2016年1月発売
大手電機メーカーをある事情で退職したエンジニア・野口陽子は、存続が危ぶまれる東北の三流大学に非常勤講師として招かれた。彼女に課せられた使命は「ソーラーカー」を作り、レースに出て大学の知名度を上げること。しかし集まった学生は落ちこぼればかりで資金も技術も足りない。一流大学や大企業チームとの圧倒的実力差、そして震災…。あらゆる逆境を跳ね返すべく、彼女たちの挑戦が始まった。
ある偶然が引き起こした、痛ましい死亡事故。突然の悲劇に翻弄される人間模様を、映画『エンディングノート』『夢と狂気の王国』の監督が独自の視点から描き出した連作短編集。
西野美優は思い出した。これが乙女ゲームにもなった大人気アニメ『キミ☆らぶ』の世界で、悪役令嬢・星野宮桜子が愛しの京極会長に婚約破棄をされ、断罪される場面であることを。え、桜子って私!?このままじゃまずいと慌てて逃げ出した先はーまさかの刺殺エンド。こんなの知らない!はっと気づいたら、今度は桜子・5歳!?三度目の人生、こうなったら老衰目指して「生き残り計画」開始!
56歳にして社長を務める佐久本康介は、自分の秘書である茉莉奈を気に入り、息子・賢治との結婚を世話する。用心深い妻・律子の提案で茉莉奈の身上調査したところ、学生時代、3本のAVに出演した過去があると発覚。康介は衝撃を受けたが、過去のことと割り切って自分の心の内だけに秘めることにした。しかし、無事に同居生活が始まっても、康介の頭の中から、DVDで観た茉莉奈の淫らな姿は消えず、それどころか日を追うごとに、彼女を一人の女として意識してしまい…。
47歳の池澤健吾は、2年前の事故で妻・佳香を亡くした。当時、佳香は健吾に嘘をついての不倫旅行中で、その不倫相手も一緒に逝ったので責めることもできない。仕事ばかりにかまけていた自分にも原因があると思うと複雑な心境だった。そんな日々の中で、職場のマドンナ・あずさからアプローチされ、半ばヤケになって身体の関係を持つも、本気になれない。もう二度と恋愛ごととは縁がないのかと腐っていたある日、運命の女と出会ってしまう。その女は佳香の不倫相手の妻で…。
“キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードってえ名前は俺様が考えてやった”六百年ほど前、今はもう滅びた国に『うつくし姫』と呼ばれる女の子がいました。その美しさに誰もが命をささげ、彼女が歩く道は死体の山となりました…。これぞ伝説の怪異!怪異!怪異!青春は、童話のように残酷だ。
ここは、猫まで多く住みついてしまう人情たっぷりの下町。大学病院医師の鳥羽裕太は、病院で事務をしている石倉夏海の甥を事故から救った。それ以来親しくしているのだが、夏海は面白おかしい出来事や予想外の展開を引き寄せる“体質”で、一緒にいると次々と事件や騒動がやってくる。考えるタイプの裕太と行動派の夏海。名コンビが町の謎を解決する!愉快な登場人物が彩る、ほのぼの連作ミステリー。
深夜の学園に呼び出された少女・榊原来夢は、ミステリー研究会の先輩・白河美里の死体を発見する。警察は来夢を疑うが、名探偵・鵺夜来人の登場で事件は新たな局面へ…。次々と容疑者が殺害される中、探偵の口から語られる「意外な犯人」とは…!?
上杉謙信、織田信光、浅井長政、柴田勝家…。彼らは、戦国の覇者・織田信長をどう見ていたのか。嫉妬・焦燥・矜持・疑心。様々な心情が渦巻く中で、戦国の世を生きる者たちは強大な影に溺め捕られていく。-これまで多くの作家が描いてきた信長の実像を、新たな手法で描く挑戦的戦国期。
日本橋の呉服商「三浦屋」の箱入り娘、お雪は今年十九。その美しさは広く江戸中に知れ渡り、“室町小町”と謳われるが、本人はいたって内気で、家に引きこもる毎日。そんな折、両国の見世物小屋で「ろくろっ首」の見世物を演じていた女の首なし死体が見つかる。その話に興味津々のお雪は家を抜け出し、現場を訪れるが、ならず者に襲われてしまう。新シリーズ第一弾!
現世では死者となって社会から身を隠し純愛を貫く物語「墓地展望亭」「湖畔」、人間心理の深奥に迫る名作「ハムレット」、巧みな語りにサスペンスが湛えられた掌篇「骨仏」など、“小説の魔術師”久生十蘭(1902-57)の、彫琢につぐ彫琢によって磨きぬかれた掌篇、短篇あるいは中篇を精選。「生霊」「雲の小径」「虹の橋」「妖婦アリス芸談」を併収。
ジェラルドの死後、スカーレットと共にウィルクス夫妻はアトランタへ戻り、メラニーは「古き良き南部」の象徴的存在となっていく。一方、製材業に邁進するスカーレットにある日、事件が…。KKK会員として復讐に立ち上がる男たち。そしてレットは…。
これまで金融機関や商社での勤務経験を生かしてスケールの大きいベストセラー経済小説を発表してきた著者が新たに挑んだ社会派巨編司法小説。昭和四十年代から始まった人権派裁判官粛清人事=青法協問題(ブルー・パージ)と原発差止め訴訟の二つを軸に、戦後の裁判所の歴史を内側から明らかにする。正義と保身のあいだに揺れる生身の裁判官の人間ドラマ。
歪んだ裁判官人事行政のツケで、首相私邸への偽電話事件、女性被告人との情交、当事者からの収賄といった不祥事が噴出する。津崎守は、最高裁調査官、東京地裁の裁判長と順調に出世の階段を上がるが、突然、「招かれざる被告人」が姿を現す。やがて能登の日本海原発二号機訴訟が金沢地裁で結審し、村木健吾裁判長が「世紀の判決」を言い渡すー。
北海道の最北端・宗谷岬に傾いて建つ館ーー通称「斜め屋敷」。雪降る聖夜にこの奇妙な館でパーティが開かれたが、翌日、密室状態の部屋で招待客の死体が発見された。人々が恐慌を来す中、さらに続く惨劇。御手洗潔は謎をどう解くのか!? 日本ミステリー界を変えた傑作が、大幅加筆の改訂完全版となって登場! 解説=綾辻行人 プロローグ 第一幕 第二幕 第三幕 幕あい 終 幕 エピローグ
仕事はある,恋人もいる。でも足りない。同じ報われない時代を生きているのに、ヤツらは満ちて見える。どうして僕だけー。そのむなしさを、カッコ悪さを、自分のせいだと認められるか?就職、結婚、再会、嫉妬、劣等感。東京に生きる男女の転換点を鋭く描く短編集。あがけ若者、あがけ私。ひれ伏せ時代!
学校帰り、明は渋谷で路上ライブをしている同級生、里美と出会う。彼女が見守る中、初めて作った歌詞で文化祭に出るが大失敗。成績も低迷し、見かねた親に行かされた留学先のアメリカで、明は作詞の魅力を再発見する。夢へと向かう作詞家のたまごに人気作詞家が体験を重ね合わせ綴った青春音楽小説。
顔と両腕を損壊された遺体が見つかった。手がかりは、遺体の腹に記された謎の数字と、狩りの守護聖人のカードだけ。連続殺人を予測した如月塔子ら警察の捜査もむなしく、第二の事件が発生。またも記された数字は、犯人からの挑発なのか。謎と推理の応酬の果てに彼女らが辿りついた、残酷で哀しい真相とは。