2016年9月発売
地球防衛軍が目指すは魔の都・破里…。見る影もなく破壊され尽くした神州日本で、強力なダーク・パワーさえもが侵略できなかった魔界・不二の宮から、安西雄介、伊吹風太ら7名の勇士たちがついに反撃を開始した。敵の首魁クトゥルーの手から、一刻も早く、異次元の虜囚となった、みづちの若長・北斗多一郎を救出しなければならない。最後の力をふりしぼって闘いに挑む彼らを待ちうけているものは…。大河小説の第15弾。第二部「地球聖戦編」の第4作目。
時間商・志賀の素行調査を依頼された私立探偵・佐久は、直ちに志賀の尾行調査を開始した。だが、その翌日、志賀の妻の絞殺死体が発見される。次いで調査依頼者から契約の打ち切り通告が来る。謎にいどむ探偵・佐久は、ついに事件の核心に辿り着くのだが…。私立探偵・佐久と久里十八のコンビを主人公とした作品は、本作のほか『死の報酬』等。日本ハードボイルド界の先駆者である結城昌治が、当時としては珍しいコメディ仕立てで構成した野心作である。
『上海の螢』は、著者が32歳で中日文化協会の文官として滞在した約2年間に及ぶ、敗戦前後の上海での体験を克明に記録した貴重な史料でもあり、一編を遺して未完のままとなった遺作。1947年発表の『審判』は、『上海の螢』より古く、一兵卒として中国参戦した自身の戦場での体験告白でもあり、誰にも裁かれない自分の犯した戦争犯罪を自身の手で裁くために描かれた問題作。第一次戦後派作家の“巨人”武田泰淳と上海という場所の因縁深い二作を同時収録。
六年ぶりに連絡をとった真生子は、ニューヨークでの生活を引き払い帰国したばかりだった。中南米を舞台に写真を撮り続けてきた彼女だったが、東日本大震災が起きると、旧交を暖める間も無く現地に飛んだ。九か月にわたる取材成果を披露する会場に現れた彼女はすっかり痩せて、人生の重大な局面に立たされていることを感じさせるのだった。真生子とは、いまから四十年以上も前、高校生の時に出会った。当時学生運動の波は高校にまで押し寄せてきており、彼女は市内の女子高に通う一学年上の活動家だった。そして、十五歳のぼくは、彼女に淡い恋心を抱いていた。
女はいくつまで女でいられるのか、いくつからが中年なのか。やり残したことを探し始めた時?できなくなったことを嘆く時?主婦になり不妊治療をあきらめてカフェのパートに励む千乃、バツイチとなっても義母と同居し二児を託して証券会社に勤務する泉、起業家と結婚し専業主婦として二児を育てる真子、大学時代の友人だった彼女たちがフェイスブックをきっかけに四十七歳の夏に再会した。更年期や子供との関係に悩む一方で、新たな恋や先の見えない恋に陥りながら、女としての残りの人生を考える姿を描く。
林真理子、衝撃の『源氏物語』新解釈! 帝の子として生を受けた主人公、光は、生まれたときから”みたこともない美しい若君”と呼ばれ、宮中の女性たちの脂粉に囲まれて成長する。幼くして母と死に別れた後、臣籍に降下され源氏の性を与えられた光。やがて左大臣の娘、葵の上と結婚するが、その頃から様々な身分の、様々なタイプの女性たちとの関係に明け暮れる。そしてついには、母に生き写しといわれる、父=帝の妻、藤壺とも関係を持つに至った光。その藤壺が産んだ子は・・・幼い頃の光に、うりふたつであった。 平安時代中期の京都を舞台に描かれた、紫式部による、世界最古にして最高の恋愛大長編小説を、恋愛小説の神様=林真理子が再構築し、現代的アレンジを加えることによって誕生した”小説版源氏物語”の前編。原書での第一帖「桐壺」から第十三帖「明石」までを中心に構成。 これまで、日本文学史上の数多の文豪が手がけてきた”源氏物語の訳”ではなく、大胆な章立ての変更。さらには、本来登場人物のひとりにすぎなかった六条御息所の”ひとり語り”という革新的手法を用いることによって、世界的古典文学の名作が、現代人にとってリアルに楽しめる、光源氏を巡る性愛の一大活劇となった! 【編集担当からのおすすめ情報】 1,この上下巻同時発売に合わせて、林真理子さんの小学館文庫3作品『コスメティック』『anego』『秋の森の奇跡』と一緒に、『林真理子文庫フェア』を書店にて開催予定。すべてに林真理子さんの顔写真の入った特別文庫オビが入ります。 2,この上下巻同時発売に合わせて、9月1日発売の『Domani』『和樂』、9月7日発売の『Precious』にて、林真理子さんインタビュー+林真理子文庫フェア告知記事(4ページ〜8ページ)を掲載します。 桐壺の更衣 6 空蝉の君 25 夕顔の君 84 若紫の君 122 末摘花の君 179 源典侍 217 葵の上 237 藤壺の宮 277 出京 297 須磨 335 明石の君 354 主要登場人物紹介&人物相関図 394
『源氏物語』から・・・不倫と性愛の千年史 光源氏の子供を出産し、出家をした、父=前帝の妻、藤壺。そのことで罪の意識にさいなまれながらも、新たな女性たちとの関係をさらに広げる、主人公、光源氏。自らの罪の重さに、都を離れ須磨へと旅立つが、そこでもまた、新たな女性との関係を持っていく。後編にあたる本書では、光源氏が須磨から再び都に戻った後、亡くなるまでの壮年期、熟年期の恋愛、性愛を、丹念な心理描写、情景描写で描いていく。 最大の盛り上がりは、原書の第三十五帖「柏木」にあたるところ。光源氏と妻、女三の宮との間に生まれた子が、実は自らの子ではなく、不義の子であることを光源氏が知る場面。かつて自らが犯した罪と同じような状況で、自らに降りかかる因果。そのときの光源氏の心の内を、恋愛小説の名手、林真理子はどのように描いていくのか。 不倫あり、同性愛あり、ロリコンあり、熟女愛あり・・・現代にも通ずる、あらゆる性愛の類型が登場する、世界にも希なる恋愛大河小説。その結末や如何に! 誰もが学校の授業で習った、あの『源氏物語』が、実はここまで過激で、こんなに面白かったなんて! 【編集担当からのおすすめ情報】 1,この上下巻同時発売に合わせて、林真理子さんの小学館文庫3作品『コスメティック』『anego』『秋の森の奇跡』と一緒に、『林真理子文庫フェア』を書店にて開催予定。すべてに林真理子さんの顔写真の入った特製文庫オビが入ります。 2,この上下巻同時発売に合わせて、9月1日発売の『Domani』『和樂』、9月7日発売の『Precious』にて、林真理子さんインタビュー+林真理子文庫フェア告知記事(4ページ〜8ページ)を掲載します。 六条御息所 6 告白 86 朝顔の宮 102 六条邸 121 玉鬘 160 夕顔の娘 200 女三の宮 257 柏木 313 宿命 351 落日 429 終焉 467 文庫版あとがき 487 主要登場人物紹介&人物相関図 492
戦国大名のはざまに生きる遠江の国人領主の一人娘に生まれ、幼くして許婚との別離に遭遇。出家を決断するが、その後も一族の男系を次々と失うと、男の名に改めて城主の道を選ぶ。お家存亡のなか、許婚の遺児を育て、乱世の覇者と見た徳川家康のもとに出仕を果たす。井伊家を再興し、大大名に押し上げた女城主の波瀾の生涯を描く歴史小説。
正木典膳は法学部教授。神経を病んだ妻をもつ彼は、やがて家政婦と関係を持つ。しかし妻の死後、彼は知人の令嬢と婚約し、家政婦から婚約不履行で告訴される。三九歳で早逝した天才作家のデビュー作となった第一回文藝賞受賞作。戦後文学の金字塔!
全日本マーチングコンテストに向けて、過酷な特訓を重ねる立華高校吹奏楽部の部員たち。1年生ながらAメンバーに選ばれた梓も日々練習に励むが、梓に相談もなくカラーガードを志望したあみかとのあいだにはしこりを残したままだった。梓の胸に蘇る、中学時代のトラウマ。そんななか、マーチングコンテストを目の前にして思わぬアクシデントが起こり…。アニメ化話題作に新シリーズ登場!
捜査二課特殊知能犯罪係主任を拝命した郷間彩香。しかし、新設されたばかりの郷間班は、課をあげて追いかけている大手商社・亜秀商事の贈収賄事件を担当させてもらえない。「事件に大きいも小さいもない」と息巻く彩香は、亜秀商事の役員・峯の約十万円の横領容疑を追いはじめるが、峯と関係していた新田という男が不審死を遂げていたことから、大型贈収賄事件の端縮をつかんでいくー。
幕府の密偵をかわして伊達家を出奔した真田幸村の末裔・真田信広。清四郎を名乗り、江戸で刀剣屋を開いて半年後のこと。清四郎は伊達家家老から一本の刀を預かってほしいと頼みこまれる。その刀は藩祖・伊達政宗が将軍家より拝領した家宝「大倶利伽羅広光」だった。御三卿筆頭の田安宗武が譲渡を迫っているという。宗武は伊達家の弱みを握っているらしい…。好評シリーズ第2弾。書き下ろし!
『このミステリーがすごい!』大賞作家が贈る、様々な舞台設定、シチュエーションと、謎解きあり、ユーモアあり、涙あり、サスペンスあり、ホラーありのバラエティに富んだショート・ミステリー集。『10分間ミステリー』『もっとすごい!10分間ミステリー』から作家自身が選んだ傑作と、15名の気鋭の作家が書き下ろした新作、全50作品を収録。手軽にじっくりと楽しめる、豪華な一冊です。
明暦三年(一六五七)、材木商の河村屋七兵衛(後の瑞賢)は、徳川四代将軍家綱の後見役である保科正之から日本列島の海運航路開発を命じられた。食糧不足に悩む巨大都市・江戸に、奥羽の物産を届ける新たな物流拠点を構築するためである。さらに大坂・淀川治水工事や越後高田藩の銀山開発など、知恵と並はずれた胆力で何度も危地をくぐり抜け、七兵衛は江戸という時代を縁の下から支えるインフラ構築事業に邁進していく…。
真夜中のサラダ工場、最先端のハイテク農場、地産地消を目指す学校給食…「安全安心」を謳う「食」の現場でいま何が起きているのか。利益追求と科学技術への過信の果てに現れる闇を、徹底した取材と一流のサスペンスで描くエンターテインメント超大作。
社会人2年目の小和田君は、仕事が終われば独身寮で缶ビールを飲みながら夜更かしをすることが唯一の趣味。そんな彼の前に狸のお面をかぶった「ぽんぽこ仮面」なる人物が現れて…。宵山で賑やかな京都を舞台に果てしなく長い冒険が始まる。著者による文庫版あとがき付き。
過去の魔界を訪れ、シュテンとユリーカは歴史をねじ曲げてでも故郷を救うことを選択した。友を救い、戦いを終えた二人だったが、突然現れた“ゲート”に休む間もなく飛び込むことになる。現代に帰還した彼らが目にしたのは、なぜか壊滅状態になっている魔王軍で…?一難去って、また一難。魔王軍ナンバー2のユリーカを狙うのは、魔導司書の頂点に立つ“現人神”!?生か死か。絶対に負けられない戦いが始まる!