2016年12月発売
焼き魚、チキン南蛮、トンカツ、コロッケ、おでん、オムライス、ポテトサラダ、中華風冷や奴…。佃にある「はじめ食堂」は、昼は定食屋、夜は居酒屋を兼ねており、姑の一子と嫁の二三が、仲良く店を切り盛りしている。心と身体と財布に優しい「はじめ食堂」でお腹一杯になれば、明日の元気がわいてくる。テレビ・雑誌などの各メディアで話題となり、続々重版した、元・食堂のおばちゃんが描く、人情食堂小説(著者によるレシピ付き)。
山東京伝や恋川春町らで世を沸かせ、歌麿を磨きあげ写楽を産み落とした江戸随一の出版人・蔦屋重三郎(蔦重)。 出版者であり編集者であり流通業者であると同時に、流行を仕掛け情報を発信する辣腕メディアプロデューサーでもある。 そして何より、新しい才能を見出し育てあげて世に出し、江戸の日本の文化を変えた巨大な創造者でもあった。 時に為政者の弾圧にあいつつ「世をひっくり返す」作品を問いつづけた稀代の男の波乱の生涯を、江戸の粋と穿ちが息づく文体で描き切った渾身の時代小説! <主な登場人物> 蔦屋重三郎(つたや・じゅうざぶろう)=蔦重(つたじゅう) 寛延三年〜寛政九年(1750-1797) 江戸の名物本屋。話題作を連発する一方、才能発掘や価値創造にも卓越した冴えをみせた。 喜多川歌麿(きたがわ・うたまろ/うたまる) 宝暦三年〜文化三年(1753-1806) 天才的浮世絵師。重三郎との出逢いで美人画に開眼、抜群の才を誇った。春画でも卓越。 山東京伝(さんとう・きょうでん) 宝暦十一年〜文化十三年(1761-1816) 江戸を代表する戯作者。絵師として出発し流行作家となる。長きにわたり絶大な人気を得た。 恋川春町(こいかわ・はるまち) 延享元年〜寛政元年(1744-1789) 黄表紙なる江戸文芸の新分野を拓く。文ばかりか絵も洒脱で滑稽味に溢れる多彩多芸の人。 朋誠堂喜三二(ほうせいどう・きさんじ) 享保二十年〜文化十年(1735-1813) 人気戯作者。黄表紙を中心に作品多数。表の顔は武士で、出羽国久保田藩の江戸留守居役。 北尾重政(きたお・しげまさ) 元文四年〜文政三年(1739-1820) 浮世絵師。親分肌で京伝や政美を育てただけでなく歌麿、鳥居清長にも強い影響を与えた。 大田南畝(おおた・なんぽ) 寛延二年〜文政六年(1749-1823) 狂歌壇の領袖。早熟の文人で天明期に圧倒的な存在感を示した。蜀山人、四方赤良は別名。 葛飾北斎(かつしか・ほくさい)=勝川春朗(かつかわ・しゅんろう)/北斎宗理(ほくさい・そうり) 宝暦十年〜嘉永二年(1760-1849) 浮世絵師。駆け出し時代に蔦重の知遇を得る。後に偉才を存分に発揮、絵師として大成する。 曲亭馬琴(きょくてい・ばきん)=滝沢瑣吉(たきざわ・さきち) 明和四年〜嘉永元年(1767-1848) 読本作家。京伝の紹介で蔦屋に寄宿。寛政期から著作に専念、読本で随一の物書きとなる。 十返舎一九(じっぺんしゃ・いっく)=重田幾五郎(しげた・いくごろう) 明和二年〜天保二年(1765-1831) 戯作者。瑣吉と入れ替わるようにして蔦屋へ。『東海道中膝栗毛』の大成功は享和期のこと。 東洲斎写楽(とうしゅうさい・しゃらく) ?年〜?年 あまりに衝撃的な大首絵で突如現れ、消えていった謎の浮世絵師。その正体は? 納得の結論が!
旅の魔女イレイナが紡ぐ、少し可笑しくてほんのり悲しい不思議な短編集 別れの物語はまだまだ続くのですーー 書き下ろしエピソード14編 話題の第三弾 あるところに旅する魔女がいました。名前はイレイナ。 彼女の一人旅は、まだまだ続きます。 今回出会うのは、夢に現れる悪魔、ブドウ踏みの乙女、新米の旅人、 妻の帰りを待ち続ける男、捨てられた道具たち、自称・狼男(?)、 時を遡る「菫衣の魔女」、切り裂き魔を追う「夜闇の魔女」、 そして懐かしい人との再会、未知なる灰色の魔女たちとの邂逅……。 様々な国を訪れるたびに、ヘンテコな人と出会ったり、 厄介なトラブルや悲しい事件に次々と巻き込まれるのです。 「次はあの国ですねーー」 相も変わらず、イレイナの旅は淡々と紡がれてゆきます。 新たな別れと出会うために。
『ユニークスキル:【創造】が発揮されました。あなたの記憶にあるものを物質化します』 「おめでとう。新たな魔王の誕生を私は歓迎する」 数多の魔王がダンジョンを造り出し、人間の感情を糧とする異世界。新たに生まれた魔王プロケルは先輩魔王に対し、自分は全く新しい方法で人間たちと共存していくことを宣言する。手始めに自身のスキル【創造】を使い、配下の魔物を生み出したプロケルの前に現れたのは、Sランククラスの魔物「天狐」の少女だった。 プロケルの知略と配下に集う最強の魔物たちによって、異世界の常識は大きく変わろうとしていた。これは、味方には優しく敵対するものには冷酷な、変わり者魔王の物語。
リバーサイドに建つ瀟洒なマンション。 209号室には、少年「あおい」が住んでいる……。 やりがいのある仕事を辞め、専業主婦となった菜穂。 夫は家のことは何一つせず、気が向けば子供の遊び相手になる程度。 「これじゃまるで大きな子供ね」といらだちが募っていたある日、 209号室に住む「葵」という名の美少年が現れる。 葵は息子の遊び相手を務め、ありがたく思う菜穂だったが、次第に夫までもが子供のような奇妙な振る舞いを始め……。 自分の力でマイホームを購入し、理想的な年下夫も手に入れた亜沙子。 妻と死別した、憧れの上司と結婚した千晶。 妹に彼氏を寝取られ、慰謝料をもらって新たな人生を踏み出した和葉……。 一見「ちゃんとして」見える女たちは、しずかに歪み、壊れていく。 ……209号室の少年、葵によって。 そして、209号室のオーナー、羽美の周りでも奇怪な出来事が起き始め……。 これは呪いか、人災か。女の業が交差する、ホラーミステリ決定版。
知人の女性を捜して、男性が野々宮家を訪ねてきた。彼女の祖母が、鹿乃の祖母に着物を預けていたらしい。蔵からその着物を取り出すと、鮮やかな赤い糸が描かれていたが、一瞬でその糸は切れてしまい……?
副業の「まじない屋」のほうが繁盛している、金物屋を営む夜見坂少年。ある日、刑事の静から人身売買の噂を聞き、興味を惹かれた夜見坂は、男爵家の令息で医学生の千尋と、怪しい屋敷に乗り込むが……!?
大学生の駿は、先輩の紹介でアルバイトをすることに。出勤すると、そこはUMAや都市伝説を紹介するオカルト雑誌『トワイライト』の編集部! 少し霊感があるせいか、妙な事態に巻き込まれてばかりで!?
物心つく頃から“ブス"だったわたし。結婚式に憧れて、自分は無理でも演出する人になろうとウェディングプランナーになった。そんなわたしが、ブスゆえに、やり手で絶世の美男子の久世課長に求婚され!?
7月31日、誕生日の夜に、葵海は幼馴染でバンド仲間の陸に気持ちを伝えられないままライブに臨み、失敗してしまう。落ち込む葵海は事故に遭い、目覚めた日はライブの一週間前!?
淮水で金軍の兀朮が岳家軍と、ほぼ同時に撻懶が梁山泊軍と交戦するが、それぞれ退く形で一旦収束する。兀朮は楊令の遺児・胡土児を養子に迎え、南宋の宰相に復帰した秦桧は漢土の統一を目指し奔走する。一方、梁山泊の新頭領・呉用からの命令は相変わらず届かず、新体制下の模索が続いていた。子午山では妻・公淑の死を想い、王進は岩の上に座すー。静かに時は満ち、戦端の火蓋が切られる、第二巻。
明治二十年代中頃、東京の外れに佇む三階建ての灯台のような異様な本屋「書楼弔堂」。無数の書物が揃うその店で、時代の移り変りの中で迷える人々と彼らが探し求める本を店の主人が引き合わせていく。
第二次世界大戦中、野々村は学徒動員で伊勢神宮を守る任務につく。終戦後、十五歳で東京に転居し考古学を研究してきた。遷宮で沸く伊勢へ七十年ぶりに帰郷し、同級生と再会。空襲で行方不明になったままの友人・加藤明が話題になる。野々村は、加藤の最後の姿を語り始めるが…。悲惨な戦争に翻弄された青春の封印が解かれた時、殺人の惨劇が!難事件に挑む十津川警部の名推理。長編旅情ミステリー。
離婚後、地元の弱小球団アリゲーターズで働きだしたシングルマザーの茜。球団マスコットキャラの「中の人」として、個性的すぎる選手たちと一緒に奔走し……。愛と勇気のお仕事小説。(解説/美奈川護)
木村電器の新人社員・小林は、社長の思いつきで「ロボット開発部」への異動を命じられる。何の専門知識もないまま、博覧会で発表するために、ロボット作りを強いられた彼が取った手段は、ロボットの中におじいさんを入れることだった。一見、うまくいくかに思われたその場しのぎの作戦は、おじいさんの暴走で思いもよらない展開にー。小林たちの運命やいかに!?ハートフルコメディ小説。
将軍上洛の報に大坂城は大騒ぎ。饗応の膳を調えることになった西町奉行の久右衛門は献立作りに四苦八苦。そこに東町奉行が名乗りを上げたことから、いつしか東西奉行所同士の闘いにー(「風雲大坂城」)。僧形の一団による押し込み強盗や、鍋奉行を騙る無銭飲食が現れたりと、不穏な空気に包まれる大坂の町。そんな中、同心の村越勇太郎は一大決心を固めー(「偽鍋奉行登場!」)。シリーズ第8弾。
動物虐待、ゴミ屋敷放火、下水道内でのガソリン爆発ーK署勤務の刑事・亜坂の身辺で奇妙な事件が続発する。それぞれの現場には意味不明な言葉が残されていた。亜坂は本庁の土橋刑事の協力を得て捜査に乗り出すが、犯行は凶悪化の一途をたどり、ついには身許不明の女性が撲殺体となって発見される。その遺体にも、謎の言葉が刃物によって刻まれていた!社会の闇を抉る警察捜査小説、第二弾。
神谷芳雄の愛人の弘子がつとめる京橋のカフェで、芳雄は怪物人間豹を知った。二人に襲い掛かる危機、さらには、歌姫の江川蘭子も魔の手に──。小五郎との対決や如何に!!(解説/桜木紫乃)