2016年12月発売
12月25日未明、都心の病院で大量殺人が発生との報が入った。死傷者多数で院内は停電。現場に急行した比奈子らは生々しい殺戮現場に息を呑む。そこは特殊な受刑者を入院させるための特別病棟があり、狙われたのはまさにその階のようだった。相応のセキュリティがあるはずの場所でなぜ事件が?そして関連が疑われるネット情報に、「スイッチを押す者」の記述が見つかり…。大人気シリーズは新たな局面へ、戦慄の第7弾!
兵庫県芦屋市。夜から朝まで開店の定食屋「ばんめし屋」は、元俳優の海里と店長の夏神、英国紳士(本体は眼鏡)のロイドで営業中。急に「京都に行きたい」と言い出したロイドに、夏神は3人での京都旅行の提案をする。京都では、海里の俳優時代の後輩・李英も合流。彼は社会勉強のため、便利屋でバイト中らしい。後日、海里は李英に頼まれ、事故死した青年の遺品整理を手伝うことになり…。じんわり泣けるお料理青春小説第7弾!
武士の身分を捨て、刃に向き合うことを選んだ孤高の刀鍛冶、一戸前国包。彼の鍛冶場に、若い女が訪ねてきた。女は、川井太助が国包に注文した打刀を、自ら届けたいのだという。実は川井は、吉良邸討ち入り前日に失踪した赤穂浪士の一人であり、刀は討ち入り半月前に注文されたものだった。国包は事情を察し川井の行方を探るが、一方で本家を通じ、ある武士を斬ってくれとの依頼が…。武士の矜持を描く大好評シリーズ第2弾。
考古学者のルカが姿を消した。ナチス・ドイツの研究機関アーネンエルベで、養父の父親の同僚だった男に招かれ、南ドイツの古城に出かけたという。ルカが勤めるトリノのエジプト博物館から助けを求められた夜刀は、単身城に乗りこむ。彼を迎えたのは人形のように生気がないルカと、おぞましい秘密を持つ住人たちだった…性格も見た目も正反対の“腐れ縁コンビ”が再びタッグを組む!多彩な館と謎ときが魅力のミステリ・ホラー。
多忙を極める平賀とロベルトは、ハイチでの公務後に1週間の休暇を取るようサウロから厳命される。急な休暇の過ごし方に悩む2人だったが、現地で出会った豪華客船のオーナー・ルッジェリに誘われ、カリブ海クルーズに出ることに。だがその船上で、海が割れて巨大な十字架が出現するのを目撃する。2人は奇跡調査を開始するが、船内ではヴードゥの儀式を模した殺人まで発生し…!?天才神父コンビの事件簿、緊迫の第12弾。
東京は下町。昭和の雰囲気が残る三ノ輪に、評判の食堂がある。そこはいま大騒動の最中だった。隠し子騒動で三代目の長男が失踪。五人兄弟の次男、柊一が急きょ店を継ぐことになったのだ。近所でも器量よしと評判の兄弟だが、中身は別。家族の危機にてんやわんやの大騒ぎ。だが柊一の料理が大事なものを思いださせてくれる。それは、家族の絆。ときに涙し、ときに笑う。おいしくて、あったかい。そんな、懐かしい食堂があります。
大陸の強国、金椛国。名門・星家の御曹司・遊圭は、一人呆然と立ち尽くしていた。皇帝崩御に伴い、一族全ての殉死が決定。からくも逃げ延びた遊圭だが、追われる身に。窮地を救ってくれたのは、かつて助けた平民の少女・明々。一息ついた矢先、彼女の後宮への出仕が決まる。再びの絶望に、明々は言った。「あんたも、一緒に来るといいのよ」かくして少年・遊圭は女装し後宮へ。頼みは知恵と仲間だけ。傑作中華風ファンタジー!
1845年、捕鯨船マンハッタン号は洋上で日本人漂流者22人を救助。彼らを送り届けるため、被弾覚悟で鎖国中の日本に針路を取った。激しい黒潮や食料難と闘いつつ育まれる船乗り同士の言葉を超えた友情と敬意。一方の江戸幕府老中・阿部正弘は異国船対応に苦慮しながらも、その勇気に応える一つの答えを用意する。実話に基づく感動の歴史長篇。
その古道具は、あなたの人生を支配する。時間も空間も超えて、突如現れる古道具屋。訪れた客に商品を選ぶ権利はない。客を翻弄する不可思議な店主の望みとは何なのか?
愛する築地を飛びだした「誇り高き宿無し」にして食の達人・ヤッさん。シェフ志望の弟子を一人前にできるのか!?-何をやっても中途半端な青年・ショータ。料理人を志してイタリアに渡ったものの、夢破れて市場で盗みに手を染める始末。そんな彼にヤッさんは“保護観察”を告げた。再出発を誓ったショータは料理人にとって最も大切なものを探し求める!超痛快シリーズ最新作。
第10回『幽』文学賞短篇部門大賞受賞。くたびれた団地の窓の向こうから、かさり…かさり…と何かがやって来る。今夜も一瞬も気を抜けない闇の取り引きが始まるー。寄る辺ない“怖さ”を巧みに描いた受賞作の「やみ窓」をはじめ、書き下ろし3篇を加えた連作短篇集。
「勇者なんて、最低のクズがやる商売だ」改造手術を受けたヤクザが魔王となり、それを狩る職業が勇者として合法化した現代。金に困り勇者志願の女子高生3人の家庭教師となったチンピラ勇者ヤシロは、魔王の事務所へのカチコミ、勇者養成学校への不法侵入、死んだ勇者の遺品漁りなど落ちこぼれの少女たちを『指導』するうち、身体強化薬“E3”を巡る陰謀に巻き込まれー!?第1回カクヨムWeb小説コンテスト現代アクション部門大賞作!
改築工事を繰り返す“横浜駅”が、ついに自己増殖を開始。それから数百年ーJR北日本・JR福岡2社が独自技術で防衛戦を続けるものの、日本は本州の99%が横浜駅化した。脳に埋め込まれたSuikaで人間が管理されるエキナカ社会。その外側で暮らす非Suika住民のヒロトは、駅への反逆で追放された男から『18きっぷ』と、ある使命を託された。はたして、横浜駅には何があるのか。人類の未来を懸けた、横浜駅構内5日間400キロの旅がはじまるー。
「お兄ちゃん!起きて」微睡みの中、僕を起こそうとゆさぶる手、愛しい声。-だが、僕は気づいてしまう。目の前で嬉しそうに微笑んでいる妹は、ずっと前に死んだはずだということを…。その日を境に、僕の日常は信じがたい恐怖に塗り替えられていく。歪んでいく常識。蔓延する殺人鬼の噂。そして悪夢の中、僕は吐き気がするほどの絶望を突きつけられるー。第1回カクヨムWeb小説コンテストホラー部門大賞受賞作!
静かなる野、モーヌップ。坂東から移り住んできた豪族の圧政に、エミシの民は苦しめられていた。憤りを覚えた青年マサリキンは、女奴隷となる運命のチキランケを奪い、馬で逃亡を試みる。さらにマサリキンの黒馬が敵将の愛息を噛み殺したことで、二人は窮地に立たされた。豪族への敵対は、帝への叛乱。マサリキンは鎮所を牛耳るウェイサンペどものお尋ね者となるが、はぐれたチキランケは囚われ、按察使の寝所に召し出されてしまう。運命はマサリキンに反乱軍への参入を促していたー。税と圧政に苦しむ東北の民と、奴隷となる運命の恋人を救うため、青年は刀を手にとった。壮大な古代史ファンタジー!