2016年発売
少女時代に、母が石油王の屋敷で住み込みのメイドに雇われて以来、カタリーナはセクシーでハンサムな御曹司ウィルに夢中。だが、願いがかなってデートをするまでになったのもつかのま、ウィルの残酷な言葉とともに、幸福な時間は終わりを告げた。「きみとのことはすべて間違いだった」ばかな私。大富豪の彼とは身分が違うのに……。それから4年。傷心を抱え働く彼女の前にCEOとなったウィルが現れた。官能的な笑みを向けられた瞬間、忘れたはずの想いはあふれだし、強引にキスされただけで彼にすべてを委ねたくなってしまう。雇い主に恋心を抱く
政略結婚を目前に控え、シェルダーナを訪れたオリヴィアは不安だった。父の決めた未来の花婿がどんな人か、ほとんど知らないのだ。プリンス・ガブリエル・アレッサンドローー礼儀正しく親切な婚約者だけど、私を愛してはくれないわよね。しかし、ガブリエルは気高く麗しい金色の瞳でオリヴィアを見つめると、宮殿の庭へ連れ出し、優しく情熱的なキスをしてきた。この胸の高鳴りが、恋なのかしら。やがてオリヴィアは彼に純潔を捧げ、情熱の甘い波に身を任せる。ところが、突然の腹痛が彼女を襲った。まさか、過去の病気が再発したの?どうしよう。世
ローラがトムと出会ったのは、ロンドンの雑踏に立つ、古ぼけた骨董品店の前だった。ウインドーの中の、銀の小箱に見とれていた彼女に、トムが声をかけたのだ。以来、共通の友人を通して顔を合わせるたび、トムが向けてくるまなざしに、ローラの胸は甘く高鳴る。だが彼は、お金と時間と女性をもてあました15歳も年上の放蕩者。長年別居している妻がいるのにフランス人の美しい恋人を連れている。周りが囁くそんな噂に苦しんだローラは、彼への想いを断とうとした。それなのに、トムはあの小箱を彼女に贈り、激しく唇を奪った。噂を盾にこの愛を拒むことなどできないと、刻印するかのように。
列車で向かいに座った女性を見て、セシリーは、似ていると思った。高級な毛皮のコートを着て、身なりこそ違うけれど、目鼻立ちも、すみれ色の瞳も、ライトブラウンの髪も、わたしと同じ。-とその時、列車が轟音とともに急ブレーキをかけ、激しく揺れた。病院で目を覚ました彼女は、記憶を失っていた。彼女の名前は“ジェシカ”といい、亡くなった父親の遺産相続のため、町に向かう途中の事故だったと、亡父の従弟ジェイムズが教えてくれた。ジェイムズの屋敷で静養することになったが、なにか腑に落ちない。スーツケースにあった服はどれも派手な高級品で好みではないし、ジェイムズがわたしを訝しむようなまなざしで見るのは、なぜ…?
ロウィーナは恋愛を避け、仕事ひとすじに生きてきた。そんな彼女が、予期せぬ妊娠をした。相手はクイン・タイラー。著名な形成外科医としてその名を世界に轟かせている彼は、ロウィーナの大学時代の友人だった。3カ月前、偶然再会するまでは。クインがあまりにもゴージャスな大人の男性に変貌していて、ふだんは男性を避けているのに、つい一夜の情熱に溺れてしまった。いかにもプレイボーイな彼にとっては何でもないことに違いない。とぼとぼとオフィスに向かうロウィーナは、はっと顔を上げた。クインが目の前に立ちはだかっている。どうして彼がここに?彼は怒りに燃えた目で、まっすぐ彼女を睨みつけていたー。
Scores of cats live under poor circumstances in this urban park, which is the location of this story. They don't have their own comfortable homes. But thanks to the feeders who help support their lives, they can survive. Sometimes these cats have friendly contact with people around them similar to house cats, but mostly they move unencumbered around the spacious park like wild animals. Among these homeless cats is a large male named Hachi. This book focused on Hachi but also describes a female cat, Chako, and another male cat, Futa. Observing their daily lives, I've woven a photo story about them.
地球防衛軍が目指すは魔の都・破里…。見る影もなく破壊され尽くした神州日本で、強力なダーク・パワーさえもが侵略できなかった魔界・不二の宮から、安西雄介、伊吹風太ら7名の勇士たちがついに反撃を開始した。敵の首魁クトゥルーの手から、一刻も早く、異次元の虜囚となった、みづちの若長・北斗多一郎を救出しなければならない。最後の力をふりしぼって闘いに挑む彼らを待ちうけているものは…。大河小説の第15弾。第二部「地球聖戦編」の第4作目。
時間商・志賀の素行調査を依頼された私立探偵・佐久は、直ちに志賀の尾行調査を開始した。だが、その翌日、志賀の妻の絞殺死体が発見される。次いで調査依頼者から契約の打ち切り通告が来る。謎にいどむ探偵・佐久は、ついに事件の核心に辿り着くのだが…。私立探偵・佐久と久里十八のコンビを主人公とした作品は、本作のほか『死の報酬』等。日本ハードボイルド界の先駆者である結城昌治が、当時としては珍しいコメディ仕立てで構成した野心作である。
『上海の螢』は、著者が32歳で中日文化協会の文官として滞在した約2年間に及ぶ、敗戦前後の上海での体験を克明に記録した貴重な史料でもあり、一編を遺して未完のままとなった遺作。1947年発表の『審判』は、『上海の螢』より古く、一兵卒として中国参戦した自身の戦場での体験告白でもあり、誰にも裁かれない自分の犯した戦争犯罪を自身の手で裁くために描かれた問題作。第一次戦後派作家の“巨人”武田泰淳と上海という場所の因縁深い二作を同時収録。
六年ぶりに連絡をとった真生子は、ニューヨークでの生活を引き払い帰国したばかりだった。中南米を舞台に写真を撮り続けてきた彼女だったが、東日本大震災が起きると、旧交を暖める間も無く現地に飛んだ。九か月にわたる取材成果を披露する会場に現れた彼女はすっかり痩せて、人生の重大な局面に立たされていることを感じさせるのだった。真生子とは、いまから四十年以上も前、高校生の時に出会った。当時学生運動の波は高校にまで押し寄せてきており、彼女は市内の女子高に通う一学年上の活動家だった。そして、十五歳のぼくは、彼女に淡い恋心を抱いていた。
“女の賞味期限”はいつまでか。 女はいくつまで女でいられるのか、いくつからが中年なのか。やり残したことを探し始めた時? できなくなったことを嘆く時? 主婦になり不妊治療をあきらめてカフェのパートに励む千乃、バツイチとなっても義母と同居し2児を託して証券会社に勤務する泉、起業家と結婚し専業主婦として2児を育てる真子。 大学時代の友人だった彼女たちが47歳の夏に再会した。更年期や子供との関係に悩む一方で、新たな恋や先の見えない恋に陥りながら、女としての残りの人生を考える姿を描く。(解説:ジェーン・スー)
林真理子、衝撃の『源氏物語』新解釈! 帝の子として生を受けた主人公、光は、生まれたときから”みたこともない美しい若君”と呼ばれ、宮中の女性たちの脂粉に囲まれて成長する。幼くして母と死に別れた後、臣籍に降下され源氏の性を与えられた光。やがて左大臣の娘、葵の上と結婚するが、その頃から様々な身分の、様々なタイプの女性たちとの関係に明け暮れる。そしてついには、母に生き写しといわれる、父=帝の妻、藤壺とも関係を持つに至った光。その藤壺が産んだ子は・・・幼い頃の光に、うりふたつであった。 平安時代中期の京都を舞台に描かれた、紫式部による、世界最古にして最高の恋愛大長編小説を、恋愛小説の神様=林真理子が再構築し、現代的アレンジを加えることによって誕生した”小説版源氏物語”の前編。原書での第一帖「桐壺」から第十三帖「明石」までを中心に構成。 これまで、日本文学史上の数多の文豪が手がけてきた”源氏物語の訳”ではなく、大胆な章立ての変更。さらには、本来登場人物のひとりにすぎなかった六条御息所の”ひとり語り”という革新的手法を用いることによって、世界的古典文学の名作が、現代人にとってリアルに楽しめる、光源氏を巡る性愛の一大活劇となった! 【編集担当からのおすすめ情報】 1,この上下巻同時発売に合わせて、林真理子さんの小学館文庫3作品『コスメティック』『anego』『秋の森の奇跡』と一緒に、『林真理子文庫フェア』を書店にて開催予定。すべてに林真理子さんの顔写真の入った特別文庫オビが入ります。 2,この上下巻同時発売に合わせて、9月1日発売の『Domani』『和樂』、9月7日発売の『Precious』にて、林真理子さんインタビュー+林真理子文庫フェア告知記事(4ページ〜8ページ)を掲載します。 桐壺の更衣 6 空蝉の君 25 夕顔の君 84 若紫の君 122 末摘花の君 179 源典侍 217 葵の上 237 藤壺の宮 277 出京 297 須磨 335 明石の君 354 主要登場人物紹介&人物相関図 394
『源氏物語』から・・・不倫と性愛の千年史 光源氏の子供を出産し、出家をした、父=前帝の妻、藤壺。そのことで罪の意識にさいなまれながらも、新たな女性たちとの関係をさらに広げる、主人公、光源氏。自らの罪の重さに、都を離れ須磨へと旅立つが、そこでもまた、新たな女性との関係を持っていく。後編にあたる本書では、光源氏が須磨から再び都に戻った後、亡くなるまでの壮年期、熟年期の恋愛、性愛を、丹念な心理描写、情景描写で描いていく。 最大の盛り上がりは、原書の第三十五帖「柏木」にあたるところ。光源氏と妻、女三の宮との間に生まれた子が、実は自らの子ではなく、不義の子であることを光源氏が知る場面。かつて自らが犯した罪と同じような状況で、自らに降りかかる因果。そのときの光源氏の心の内を、恋愛小説の名手、林真理子はどのように描いていくのか。 不倫あり、同性愛あり、ロリコンあり、熟女愛あり・・・現代にも通ずる、あらゆる性愛の類型が登場する、世界にも希なる恋愛大河小説。その結末や如何に! 誰もが学校の授業で習った、あの『源氏物語』が、実はここまで過激で、こんなに面白かったなんて! 【編集担当からのおすすめ情報】 1,この上下巻同時発売に合わせて、林真理子さんの小学館文庫3作品『コスメティック』『anego』『秋の森の奇跡』と一緒に、『林真理子文庫フェア』を書店にて開催予定。すべてに林真理子さんの顔写真の入った特製文庫オビが入ります。 2,この上下巻同時発売に合わせて、9月1日発売の『Domani』『和樂』、9月7日発売の『Precious』にて、林真理子さんインタビュー+林真理子文庫フェア告知記事(4ページ〜8ページ)を掲載します。 六条御息所 6 告白 86 朝顔の宮 102 六条邸 121 玉鬘 160 夕顔の娘 200 女三の宮 257 柏木 313 宿命 351 落日 429 終焉 467 文庫版あとがき 487 主要登場人物紹介&人物相関図 492
戦国大名のはざまに生きる遠江の国人領主の一人娘に生まれ、幼くして許婚との別離に遭遇。出家を決断するが、その後も一族の男系を次々と失うと、男の名に改めて城主の道を選ぶ。お家存亡のなか、許婚の遺児を育て、乱世の覇者と見た徳川家康のもとに出仕を果たす。井伊家を再興し、大大名に押し上げた女城主の波瀾の生涯を描く歴史小説。
第一回文藝賞受賞、早逝した天才作家デビュー作。妻が神経を病む中、家政婦と関係を持った法学部教授・正木。妻の死後知人の娘と婚約し、家政婦から婚約不履行で告訴された彼の孤立と破滅に迫る。亀山郁夫氏絶賛!
全日本マーチングコンテストに向けて、過酷な特訓を重ねる立華高校吹奏楽部の部員たち。1年生ながらAメンバーに選ばれた梓も日々練習に励むが、梓に相談もなくカラーガードを志望したあみかとのあいだにはしこりを残したままだった。梓の胸に蘇る、中学時代のトラウマ。そんななか、マーチングコンテストを目の前にして思わぬアクシデントが起こり…。アニメ化話題作に新シリーズ登場!
捜査二課特殊知能犯罪係主任を拝命した郷間彩香。しかし、新設されたばかりの郷間班は、課をあげて追いかけている大手商社・亜秀商事の贈収賄事件を担当させてもらえない。「事件に大きいも小さいもない」と息巻く彩香は、亜秀商事の役員・峯の約十万円の横領容疑を追いはじめるが、峯と関係していた新田という男が不審死を遂げていたことから、大型贈収賄事件の端縮をつかんでいくー。