2016年5月発売
ティファニーは18歳のとき、パーティで襲われた。ジョセフはそのときに身ごもった子だが、相手は既に故人で、彼女はインテリアの会社で働きながら愛息子を育てている。あるとき、シーク・ハッサンと名乗る砂漠の国の首長から、かの国での一大プロジェクトの契約が舞い込んだ。ティファニーは歓喜するが、実はハッサンが息子の亡き父親の弟で、兄の血を引く子を取り上げようとして彼女に近づいたことがわかる。きっぱりと断った彼女を、ハッサンはなんと息子もろとも拉致した!子どもが目的のハッサンにとって母親は邪魔なはずだが、彼はティファニーを熱く見つめると、「私を悦ばせろ」と迫った。
「三身一体の剣か!」-居候をしている安田屋への帰途、三人の刺客に囲まれ、窮地に陥った橘円十郎だったが…。黒岩藩の国許で城代家老を暗殺した浦沢一刀流の郷士たちが、続いて江戸家老を亡き者にすべく出府。それを阻止しようと先手組頭の金重が、かつて共に闘った円十郎に助力を頼んできた。円十郎は、牢人仲間である馬淵と宇佐見に声をかけ、共にその依頼を受けることにしたのだが。文庫書き下ろし。
ノースカロライナに住む画家のサーシャは、数か月前から見知らぬ5人の仲間と、月の女神がつくった三つの星を探す夢を見続けていた。その夢の場所がコルフ島とわかると、彼女は旅立ちを決意。島では、サーシャにひきつけられるかのように、夢に出てきた男女と出会い、彼らもまたそれぞれに秘密の出自と力を持った、星の守り人であることが判明する。さっそく6人は星探しを開始したのだが、その前に邪悪の神ネレイザが闇の力を駆使して立ちはだかり、新たな戦いが始まる。“星のアベンジャーズ”よ、闇の神から幸運の星を守りきれ!新シリーズ三部作、スタート!
1888年8月31日、ロンドンのホワイトチャペル地区イーストエンド。弦月の夜、男は誘い込んだ娼婦の喉を切り裂き、腹をえぐり、内臓を引き出した。事件の発生を聞きつけた夕刊紙“スター”の記者ジェブは、早速現地に向かい惨死体を目の当たりにして、他社に先んじてスクープをとる。その後も凄惨な凶行を次々と重ねてゆく恐るべき殺人鬼。ジェブは、とあるパーティで知り合った音声学の碩学デア教授に推理面での協力を得ながら、犯人の正体を暴きだすべく、事件の調査にのめりこんでゆく…
ジャック・ザ・リッパーは、私のところにいきなり入り込んできて、自分について書くよう強要してきた。彼は一年のあいだ私を人質にとった。書き上げて出て行ってもらわなかったら、奴は私の首を掻き切っていただろう。 ーースティーヴン・ハンター 四人の犠牲者が出るにおよび、連続娼婦殺人犯はジャック・ザ・リッパーの名で 日夜ロンドンの新聞で報じられることになった。 ジェブはデア教授のプロファイリングによって浮かび上がった犯人像をもとに、 容疑者を絞りこみ調査を続行するが、やがて事件は思いもかけない展開を見せて…… 殺人鬼の日記と記者の回想録を交互に並べる魅力的な構成。 膨大な文献調査と資料批判に基づく緻密な時代考証。 現実に知られる証拠の斬新かつあっと驚く新解釈。 歴史的事象と物語的虚構のはざまでたゆといながら、 やがてハンターが提示する衝撃の犯人像とは? 巨匠が満を持して挑んだヴィクトリアン・ミステリーの最高峰、ここに登場。 (解説・三橋曉)
ニューヨークで商業デザイナーとして活躍するシャノンは、死の床にある母から衝撃の事実を告げられたー彼女の本当の父親は妻子あるアイルランド人だったと。混乱した気持ちのまま母の葬儀を終えたシャノンのもとに、ブリアンナというアイルランドの“姉妹”から、家に招待したいという手紙が届く。休暇を取って訪れた異国は故郷のように彼女を迎えてくれた。またマーフィーという若き農場主との出会いが、シャノンの人生を変えることに…。運命に導かれた三姉妹の物語、感動の完結編!初期代表作を、10年ぶりに改訳復刊!ノーラ・ロバーツ・ベスト・セレクション。
剣と魔法の世界に迷い込んだFPSプレイヤー・シュバルツ。空の王と呼ばれる上位格モンスターを撃退した彼は、冒険者として名を上げた。FPSの経験を活かした大活躍を買われ、彼は突如出現した巨大迷宮へ派遣される。高ランクの女性冒険者と共に探索を進めるうち、この迷宮の“違和感”に気づき始めてー。次々謎が増えていく迷宮で、シャバルツは自分が異世界に落ちた理由を知ることに…!?
公爵令嬢キャロル。本日、王子から婚約破棄されました。あらまぁなんて…幸運なんでしょう!これで、ずっとお慕いしている“あの方”に心置きなくアタックできますわ!今度こそ真実の愛に生きるのです。そう決意した私が狙うは、白いおひげが素敵な騎士団長・ヴィルヘルム様(62)。「どうかキャロルを、お嫁にしてくださいませ」年齢も身分も関係ありません。恋愛初心者の堅物騎士団長を、攻めて攻めて、攻め落とします!
あの夏、真賀田研究所でプログラマとして働いていた島田文子は、いくつかの職を経て、香港を拠点とする会社に籍を置いていた。人工知能に関するエキシビションの初日、島田は遠田長通という男に以前、愛知で起きた飛行機事故に関する質問をされる。トラムという動く密室で起きる殺人。その背後に感じられる陰謀。静かだった島田の生活が、その日を機に大きく動き始める。Gシリーズの転換点。後期三部作開幕!
全米を感動で包んだ、大戦下の姉妹の物語! 戦争は内気な姉を勇者に変え、わがままな妹を聖女に変えた。 アメリカ版読書メーター「Goodreads」、2015年ヒストリカル・ノベル第1位! 本文庫発売時におけるアメリカAmazonレビュー数21,500超、★4.8!! 感動のスーパー・ベストセラーが遂に登場します。 第一次大戦に従軍し、心に傷を負った父親は、妻の死後、二人の娘に背を向けた。 姉のヴィアンヌは慰めを求めて十六歳で妊娠、翌年結婚するが流産してしまう。 妹のイザベルは姉にも見捨てられ、寄宿学校に入れられるが、成長とともに反抗的になり学校を転々とする。 やがて第二次大戦が始まり、フランスはドイツに屈服する。ヴィアンヌの住む町にもドイツ軍が侵攻、出征した夫を待つヴィアンヌは、ドイツ軍大尉との同居を強いられる。 一方、寄宿学校を退学させられたイザベルは姉のもとに身を寄せるが、途上ドイツ軍の暴虐を目の当たりにし、怒りに震え、パリのレジスタンス組織を目指す。 娘の命を守るため、屈辱的な仕打ちに耐え続けるヴィアンヌ。イザベルはパリで、暗号名〈ナイチンゲール〉として、連合軍航空兵を国外へ逃亡させる秘密活動を開始する。
全米を感動で包んだ、大戦下の姉妹の物語! 彼らがなにをしようと、わたしの心には触れられないーー。 アメリカ版読書メーター「Goodreads」、2015年ヒストリカル・ノベル第1位! 本文庫発売時におけるアメリカAmazonレビュー数21,500超、★4.8!! 十月、イザベルは航空兵たちを引き連れ、最初のピレネー山脈越えを敢行する。悪天に見舞われた山路は、困難を極めた。 同じころ、ナチスのユダヤ人狩りがヴィアンヌの親友を襲う。ヴィアンヌは親友母子を自由地域へ脱出させようとするが、検問所で母子は銃撃に遭う。長女を失った親友は幼子をヴィアンヌに託し、強制収容所に送られる。 スペインからパリへ戻る途中、イザベルはヴィアンヌの町を通りがかる。そのとき、ある事件がきっかけで二人はドイツ軍大尉を殺してしまう。大尉を探索していた親衛隊少佐が、ヴィアンヌの家に入り込む。親友に託された子との同居を許してもらうため、ヴィアンヌは少佐に体をさし出す。 そしてイザベルも遂に逮捕されるが、彼女を救うため命を投げ出したのは、かつて姉妹を見捨てた父親だったーー。 戦争が与える試練を懸命に生き抜く姉妹の姿は圧倒的だ。感動のラストを迎える下巻!
世界が終わるなら、誰に想いを伝えますか? いまさらながらに、みんなようやく気付いたのかもしれないーーもとより、ぼくらに残された時間なんてそんなになかったってことに。 突然、世界は鉛色の厚い雲に覆われた。 雲間から差す青い光が注がれた町は、ひとも獣も、鳥も木も、土も水も、すべてが動きを止めてしまう。誰にも理由はわからない。あっという間に世界は冷えて、どこもかしこもが冬のようになった。 そして凍った町は少しずつ成長していた。 「ぼく」は「彼女」に会いに行くと約束した。最後に電話で話したとき、彼女はとてもおびえていた。 「もう、町には誰もいないの。」ぼくは、ならば「ぼくがそこに行くよ。そうすればもう怖くないよね?」と言った。 これを最後に電話はまったく通じなくなった。むしろこのとき繋がったことのほうが奇跡に近かったのかもしれない。 彼女の住む町まで直線距離で500キロ。 青い光を逃れ、ぼくは彼女に会うことができるだろうか。 彼女はそれまで、青い光に染まらずにいられるだろうか。 『いま、会いにゆきます』『恋愛寫眞 もうひとつの物語』『そのときは彼によろしく』と、累計250万部を超えるベストセラーを連発した著者による、3.11以降究極のラブストーリー。 恋人、家族、友人など、たくさんの愛が描かれた最高の愛の物語です。 【編集担当からのおすすめ情報】 市川拓司さんご本人による本書紹介動画や、ご本人直筆の、本書シーンのイラストギャラリーが掲載された特別サイトが開設されています。小説をお読みいただくと同時に、小説世界のイメージもぜひお楽しみください。 http://www.shogakukan.co.jp/pr/takuji-gallery
東武浅草駅のコインロッカーから、位牌の入った木箱が発見された。位牌には名前と十日先の日付が入っており、箱の底には特急スペーシアの写真もあった。予告殺人を警戒した十津川警部と亀井だったが、その期日に特急「きぬ135号」の車内で男の死体が発見された。男は位牌に名前のある梅原誠だった。そして、今度は上野駅で位牌が見つかる。さらなる警戒も空しく、位牌に記載された坂西洋一郎が予告通りにカシオペア車内で殺害されてしまった。捜査は難航したが、十津川のひらめきにより容疑者が浮上。犯人の狙いは!?次の標的を防ぐことができるのか。
脚本家を夢見るOLのドラマな日常を描いたお仕事小説。丸の内総研に勤める仁藤茉由子の仕事はデータ入力。かわり映えのしない退屈な毎日を送るなかでシナリオコンクール入賞の朗報が届く。「これで脚本家に!」と期待に胸躍らせる茉由子だったが、待っていたのは厳しい現実…。原稿料の出ない仕事、プロデューサーのセクハラ…。それでも「いつか君が脚本を書いて僕が主演する」-新人俳優、秋月愁の言葉を胸に脚本家デビューを目指す茉由子。迷い傷ついた先に見つけた本当に書きたいドラマとは。巻末に、人気脚本家後藤法子さんとのスペシャル対談を掲載。
絵に描いたような文学少年であった高校時代、谷崎潤一郎は最も好きだった作家の一人で、全集の七割は読破していた。今回、主だった作品を一気に再読して、実生活で起こした「細君譲渡事件」がどれほどこの人の作品世界に深い影を投げかけているかを再認識した。『蓼喰ふ蟲』をはじめとする一連の作品の現代性にあらためて驚嘆しつつ、その「陰翳」を及ばずながら現代社会にトレースするつもりで書き上げたのが本作である。
家督を妹の婿に譲り、讃岐藩を出て、江戸・神田の長屋に住む平賀源内。 探求心旺盛で幅広い知識を使い、数々の発明をするだけでなく、歌舞伎などの台本なども手掛ける彼の元には、いろんな難事件が持ち込まれて……。
大挙襲来した刺客から将軍家綱を救った織江緋之介のもとに新たな危機が迫る。家綱失墜を企てる堀田正俊の命で、大奥別式女衆の武芸達者が緋之介暗殺に動いたのだ。かつてない強敵と対峙する緋之介。そこにさらなる難局が。妖刀村正をめぐる幕府領袖の熾烈な争奪戦に許婚の真弓が巻き込まれた。徳川家に祟る村正に隠された神君家康の驚愕の秘密とは。緋之介は愛する者を、幕府を護れるか。
チャイナホワイトとは中国を経由し香港からアメリカへ持ち込まれるヘロインのことだ。一九九七年、世界最大の薬物ターミナル香港には、各国の犯罪組織が盤踞していた。ロシアマフィア、蛇頭、日本の広域暴力団、そして麻薬ビジネスを新たに牛耳ろうとする謎の男“ホワイトタイガー”。台湾ルートを追っていた麻薬取締官三崎は何者かに襲われ拉致される。大沢在昌の最高峰ハードボイルド巨篇!