2016年6月7日発売
クズカードを使いこなし、大会で見事優勝したにもかかわらず、その日の帰り道、転生と雷の女神ミエリの導きにより異世界で魔王を倒す旅へといざなわれてしまったマサムネ。様々な能力をカードにして使うことができる特殊スキルで見事七羅将ギルドラドンを倒したマサムネは、街のヒーローとしてモテモテ状態に!しかし、幸せな気持ちも束の間、ある者の手によってマサムネは監禁されてしまうー。ナルとキキレア、2人の美少女から目が離せない第2巻!!
キャリア・コンサルティング技能士の資格をもつ青年、トシキが転生した先は悪辣非道な商人・マルクが仕切る“奴隷売買所”であった。無賃労働、体罰。過酷な仕打ちを受けながらもトシキは、 もう一度人生をやり直せるという事実に気付き、決意する。「どうせ生まれ変わったんだ。俺はこの世界で立身出世を果たしてみせる……!」チート鑑定スキルを武器に奴隷の夢をコンサルティングする異端の商人、ここに誕生ーー!!
198X年、クトゥルーの侵略によって壊滅してしまった地球=人類文明。その年より1年の月日が流れた。営々と築きあげた人類文明は一朝の内に灰に帰り、回復不能な被害を受け、もはや、人類による地球支配の歴史は終わったかに見えた。だが、太平洋上の潜水空母アーク号には加賀四郎率いる「地球軍」が、豪州には「人類戦線」が、そして月面にはWWSAが、人類最後の砦として残っていたのだ…。大河小説の第12弾。そして、第二部「地球聖戦編」堂々の開幕。
妻子ある画家・渋太吉は、伊豆の海村で蜃気楼のように現れた若き女性・安見子との道ならぬ恋に溺れていく。渋はかつて一緒に死ぬ約束をした女性を裏切り、妻とは離婚寸前の状況にあった。やがて、安見子は親友の妻であることが判明するが、彼女への思慕は変わらず、肉体関係を続けていくのだったが…。福永武彦が、退廃と絶望の中の愛の運命を描いた佳作の復刊に、著者の長男である池澤夏樹氏による解説も併せて収録。
昭和33年に月刊誌「平凡」に連載されたが、単行本化されずに埋もれていた『遠い旅』は、青春を彷徨する若者たちの人生模様が描かれた群像小説。『川のある下町の話』は、恵まれぬ大衆の生活の重みと苦しみが渦巻く庶民の町で、これまた必死に生きる若者たちの青春群像を綴った昭和28年の作品である。今、時を超えて、川端青春小説の佳作2篇が奇跡のカップリングとして甦る!
抱きしめたいほど切なくかわいい友情物語! 2016年ベルリン国際映画祭で「映画化したい一冊」に選ばれた、抱きしめたいほどかわいくて切ない友情物語! AI(人工知能)の開発が進み、家事や仕事に従事するアンドロイドが日々モデルチェンジする、近未来のイギリス南部の村。法廷弁護士としてバリバリ働く妻エイミーとは対照的に、仕事も家事もせず親から譲り受けた家で漫然と過ごす34歳のベン。エイミーはそんな夫に苛立ち、夫婦はもはや崩壊寸前。 ある朝、ベンは自宅の庭で壊れかけのロボットのタングを見つける。「四角い胴体に四角い頭」という、あまりにもレトロな風体のタング。けれど巷に溢れるアンドロイドにはない「何か」をタングに感じたベンは、彼を直してやるため、作り主を探そうとアメリカに向かう。そこから、中年ダメ男と時代遅れのロボットの珍道中が始まった……。 「とにかくタングがかわいい!」と世界中の読者を虜にしている、抱きしめたいほど切ない物語。 【編集担当からのおすすめ情報】 カバー画は、「よるくま」「ぼく おかあさんのこと…」などで知られる大人気の絵本作家・酒井駒子さんが担当しました。
広告会社を早期退職し、帰郷した俺の元に、市長の秘書をつとめる同級生がやってきた。市長からの密命で、市の財政破綻を救うために、埋蔵金を発掘してほしいという。日給に釣られ、半信半疑で着手することにした俺は、郷土史家を訪ね、小学校の裏山が怪しいという情報を得る。市の職員と二人で発掘をはじめたが、なにせ広大な土地だ。人員を増やし、巫女の力を借りて、なんとか古銭の発掘に成功する。勢いに乗る発掘課は、やがて海軍工廠に眠るお宝の情報にたどりつく。彼らが発掘したお宝とは?笑って泣ける最強エンタテインメント、いきなり文庫で登場!!
西郷隆盛を生涯愛した“島妻”の物語 薩摩藩から奄美大島へ送られてきた西郷隆盛。不遇な身の上の西郷を世話することになった愛加那。お互いの文化の違いから当初は反発し合うが、やがて愛し合うようになり、愛加那は西郷の“島妻”となる。二人の子供にも恵まれるが、愛加那は国のために活躍する人物だと信じて、再び藩から呼び出しを受けた西郷を見送った。そして、島にいるだけの人生を送って欲しくないという思いから、子供たちも鹿児島の西郷の元へと送り出した。 しかし、時代の激動が西郷と子供を襲う。西南戦争で、西郷は首謀者として先頭に立ち、最後は自決。参戦した息子の菊次郎は右足を切断して、愛加那のところへ帰ってきた。そして、鹿児島へ陳情に行った奄美の男たちの多くが戦争に参加して亡くなっていた。一転して、奄美の人から後ろ指をさされることになった愛加那だったが……。 生涯奄美大島を離れず西郷を信じた、愛加那を描いた恋愛歴史小説。 待望の文庫化。 【編集担当からのおすすめ情報】 解説は、作家の西條奈加さんです。
無類に面白い短篇小説選集 1930年代の大不況時代、そして第二次大戦、さらには傷だらけの戦後を背景に、アーウィン・ショーは数多くの短篇小説を書いた。もっとも有名な「サマードレスの女たち」(「夏服を着た女たち」)は「ニューヨーカー」に掲載され〈都会小説〉の名作として日本でも多くの読者を得てきた。しかし、時代順に配列され、まるで長篇小説のように編集された本書を読むとまったく別の像が浮かんでくる。 三十年代のアメリカ人の群像(タクシー運転手、保安官助手、フットボール選手など中産階級以下の民衆)が生き生きと描かれ、第二次大戦下の兵士たちは困憊し、惑乱している。そして戦後ーー最後に収められた「いやな話」はまるで悪化した「サマードレスの女たち」のようだ。 《「時代」の歩みが、この作家の鋭敏なレンズを透過して屈折し、現実の情報よりも遥かに現実的なかたちで、あなたの胸に像を結ぶだろう》 劇的な構成力と、無類に面白い筋の展開を堪能できる傑作短篇集成、待望の文庫化! ●装丁/平野甲賀
話題の犯罪心理サスペンス・ドラマ、小説版 瀟洒な邸宅、愛すべき自分の店。そして結婚6年の裕福な令嬢である優しい妻。絵にかいたような幸せな人生を送る望月幸平。しかし実際は、本音を隠した妻・真理亜の気遣いと束縛に息苦しさを感じ、不倫相手の北里杏南と一緒に妻を毒殺しようと計画していた。その殺害を決行しようとした日、真理亜は何者かに誘拐され姿を消す。犯人から要求されたのは2億円の身代金。しかし店の経営に行き詰っていた幸平自身が犯人ではと疑われ、追いつめられてしまう。やがて真理亜は見つかり、誘拐事件は一見解決したように見えたが……。徐々に浮かび上がってきたのは、幸平のまったく知らない真理亜の恐るべき素顔。そして世間を騒がせた誘拐事件は、ある殺人事件を誘発する。殺人犯は真理亜なのか? 身代金2億円の行方は? 事態は杏南、そして夫婦の周りの人間をも巻き込み、意外な方向へと展開していく。はたしてこの夫婦の行きつく先はどこなのか? テレビドラマとは違うもうひとつのエンディングとは!?
本屋大賞候補の音楽小説三部作、新装文庫化 新生学園大学音楽科の創設者を祖父に持つ津島サトルは、プロのチェリストを目指し、一家の敷いたレールに乗っていたはずだった。しかし芸高に落ち、失意のまま新生学園大学付属高校に入学する。 サトルはそこで一流の音楽を奏でるため奮闘する同級生たちに出会う。フルートを奏でる美少年・伊藤慧とポニーテールの鮎川千佳。そして、見たこともない澄みきった目をしたヴァイオリン奏者、南枝里子。オーケストラの想像以上に過酷な練習は、彼らを戸惑わせる。夏休みのオーケストラ合宿、文化祭、南とピアノの北島先生とのトリオ結成と、一年は慌ただしく過ぎていくが……。 本屋大賞ノミネートの傑作青春音楽小説3部作が、人気漫画家・穂積さんの描き下ろしカバーイラストで新装文庫化!!
衝撃の展開に目が離せない、急展開の第二部 音大附属高校の二年生に進学した津島サトルは、ヴァイオリンの練習に励む南枝里子の姿に触発され、チェロで芸大を目指す決意をする。同級生たちが優秀な新一年生たちに焦りを覚えるなか、サトルは祖父から、ドイツ・ハイデルベルグで二か月間チェロを学んでくるという機会を与えられる。 ショックを隠し切れない南だったが、出発前には「ドイツで楽譜を買ってきて」と笑顔で送り出されたサトル。しかし意気揚々と帰国した彼は、思わぬ事態に巻き込まれていくーー。 若さゆえの自我の暴走が、オペラやオーケストラの名曲と共に切なく描かれる。一気読み必至の第二巻!
青春の苦悩をリアルに描いた大作、完結 高校三年に進学し、同級生たちが進路に悩むなか、津島サトルは音楽家としての自分の才能に見切りをつけようとしていた。その頃、南枝里子は人生をかけた決断を下す。 青春のすべてをかけてきた恋人と音楽とを失い、自暴自棄になったサトルは、思いもしない言葉で大切な人を傷つけてしまう。サトルは、人間の力ではどうにもならないことに向かって泣いた。 自らの人生を背負い、それぞれの想いを楽器に込めて演奏する合奏協奏曲。これが最後の演奏となってしまうのか? そしてそこへ現れたのはーー!? サトルの船は、青春を彩るニーチェの言葉とともに、大海へと漕ぎ出る。 すべてを飲み込み、切なく美しく響く青春音楽小説三部作、最終章。 巻末に、宮下奈都さんによる解説を収録。
きっとあなたに似た主婦がいる、8つの物語 《わたしにとっては、主婦とは雄々しい人たちです。たった一人で、家族のために自分の全てを差し出している善意の人です》《逆襲したわけは、そうでもしないと誰も、主婦の話なんて聞いてくれないからです。うっかり「どうしたの」と言ったら、面倒なことを振られるとでも思うのでしょうか。そうではないのに。ただ知って欲しい。それだけのことです。》(著者) 子どもは言うことを聞かず、夫は理解してくれず、姑は口出ししてくるし、ママ友との関係には気疲れするし、会社では上司に「もっと真剣に働け」と言われ……それでも悲しみも苦しみも胸に隠して、今日も家族のために奮闘する「奥さま」たち。日本最大のサイエント・マジョリティーである彼女たちの胸の内を、リアルに綴った短編集がいよいよ文庫になります。 主婦なら誰でも身に覚えのある描写が満載、そして読み終える頃には明日を生きる勇気をもらえる、8つの共感ストーリー。
二十三歳の松尾勇は、デパート業界の新聞や雑誌を発行している小さな会社の新米編集者。会社創業以来の人事異動によって配属された編集部で、『店舗経営月報』という、三十二頁、発行部数八百部という地味な雑誌を作っている。勤め始めて約一年、会社が新橋から銀座のビルへと引っ越した直後、松尾に大きな転機が訪れる。前任者の突然の退社により、なんといきなり編集長になってしまったのだ!といっても部員は自分ひとりだけ。経験もなければ部下もいない松尾の悪戦苦闘の日々が始まった。椎名誠初めての新聞連載小説として話題を集めた傑作長編がついに復刊。
世界中で愛読される『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』をテーマに、人気ミステリー作家・有栖川有栖、宮部みゆき、篠田真由美、柄刀一、山口雅也、北原尚彦が紡ぐ6つの物語。事件から事件へ、現実と異世界を自在に行き来する、ユーモアと不思議が溢れるアリスの世界へようこそ。
神宮外苑に放置された盗難車両から、青年の変死体が…その婚約者が大量の血痕を残し謎の失踪…連続殺人?の容疑者には大阪駅にいたという鉄壁のアリバイが…。新聞記者が謎の真相を追う…。乱歩も見出した“日本探偵小説”の父、幻の最高傑作待望の初文庫化。テンポのいい文体はまったく古びていない!
楽しいって、なんだろう?世界からヒトが消えた世界のカフェで、模造亀のカメリは思う。朝と夕方、仕事の行き帰りにカフェを訪れる客、ヒトデナシたちに喜んでほしいから、今日もカメリは石頭のマスターとヌートリアンのアンと共にカフェで働き、ささやかな奇跡を起こす。心温まるすこし不思議な物語。
究極の言語表現を可能にするインプラントTAPを使用していた詩人が、謎の死を遂げた。捜査を依頼された私立探偵が見た真相とは…表題作「TAP」他、奇妙な体外離脱体験を描いた「視覚」、著者の世界観が打ち出された名作「銀炎」など全10編。変わりゆく世界、ほろ苦い新現実。世界最高と名高いSF作家イーガン傑作選。
天才作家エドウィン・マルハウスは、傑作『まんが』を遺して11歳で夭折した。誕生から彼を見つめつづけた親友ジェフリーは、その評伝を残して姿を消す。捨てられた遊園地、マンガ、アニメ映画、ローズへの恋…。ダークで濃密なコドモの世界を、幾重もの仕掛けとともに描いた傑作長篇。