2016年2月19日発売
今日も今日とて、ゆるり営業中の『花月香房』だけど今日は…雪弥さんが、ちょっとおかしい。(自称)雪弥の親友・高橋あてに届けられた、文香だけが入った謎の手紙のせいなのか…。秋の空高く、想い交錯する季節。それぞれの、そして香乃自身の、止まっていた時が動き始める。香乃はどんな香りから、何を感じ進もうとするのか。やさしい絆の物語、第3弾が登場。
アイドル誌の新米編集者・流星きららは、都内の古い洋館で祖母と二人暮らし。ある朝、目を覚ますと、やけに綺麗な顔の青年が部屋にいた。その正体は、遠い親戚の美大生・流星桜路。亡き祖父の遺言で下宿させることになったと祖母は大喜びだが、きららは年下男子との同居に戸惑いを隠せない。さらに、桜路は「ボクは九尾の狐の子」と不思議なことを口にして…?
この春、高校生の零次は倉敷へ引っ越してきた。諸事情あって長兄、次兄、双子の弟妹プラス自分の五人だけで暮らしている。新生活にも慣れてきたある日、零次は自分へ向けられる奇妙な視線に気づく。一方、零次宅の向かいにある『枳殻童話専門店』の店主、『ほっこりさん』こと九十九は、雪のように冷たい美貌を持つ少年と知り合う。少年の目的と、その正体は…?
友人たちの進路が決まっていくなか、就職先が決まらない璃子。そんなとき近所の文具店で、一風変わった青年・遙人と知り合うが、なぜか彼の周りにいる奇妙なモノが見えるようになってしまう。訳がわからないまま、行方不明の父が残した万年筆に合うインクを探してもらうことに。遙人の祖母からは嫁扱いされつつ「かぐら文具店」で働くことになった璃子だったが…?
ある事情から、極端に食が細くなってしまった大学生の碧。とうとう貧血で倒れたところを、「ゆきうさぎ」という小料理屋を営む青年、大樹に助けられる。彼の作る料理や食べっぷりに必惹かれた碧は、バイトとして雇ってもらうことに!店の常連客や、お向かいの洋菓子店の兄妹、気まぐれに現れる野良猫(?)と触れ合ううち、碧は次第に食欲と元気を取り戻していくー。
きっかけはパワハラだった!トップセールスマンのエリート課長を社内委員会に訴えたのは、歳上の部下だった。そして役員会が下した不可解な人事。いったい二人の間に何があったのか。今、会社で何が起きているのか。事態の収拾を命じられた原島は、親会社と取引先を巻き込んだ大掛かりな会社の秘密に迫る。ありふれた中堅メーカーを舞台に繰り広げられる迫真の物語。傑作クライム・ノベル。
閉館日が近づく映画館で『吸血鬼もの』の映画を見ていたエリカは、妙な冷気を感じる。上映終了後、近くの席で女性が気を失っていて!?その女性は、映画のロケ地だった村で生まれ育ち、子供の頃に吸血鬼に襲われたという。事件の予感に、吸血鬼父娘が立ち上がる!!表題作のほか“忘れじの吸血鬼”第2話『過去の眠る村』、『吸血鬼の初恋物語』の2編を収録。大好評、新装版シリーズ第14弾!!
大正末年から昭和十年代の激動期。詐欺師や博奕打ち、やくざ者を相手に身体を張って生き抜く遊郭の女たちの忘れえぬ肖像と、生き馬の目を抜く世界での己の苛烈な生きざまを、岩伍の独特の語りを通して綴る宮尾文学の名作。文字が大きく読みやすい、新版登場。
中学一年の史子は、生まれる前の記憶があると語る不思議な女の子シーちゃんと友達になる。彼女に恋をしたが、何も言えないまま転校。遠く離れたふたりが、十数年後、再び巡り会った時、史子は思いもよらぬ行動にでる…。昭和から平成を生きた女性を通して、同性、夫婦、親子の様々な愛を問う。愛のために全てを捨てた女が最後に選んだ道は、私憤か反権力か!驚愕の復讐劇。書き下ろし長編ミステリー。
念願のマイホームを購入した氷見一家。そこは、元の地主の意向で隣り合う四軒の家が前庭を共有する、少し変わった敷地だった。元地主の仁木家は資産家で、夫は覆面作家だという噂。活動的な妻・美和が四軒のつきあいを主導している能生家。共働きで他三軒とは少し距離を置いている高井戸家。そんな三つの家族とともに、氷見家の幸せな暮らしが始まるが…。誰もが思い当たる「ご近所」の物語。
フランス革命直前のパリ。アメリカ独立宣言起草者として名高いトマス・ジェファソンは、自らの美しき女奴隷で愛人のサリーを連れて帰国しようとする。トマスとともにアメリカに帰り、再び彼の奴隷になるか、パリに残って自由人の黒人でい続けるか。サリーの決断により、愛と快楽、自由と隷属をめぐる、時空を超えた目くるめく物語が幕を開ける…現代アメリカ文学最重要作家の超弩級の傑作!
我々は、「夏の夕暮れの光が消えるように、儚く逝った」薄幸の少女ネル(『骨董屋』)に涙を流し、跳梁する悪と貧困、虚栄と憎悪、悲痛な恋と変身・分身の劇がめくるめくように展開する『我らが共通の友』に十九世紀小説の最高の達成をみて、胸を躍らせる。スリルありサスペンスあり、ミステリーあり、数えきれないばかりの人物たちと事件がやがてジグソーパズルが形をなすようにして、壮大な勧善懲悪のカタルシスを伴って幕を閉じる。
韓国の大物工作員キル・ホグン率いる最精鋭特殊部隊「消防士」が日本で韓国要人の拉致作戦を実行した。事件に巻き込まれ、人質となってしまった中学1年生の祐太朗。日本政府と警察は事件の隠蔽を決定した。祐太朗の母親で、かつて最愛の夫をキルに殺された元公安の秋来律子は、ワケあり担任教師の渋矢美晴とバディを組み、息子の救出に挑む。因縁の関係にある律子とキルの死闘の行方は、そして絶体絶命の母子の運命はー。
片田舎で牧師の父と暮らすジュヌヴィエーヴ。素人歴史家の父の助手を勤め、いま取り組んでいるのは“ハームズワースの宝”と呼ばれる幻の宝飾品についての論文だ。一方、准男爵のリチャード・ハームズワースは、自身の出生にまつわる嫌な噂を払拭したいと、やはりこの宝を捜し求めていた。彼は別人を装ってジュヌヴィエーヴに近づき、誘惑の末に、宝を手に入れようとするが…心動かす甘い恋路を描いたRITA賞最終候補作!
秘書派遣会社を経営しているアーシュラの部下であり親友でもあったアンが謎の死を遂げ、速記で隠し場所を示された遺品は奇妙な物ばかりだった。自殺か心臓麻痺と判断されたが、アーシュラは他殺と考え、犯人を突き止めようと決意する。自ら秘書を担当していたクライアント=スレイターに休暇を願い出るものの、彼は協力したいと言う。犯人探しの過程で惹かれ合う二人。しかし、各々が秘密の過去を持っていた。一方、事件は予想以上の展開を見せ、意外な犯人が浮かび上がるー。
一度だけ関係を持った男性に裏切られただけでなく、家族からも娼婦と罵られ、二度と愛を信じないと心に誓ったフィリッパ。一方のアンソニーは自分が公爵の庶子であるのを知り、華やかな社交界に背を向けつつあった。舞踊会で出会い、フィリッパの閉ざされた心の奥に眠る情熱を感じとったアンソニーは現実から逃避するように快楽的な関係に溺れ、フィリッパもそれまで知らなかった悦びを覚えていく。永遠に続くかに思われためくるめく関係。だがある日アンソニーはフィリッパを愛していることに気づきー