2016年発売
小籐次の想い人おりょうに持ち上がった、二千四百石の高家・畠山頼近との縁談。おりょうは不安と不審を小籐次に吐露する。複雑な胸中を押し殺し、頼近についての調査を約する小籐次。次第に明らかになっていく意外な事実。そんな中、おりょうが手紙を残し、失踪したー。背後に蠢くものは何なのか。小籐次の孫六兼元、一閃!
新大陸に到着した早々、難事件を次々解決したヴィクトリカと一弥。開業したグレイウルフ探偵社には依頼人が殺到。伝説の銀行強盗が脱獄したというが……? 奇跡の名コンビが、またもN.Y.中を巻きこむ大活躍!?
群馬県警の叩きあげ「着たきり刑事」財津と新米エリート塩野のコンビが難事件に挑む。 スーパーフジトミの事務所で女性従業員とアルバイト女子高校生の三人が射殺される凶悪事件が起きた。容疑者の中国人は、その後別件で強制帰国させられ本国で死刑が執行されてしまう。 20年後。当時の容疑者の一人だった男性のひとり娘が、中国で覚醒剤密輸容疑で逮捕される。これがかつての射殺事件の真相を炙り出すために仕組まれた罠だった…
まるで時の女神がうっかり回収し忘れたような。北の大地の片隅に、ぽつんとたたずむ中学分校には、一年生四人と三年生一人が学んでいた。たった五人でも、自称霊感少女もいれば嘘つきな少年もいる。そこに赴任してきたのは、やる気皆無の若い教師。けれど、やがて彼が知ることになる少年の嘘の痛ましいわけとは?ころびながら、くじけながら明日を探す、五人の青い魂の物語。
「これから〈作戦〉の説明をする」。米軍機F22との模擬格闘訓練を終えたばかりの自衛隊のパイロットに向けて語られるアメリカ空軍からの指令。それは「亜細亜のあけぼの」と自称するテロリスト〈牙〉にまつわるものだった。日本をテロの恐怖に陥れ、ベトナム編隊を全滅させ、護衛のアメリカ空軍を手玉にとった因縁の相手〈牙〉との対決の刻、迫る。大好評スクランブルシリーズ最新刊!
柊清三郎は福岡藩の普請方の三男。十七歳で仏師の修行に入り、師匠の娘おゆきの婿に望まれた。しかし、仏性が見出せず、修行のため、三年間京に出る。戻ったとき、師匠は賊に殺され、妻は辱めを受け、行方不明に。妻のおゆきが豪商・伊藤小左衛門の世話になっていると判明し、お抱仏師に志願して、十一面観音菩薩像を彫った。しかし、抜け荷の咎で小左衛門が磔となり、おゆきも姫島に流罪になってしまう。清三郎はおゆきのため、姫島に渡ろうとして…。
お好み焼きの命ともいうべきソース。夫婦二人でソースを作っていた町工場。奥さんの体調不良と借金がかさんで閉店になりそうになった。そこで立ち上がったのは意外な人物で……。神戸を舞台に、様々な職種の人たちが絡み合う人情小説、2ヵ月連続の書き下ろし第2弾。
水都セキュリティサービス警護課に所属する岡崎大希は、グループ総帥じきじきに呼び出され、ある特殊任務を与えられた。それは、宗教団体アマツワタリの指導者である天川煌という十七歳の少女の護衛だった。教団の内紛で事故にあった彼女は入院中。さまざまな思惑を持つ連中の追跡を振り切り、彼女をようやく安全なホテルへ送り届けたと思った矢先、大阪府ほぼ全域が、異世界に転移した!! 第36回日本SF大賞受賞の『突変』シリーズ新作書下し!
これはうつつのことなのかー。目付・川名佐吉のいる備中高松城は、秀吉による兵糧攻めの一環として、周囲を水で囲まれ、陸の孤島と化していた。そんな中、城中で老臣の暗殺が起きる。早速、佐吉は犯人探しを始めるが、飢えと日を追うごとに増す水位、非協力的な家臣たちが邪魔をし、調べは遅々として進まない。さらに、何者かの凶刃が佐吉の命を狙い…。密室の城で一体何が?!
2014年に江戸川乱歩生誕120年を記念して刊行されたアンソロジー「みんなの少年探偵団」。 子供時代、少年探偵団と怪人二十面相の息詰まる対決に胸を躍らせた過去を持つ豪華作家陣が、当時のドキドキ感を筆に込めて見事なオマージュ小説を書き上げ、各種メディアでも話題になった一冊。満を持して文庫化! <収録作> 万城目学「永遠」 湊かなえ「少女探偵団」 小路幸也「東京の探偵たち」 向井湘吾「指数犬」 藤谷治「解散二十面相」
三人組も42歳。子ども達も思春期を迎え、いじめ問題や反抗期など、それぞれが抱える悩みに親として立ち向かっていく。一方、かつて化けダヌキを封印していた狛犬が、再開発のため動かされたようでー。大好評のズッコケ中年三人組シリーズ第三弾!
2016年10月スタートTBS系大人気ドラマ、待望の小説化!89代続く貴族の末裔、法門寺家当主・法門沙羅駆。常に暇を持て余し、自らが解くに値する“謎”を求める沙羅駆が、世間にはびこる難事件をIQ246(超遺伝頭脳)で鮮やかに解決する。大人も楽しめる上質な本格ミステリー。キャストスペシャルインタビュー収録!!
オーストリア皇帝を夫に持ち、姑につらい仕打ちを受けながらも、自分の人生を生きたエリザベート。ルートヴィヒ二世との不思議な関係、最愛の息子も失い、放浪を繰り返す彼女を、本当に愛したのは誰だったのかー桐生操が、新釈に挑む!
ジャンルを越え、小説の面白さをとことんまで追求した画期的アンソロジー。最終配本となる第2巻は、日本が世界に誇る忍者・剣豪小説の豊穣な作品群から選りすぐった名編10編を収録。ロマンと活劇の快楽に酔いしれる一巻! ●編集委員/逢坂剛 大沢在昌 北方謙三 船戸与一 夢枕獏 [編集室から] 当初、「忍者」と「剣客」の2巻に分かれていたが、1巻にまとめざるをえなかった。 となると、編集委員の方々も気合いが入る。 どの作品も落としたくない。しかし半分にせねばならない。 豊穣な日本の忍者・剣豪小説から1500枚を選ぶ、という暴挙を敢行してこの10編が残った。 佳作傑作名作が他にもたくさんあることは、承知のうえである。 幸い、はずさざるをえなかった作品の一部を他の巻に散らせることはできた。 [収録作] 【長編】 山田風太郎「甲賀忍法帖」 柴田錬三郎「赤い影法師」 【短編】 綱淵謙錠「讐」 津本陽「隼人の太刀風」 滝口康彦「異聞浪人記」 五味康祐「柳生連也斎」 【掌編】 江國香織「草之丞の話」 清水義範「猿取佐助」 逢坂剛「決闘」 小泉八雲「かけひき」
日本新報の新聞記者・南康祐は、会社にとって不利益な情報を握る危険人物であるとみなされ、編集局から社長室へと異動させられる。その頃、新聞社に未来はないと判断し、外資系IT企業・AMCへの「身売り」工作を始めていた社長の小寺が急死する。九州に左遷されていた新里が急遽社長に就任することとなり、売却交渉を引き継ぐが、労働組合から会社OBまで、多方面から徹底的な反発を受ける。危機に瀕した大手新聞社が行き着いた結末とはー。
出版社に勤務する久木は、書道講師で人妻の、凛子と出会う。逢瀬を重ねるごとに淑やかな凛子は、いつしか性の歓びの底知れない深みに囚われていく。まさしく愛にも「時分の花」がある。今、圧倒的な愛もやがてうつろう。そんな不安と恐怖にかられたふたりが、愛の頂点で選んだ、衝撃の結末とは?
元「怪盗紳士」も、若手刑事も、ちょっと不思議な花屋さんもいる花咲小路商店街。たくさんのユニークな人々が暮らし、日々大小さまざまな事件が起こる。今回の舞台は花咲小路唯一の深夜営業のお店、「喫茶ナイト」。商店街のみなさんの、夜にしかできない相談ごとに応えていてー。
すべての記憶を喪くし、覚醒と混濁する意識の狭間にいた安西雄介は、奇妙な既視感を抱きながら、幾つもの次元を転移していく…。「オレハダレダ」太古の神州にスサの王という名の自我を見い出し、悟入直前のシッダルーダの血肉となる。時空連続体を彷徨しながら、彼は今や、大いなる宇宙に紡がれた歴史の傍観者であり、自ら真理そのものであった。大河小説の第18弾。第二部「地球聖戦編」の第7作目。
読み終えた後、瞼の裏に何が映りますか? 読後、きっと家族を抱きしめたくなります。 涙がとめどなく溢れ出る、感動の物語! 読み始める前に、必ずハンカチのご用意を……!! たびたび有名人と浮き名を流す著名な近代日本画家・来栖(くるす)現と、一途に彼を支え続ける妻・佳世。 家族の枠を超えた大きな愛で人々を包み込む佳世のもとには、いつもたくさんの人が訪れる。 佳世の存在は、現や娘の愛子、愛子の彼氏・哲生だけでなく、佳世が営む小料理屋の常連など、皆の心を優しく温めていた。 放蕩の限りを尽くしてきた現は、佳世が心臓の病気で亡くなった際も旅先から帰らず、葬儀も欠席する。 結局喪主を務めることになった娘の愛子は、それ以来父親を許すことができず、自らも連絡を絶ってしまう。 ところがある時、愛子の息子・春也が、佳世の死後小料理屋を切り盛りしていた倉田すみ江を通じて、会ったことがないはずの現と手紙のやり取りをしていることに気づくーー。 『三軒茶屋星座館』シリーズで話題の著者が描いた、愛しくも切ない家族小説。 ーーあなたは家族を大切にできていますか?