小説むすび | 2016年3月発売

2016年3月発売

憐憫の孤独憐憫の孤独

出版社

彩流社

発売日

2016年3月7日 発売

ジャンル

『憐憫の孤独』は二十の中・短編で構成されている。物語もあればエッセイもある。 初期「牧神三部作」(『丘』『ボミューニュの男』『二番草』)のあとに書かれた作品で、ジオノ文学の重要な要素が見事に凝縮された内容豊かな傑作である。 これ以降に出版される多種多様な作品群を予告するような物語が多く含まれており、 ジオノ文学の扇の要にたとえられるような作品だといえよう。 (1)憐憫の孤独[放浪者の物語] (2)牧神の前奏曲[鳩をひとりの男が助ける物語] (3)畑[妻の心が自分から別の男に移って しまったので、家を出て見知らぬ土地で畑を開墾して 暮らしている男の物語] (4)イヴァン・イヴァノヴィチ・コシアコフ [第一次大戦中、ジオノとロシア人が見張役を 務めることになり、言葉が通じないにも関わらず 心が通い合うようになる物語] (5)手[盲人がすべてを手で確かめる物語] (6)アネットあるいは家族のもめごと [孤児が21歳になり孤児院から出て働きはじめ、 おばさんが雇い主を表敬訪問する] (7)道端 [メキシコに行ったことがある男の妄想を聞く] (8)ジョフロワ・ドゥ・ラ・モッサン [買取った果樹園の木を抜こうとしたところ、 売った男が情熱の注がれた桃の木を引き抜くなら 殺すぞと脅し、注意されると男は自殺する といって騒動を引き起こす] (9)フィレモン[豚の屠殺を生業とする男が、 娘の結婚式の間際に豚を殺さざるをえなくなり、 殺し処理する物語] (10)ジョズレ [太陽を食べるという妄想を語る男の物語] (11)シルヴィ[男に捨てられ田舎に帰ってきた シルヴィは男への未練を捨てられない。シルヴィを 素朴な青年が見守る物語] (12)バボー[自殺した青年の様子を女が語る物語] (13)羊[樹木の気持になりきることができる男が、 樹木や風景などについて語る物語] (14)伐採人たちの故郷[農場にはどこでも糸杉が 植えられているが、糸杉が音楽を奏でるという物語] (15)大きな垣根[襲われた野ウサギからカラスを 追い払ったが、野ウサギは怖がっているのが分かった。 人間と動物のあいだには垣根がある] (16)パリ解体[大都会に未来はないという物語] (17)磁気[自然のなかに放り出されても 生きていける男とはどういう人間なのかを考える] (18)大地の恐怖[生きていることが不安なため さまよい歩く男] (19)漂流する筏[山の中には無人島のような 暮らしをしている住人がいる。そこでは非人間的なこと が時として行われている] (20)世界の歌[世界の歌が聞こえてくる作品を 書きたい。その必要があるという主張]

あたしの一生あたしの一生

猫のダルシーの視点で描く感動的な愛の物語 「あのひとへの、あたしの愛。それから、あたしへの、あのひとの愛。あたしは、あたしたちが一緒に暮らした日々の思い出を、あのひとの胸のなかにちゃんと蒔いておいた。あたしがいなくなったあともその思い出があのひとを、なぐさめてくれるようにね。 けっきょくのところ、もんだいなのは愛ということ……。」(本文より) 「あたし」と「あたしの人間」の、出会いから「あたし」の死までの17年にわたる濃密な時間を、あくまで猫の視点でーーけっして擬人化することなくーー描いた稀有な物語。原著の素晴らしいイラストレーションも完全収録。江國香織のしなやかな日本語で送る猫本の傑作、待望の文庫化! 以下のような「訳者あとがき」がこの本の魅力を語りつくしている。 「こんなにストレートな愛の物語を読んだのはひさしぶりでした。ストレートで、強く、正確で、濃密な、愛の物語。/もし誰かをほんとうに愛する気なら、ダルシーのように生きる以外にないのではないか……」

福を届けよ福を届けよ

出版社

小学館

発売日

2016年3月8日 発売

逞しく成長していく若き幕末商人の熱き物語 長年仕えた店主に気に入られ、勘七は養子になって日本橋の紙問屋永岡屋の主となった。その頃、小諸藩から藩札を納めるという依頼が舞い込んでくる。大仕事に沸き立つ永岡屋だったが、藩には跡継ぎを巡って二分する内紛があった。ある日、店は襲われ藩札は奪われてしまい、父親の善五郎はその時のけががもとで、亡くなってしまう。小諸藩からはわずかばかりの金が払われただけで、2千両もの借金を背負ってしまった。 桜田門外の変で殺された親友の直次郎の墓に詣でた勘七は、紙の手配で話を交わしていた弘前藩のご祐筆・松嶋に会う。直次郎は、松嶋の従弟だった。松嶋は、本名のお京となって実家の日本橋松嶋屋に戻ってきていた。仕事の話をするうちに、二人は心を通わすようになる。 官軍との戦争が始まると噂される江戸は、景気と治安が悪くなる一方だった。勘七は、新三郎や紀之介、勝麟太郎、浜口儀兵衛といった人々との交流を通じて、商いを学んでいく。巨額の借金をどう返済していくのか。 そして、お京との仲は。 友情あり、恋あり、涙あり。熱い思いに満ちた、幕末青春ビジネス小説。 『旅立ち寿ぎ申し候』で刊行された単行本の書名を変更しました。

付添い屋・六平太 鳳凰の巻 強つく女付添い屋・六平太 鳳凰の巻 強つく女

出版社

小学館

発売日

2016年3月8日 発売

この時代小説がすごい!2016年版第4位 第一話 残り雁 六平太は、夕闇のなか三人の侍に襲われている男を行きがかり上、助けた。狙われた男は、大身の旗本、戸田左近家中の高山金之丞。高山は、女郎と心中した戸田左近の身代わりにされ、死んだことにされていた。 第二話 毒空月 大名家、旗本、大店に出入りする乗り物医師・志村了斎の付添いを請け負った六平太。了斎は溜まった薬代の片に商家の娘をを妾にしているという。そんな阿漕で意地の悪い了斎の乗り物が、子供達に襲われた。 第三話 強つく女 六平太は、小間物問屋「沢野屋」の女主、お寅の付添いを番頭の与左衛門から頼まれる。お寅の物に対する審美眼は確かなのだが、腕の落ちた職人に対して容赦がないため、ほうぼうで恨みを買っているというのだ。 第四話 長屋の怪 同じ長屋住まいの噺家・三治の顔色が良くない。訳を聞くと、神楽坂の料理屋で、偶然押し込みの密談を耳にしてしまい、以降誰かに付け狙われているという。折しも江戸では、荒っぽい押し込みが頻発していた。 【編集担当からのおすすめ情報】 ドラマ時代劇の英雄 北大路欣也さん、高橋英樹さん、里見浩太朗さん、 松平健さん、村上弘明さん、中村梅雀さん こぞって絶賛!(コメント到着順) 書き下ろし時代小説界最後にして最強の新人! 最新刊第七弾のオビコメントは、西郷輝彦さん。

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