2016年発売
小倉ひかりは、父について知りたい、もしかしたらどこかで再会できるかもしれないという思いから、父が勤めていた“株式会社ツブラヤ絞”に転職した。ひかりの父・安太郎は、天才的なヘラ絞り職人だった。ヘラ絞りに夢中になったひかりはめざましい上達を遂げ、数年後にはテレビに出演。さらには、宇宙の謎の解明につながる最先端プロジェクトへの参加の依頼までが舞い込んだー。父親との再会は果たせるのか?思いもよらない衝撃の真実が、ひかりを待ち受ける!
河川敷で猫と暮らす柳さんは、ある日町で「野良ビトに缶を与えないでください」という看板を見た。やがて国ぐるみで野宿者を隔離しようとする計画が…。ほんの少しだけ未来の日本を舞台に、格差、貧困、差別の問題に迫る新鋭の力作。
脳外科の最初の講義、見慣れない初老の講師は「ある患者の脳の病変が消えた。その理由を説明しなさい」と唐突に言い放つ。学生たちは数々の推論を重ねていくが一向に正解にたどり着けない。しかし、たった一人西丸豊だけが、その意外な真相を導き出すーー。第11回ミステリーズ!新人賞受賞作「消えた脳病変」を含む五編収録の医療ミステリ。現役医師が放つ、“臨床探偵”西丸豊の静かな推理。
都会を走る移動図書館「本バスめぐりん」。乗り込むのは六十代後半の新人運転手・テルさんと、図書館司書・ウメちゃんの、年の差四十のでこぼこコンビだ。団地、公園、ビジネス街など巡回先には、利用者とふしぎな謎がめぐりんの到着を待ちかまえていて……。テルさんのとまどいとウメちゃんの元気、そしてたくさんの本を詰め込んで、本バスめぐりんは今日も走る。本屋、出版社などさまざまな「本の現場」を描く著者の次なる現場は、移動図書館! 本を愛するすべての人に贈る、ハートフル・ミステリ。
いつもの憂鬱な朝、急に「サイキック探偵になる」と言いだした姉・芙二子に振り回される三紅。行方不明の女性の調査をすることになった二人は、事故物件を扱う不動産屋の神凪怜と出会う。三紅の心酔する霊能力者に似たクールな印象の男性だが、どこか胡散臭い。しかし、偶然に三紅が神凪に触れた瞬間、聞こえないはずの右耳から、不思議な声が聞こえてくる。その一方、神凪も見えないはずのモノが見えているらしいーー。デビュー作『強欲な羊』で度肝を抜いた新鋭が、様々な恐怖症をテーマにした四つの不可思議な事件で、貴方の心を抉ります。
今川家の支配下で、次々と非業の死を遂げる井伊家の当主たち。お家滅亡が迫るなか、残された“最後の希望”が幼い直政であった。だが、井伊谷に進出した徳川家の臣下に加わることで運命が大きく動きはじめる。家康の信頼を一身に受けた直政は、「赤備え」の若き勇将へとたくましく成長。天下わけ目の関ヶ原合戦へと突き進んでいく。“一族の悲願”を背負い、乱世を駆け抜けた男の姿を描く力作。
エリート街道から一転、異世界の魔法少女エリィ・ゴールデンに転生してしまった小橋川。ボーンリザードの襲撃という難局を乗り越えたエリィは、その武勲を称えられ、グレイフナー王国の国王と謁見することになる。そして王より褒美を賜ることになった彼女は、王都のメインストリートの一角をある物の広告のため使用したいと伝えるのだがー。異世界でのブランディングに雑誌の創刊!?「小説家になろう」発、ブスでデブが成り上がる、新感覚異世界ライフ、待望の第二弾。
ついに、ダンジョンは独立国ウィードとなり、ユキは14人の嫁たちと結婚式を挙げて正式な夫婦になった。だが、建国祭に前後して、次々に問題が噴出。異世界転移してきた日本人勇者を抱える国ランクスの暴走、もう1人の魔王の動向、そして愛の力で覚醒するという美少女勇者がダンジョンに!?-昼はダンジョン運営、夜は子づくりで大忙し!「小説家になろう」発、大ヒット迷宮運営ファンタジー第五弾!書き下ろし番外編では、ユキと嫁たちの結婚式の話が描かれる。
「ほんとうにたいせつなものは目にみえない」 映画「あん」の原作者が訳す、永遠の名作。 ドリアン助川さんが撮影した、「星の王子さまとサン=テグジュペリ像」ほか、撮りおろし写真も掲載! 原文には忠実に、しかしまったく新しい冒険心をもって『星の王子さま』を全訳しました。 サン=テグジュペリ生誕の地リヨンや、彼が撃墜されたマルセイユ沖の海を訪れた旅の記録。また、母親に宛てた最後の手紙の全訳など、訳者あとがきも大充実です。ぜひ、ご覧になって下さい。 ドリアン助川
松前藩主の嫡子・良昌からの再三の申し出に、側室になることを決意した不破茜だが、良昌の体調が刻一刻と悪化していく。一方、才気溢れる絵を描く弟弟子から批判され、自らの才能に悩む伊与太は当代一の絵師、葛飾北斎のもとを訪ねる。人生の岐路に立つ若者たちに、伊三次とお文はなにを伝えられるのか。
厳冬のマッキンリーで消息を絶った津田悟。最愛の妻は出産直前、アラスカを舞台にした新規事業がようやく端緒につくという大事な時期に、彼はなぜ無謀ともいえる単独行に挑んだのか。極限状態の中、親友の吉沢を始めとする捜索隊が必死の探索行の末に辿り着いた奇跡とは?山岳小説の最高峰がここに!
人前には自らの顔を決して見せない火付盗賊改の頭領、長谷川平蔵。オランダ渡りの秘薬の謎を探り、盗賊を率いる父娘を追う。ある日、自分の父であるという“本所のへいぞう”が訪ね、京から若い女絵師が下って来た…。ハードボイルドの調べに乗せて描く、逢坂版平蔵シリーズ第二弾!吉川英治文学賞受賞作。
製菓メーカー主催のクイズ大会に参加したものの、優勝候補の不自然な脱落を怪しむ探偵の橋本。その背後を探り始めた十津川警部にも危機が迫るー。東京駅から神戸、有馬温泉、洋上へと舞台が移り変わるノンストップ・ミステリー。ストーリーの進行に応じ難問クイズも登場(解答つき)。貴方は事件の謎とクイズが解けるか?
思い出して、思い出して、忘れて行くこともある── 釧路で書道教室を営む夏紀は、軽い認知症を患った母がつぶやいた、聞き慣れない地名を 新聞の短歌の中に見つける。 父親を知らぬ自分の出生と関わりがあるのではと、短歌を投稿した元教師の徳一に会いに根室へ。ひとつの短歌に引き寄せられた二人の出会いが、オホーツクで封印された過去を蘇らせる……。 桜木ノワールの原点ともいうべき作品、ついに文庫化。
紅雲町のはずれにある小さな商店街、通称「ヤナギ」が大家の発案で改装されることになった。手掛けるのは新進気鋭の女性建築家だという。長年の客で、数日前に店の前で車に轢かれそうになったお草も改装話を見守っていたが、関係者それぞれの“秘密”と思惑が絡んで計画は空中分解寸前にー。大好評シリーズ、待望の第4弾!
なぜ、私は「あしたはれたら死のう」と書いた翌日、橋から飛び降りたのかー。自殺未遂の結果、数年分の記憶と感情の一部を失った少女、遠子。そのとき一緒だった同級生男子の志信は亡くなったが、周囲も、遠子自身もなぜ自分たちが死を選ぼうとしたのか、わからない。唯一の手がかりはSNSに残された日記だけだった…。
大川に簀巻にされた土左衛門があがった。どうやら本所と浅草の、博奕打ちの一家同士の揉め事らしい。南町奉行所吟味方与力・秋山久蔵は、わざと静観して双方を争わせ、年末の“煤払い”とばかりに一網打尽にしようと企てる。一方、秋山家では長男の大助が成長ぶりを見せ、妻の香織にも変化が…。絶好調のシリーズ第28弾!