記念して人気官能作家・早瀬真人が完全ノベライズ。
すずは広島の江波で生まれた絵が得意な少女。昭和19年、18歳で呉に嫁いだすずは、戦争が世の中の空気を変えていく中、ひとりの主婦として前を向いて生きていく。だが、戦争は進み、呉はたびたび空襲に見舞われる。そして昭和20年の夏がやってきたー。数々の漫画賞を受賞した原作コミック、待望の劇場アニメ化。戦時下の広島・呉を生きるすずの日常と軌跡を描く物語、ノベライズ版。
口入屋の女将おせいが営む恵比寿屋に出入りする浪人榎本平四郎。その平四郎が旗本本田家の周辺を嗅ぎ回っていた。無外流の遣い手でもある平四郎の動きに不信を抱いた眠り猫の勘兵衛は、骨董品好きの当主本田織部に故買屋の吉五郎を近付け、その用心棒に平四郎と己をつけるよう画策する。平四郎が本田家を狙う目的とその真意とは!?大好評書き下ろし時代小説、シリーズ第九弾。
強敵轡田兵庫との死闘を辛くも制した左門だが、闘いの際に負った傷を癒やすべく、しばらくの養生を余儀なくされる。動くことも酒を飲むこともままならず、無聊を託つ左門だったが、見舞いに訪れたお神楽一家の若い衆から、亀戸天神での奇妙な掏摸騒ぎのことを聞かされー。手負いの左門が、悪事を暴く!至高の無頼漢、三日日左門の活躍を描く、人気シリーズ第六弾!!
日下雄征は旗本の次男坊、気ままな部屋住みの身だった。ところが、黒船来航で世の中は大騒ぎ。武士として先行きに不安を抱く雄征は、意気投合した戯作者・鈍亭魯文とともに、幼馴染みの切腹騒ぎや爆発した水車小屋をめぐる幽霊話の真相を探ってゆくー。時代の荒波の中で格闘する若侍の成長を描いた、極上の時代エンターテインメント!
大ヒット映画化漫画作品の書下ろしノベライズ!雨の中、惨劇は起きた。現場に残された紙片には“ドッグフードの刑”の文字。最悪の猟奇殺人は刑事・沢村の予想通り連続する。“私刑執行者”、蛙男の衝撃の過去と心の闇が襲い来る、知られざるもうひとつの「ミュージアム」小説版、悪魔の“Another Side”。巴亮介の絶賛漫画作品の、ホラーの名手、牧野修による書下ろし驚愕ノベライズ。 知られざる、もう一つの物語。“6月の蛙男”が雨音の中やってくる。ヤングマガジン連載衝撃ホラー漫画の小説版。 ホラーの名手、牧野修presents。大ヒット映画化漫画作品の恐怖と絶望の書下ろしノベライズ長編! 雨の中、惨劇は起きた。現場に残された紙片には“ドッグフードの刑”の文字。最悪の猟奇殺人は刑事・沢村の予想通り連続する。“私刑執行者”、蛙男の衝撃の過去と心の闇が襲い来る、知られざるもうひとつの「ミュージアム」小説版、悪魔の“Another Side(アナザーサイド)”。巴亮介の絶賛漫画作品の、ホラーの名手、牧野修による書下ろし驚愕ノベライズ。 習作#1. 作品#01. 作品#02. 習作#2. 作品#03. 作品#04/05. 習作#3. エスキース 習作#4. 庇護者 patron #1. 作品#06.1. 庇護者 patron #2. 作品#06.4. 庇護者 patron #3. 作品#06.7. 庇護者 patron #4. 作品#06.8. 作品#07.
心極流の達人ながら、凡庸な勤めに留まる蔵太。二人の子供とともに穏やかに暮らす、その妻・澪。すれちがいの暮らしを送る澪の前に、一度だけ契りをかわした男・笙平があらわれる。側用人にまで出世したかつての想い人との再会に、澪の心は揺れる。今、ここで、心のままに生きられたならーー。直木賞作家が描く、人妻の恋。日本人の心が紡ぐ、美しく、哀しき恋。全国17紙に掲載された大人気連載! 義か情か。武士の妻の選ぶ道とは? 刀や槍を持たない女たちの武器は、愛であり、矜持であり、信念である。-大矢博子(書評家) 心極流の達人ながら、凡庸な勤めに留まる蔵太。二人の子供とともに穏やかに暮らす、その妻・澪。すれちがいの暮らしを送る澪の前に、一度だけ契りをかわした男・笙平があらわれる。側用人にまで出世したかつての想い人との再会に、澪の心は揺れる。今、ここで、心のままに生きられたならーー。直木賞作家が描く、人妻の恋。日本人の心が紡ぐ、美しく、哀しき恋。全国17紙に掲載された大人気連載がついに文庫化!
江戸の大川で、若い女性が両手両脚を切断、惨殺される「達磨美女」事件が勃発。貧乏浪人の由比三四郎は、妻の依頼で、暗殺された花火師の娘おゆきの用心棒となった。その直後から、彼らの元に次々と難敵が現れる。三四郎は「秘剣・氷柱折り」で、究極の黒幕退治に挑むのだがー。人情と剣戟が交錯する、連作長編小説。
三村修治はこの世とあの世の狭間にいた。修治は生前に積んだ善行「天国マイレージ」のおかげで、天国に行けるという。人は笑うたびに0.1マイルが貯まる。修治は生前、35万回も笑っていた。妻の彩子は明るく、よく笑う女性だった。だが息子の陽一郎はどうか? 腹を抱えて笑っている姿をみた記憶がない。かくして修治は、天国行きを中止した。すべてのマイルを使ってこの世に1週間だけ戻り、陽一郎を笑わせるために。 目がさめると、三村修治はこの世とあの世の狭間にいた。修治は生前に積んだ善行「天国マイレージ」のおかげで、天国に行けるという。人は笑うたびに0.1マイルが貯まる。修治は生前、35万回も笑っていた。しかし、そのことを知った修治は悩んだ。妻の彩子は明るく、よく笑う女性だった。だが息子の陽一郎はどうか?腹を抱えて笑っている姿をみた記憶がない。かくして修治は、天国行きを中止した。すべてのマイルを使ってこの世に1週間だけ戻り、陽一郎を笑わせるために。 【『天国マイレージ』改題】 プロローグ 第一章 天国ステーション 第二章 一週間転校生 第三章 転校二日目(火) 第四章 転校三日目(水) 第五章 転校四日目(木) 第六章 転校五日目(金) 第七章 転校六日目(土) 第八章 転校最終日(日) 第九章 天国ステーション エピローグ