小説むすび | 2016年6月28日発売

2016年6月28日発売

夏の方舟夏の方舟

出版社

KADOKAWA

発売日

2016年6月28日 発売

「わかりませんか。僕ですよ。久しぶりですね先輩」 かつてのクラスメートの男子は、ある夏、妖艶な女となって、突然、島に帰ってきた。 男たちに苦悩を呼び起こし、欲望にもだえさせるために。 瀬戸内海のある島に一人暮らしをしている水無月陸は、地域振興の一環として島巡りのガイドシステムを開発している。あるとき、港から続く道で、女性と見まがう男と出会う。彼の名は黒坂聖(せい)。かつてのクラスメートだった……その瞬間から陸の中に、苦い過去の記憶がよみがえり、淫靡な欲望が芽生え始める。(「水のかげふみ」)。 同僚と訪れた秘密クラブでは、毎週金曜日に過激なSMショーが繰り広げられていた。男はその異常な空間の中で、ある女に似た美しい男「S」にのめり込んでいく……(「サロメは金曜日」)ほか、一人の美しい男を巡る、淫靡で狂おしい葛藤劇。奇才・海猫沢めろんが描く、限りなく透明でj純粋な欲望の行く着く先。そこは楽園か、絶望か…・・。 第一話 「夏の方舟」   第一章 水の影踏み  第二章 夏の刺青 第二話 「サロメのいない金曜日」 第三話 「こどもたちの素数」

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