2016年発売
東京の裏町に佇むプラネタリウム「三軒茶屋星座館」。店主の和真と家族の元には、歌手、編集者、ヤクザたちが新たな問題を抱えてやってくる。季節は夏、和真に恋する美女が現れるなか、ある一枚の似顔絵が家族の秘密と哀しい過去をつまびらかにしていく。愛しいから大切にしたい人生讃歌エンタメ小説、第2弾。
鼈甲の張形や秘薬などを扱って江戸で知らぬ者なしの四つ目屋は、奥の向きからも御用を給わる老舗。信用を大事に、誇りを持って商いに精を出す店は客を気遣って昼でも暗く、さまざまな思いを抱えた男女が暖簾をくぐるー。『女薫の旅』の著者が新たに放つ、人情味あふれる艶やか時代小説。
カメラマンの乾耕太郎は、幼馴染の美人占い師・深沢桜子に淡い恋心を抱いている。しかし、その父・七ノ瀬天山を死に追いやったという自責の念から、本心を明かせずにいるのだった。「占いと事件」を縦軸に、「幼馴染みの恋の行方」を横軸に描いたミステリー連作集。
美女目当てに大金が舞う秘密交際クラブで、超高級バッグのバーキンを囮にした連続詐欺事件が発生。対探偵課探偵・紗崎玲奈は、証拠品のバーキンを鑑定する万能鑑定士・凛田莉子の危機を救う。バーキン詐欺女の驚くべき正体とは?二大ヒロインが並外れた探偵力と鑑定眼を駆使して立ち向かう。
交通事故で自分だけ生き残った当主は若いセラピストと再婚した。封印された墓所を地下に持つ石造りの館で新しい生活を始める二人。だが都会での生活を捨ててやってきた女には、ある計略があった。村では次々と少年たちが姿を消し、殺戮と埋葬の歴史が繰り返されるなか、冥府から慟哭の真相が浮かび上がる!
首吊り、変死、夜逃げのあった家からでも平気で曰く品を仕入れる皆塵堂に、このところ怪異騒動のたびに増えているのが、雉虎、黒猫…現場に残された子猫たち。幽霊は見えるが猫が苦手な太一郎は凍りつくが、魚屋のくせに大の猫好きの巳之助は、厳つい顔がにんまり。長屋で猫と暮らす野望の実現、なるか!?
17歳の牧師の娘ヴィクトリアは、ある日、村で美しい青年に微笑みかけられ、ひと目で恋に落ちた。彼の名はロバート。領主の息子で爵位を持つ彼は信じられないことにヴィクトリアに愛を囁き、結婚を約束するーだがふたりの恋は身分違い。駆け落ちの夜に彼女は父親に閉じこめられ、翌日、真実を知らされた。ロバートは彼女と結婚する気など毛頭なく、ロンドンへ発ったと。打ちのめされたヴィクトリアは家を出て家庭教師となり、辛いながらも平穏な生活を手に入れた。7年後ロバートが屋敷の客として現れ、彼女を睨みつけるまでは。
エディーは社交界で、“夫に捨てられた公爵夫人”と噂されている。それもそのはず、夫マルグレープ公爵は結婚後すぐに異国に行き、5年もの間それっきり。そもそも美しさとは縁遠いエディーが見目麗しい公爵と結婚できたのは、彼女が裕福な家の出で、一方の公爵は高貴な血筋ながら多額の借金を抱えていたからなのだ。だが、愛なき結婚であろうと、社交界で陰口を叩かれようと、エディーは一人きりの生活に満足していた。そんなある日、突然公爵が英国に戻ってきた。戸惑うエディーに彼は、跡継ぎが欲しくなったのだと言い出し…。
死後の戀×アルフォンス・イノウエ、押繪の奇蹟×杉本一文。ココナツトの實×林由紀子、瓶詰地獄×宮島亜紀。恋の奇想曲×幻想銅版画。恋は残酷、神秘、憂鬱、絶望。夢野久作4つの恋の短篇集。
スカーレットとレットにボニーが生まれる。レットは娘を溺愛するが、スカーレットはアシュリーを忘れられず、レットとの関係は次第に冷えていく。やがて起こる決定的な出来事…。厳しい再建時代にも終わりが見え、南部も新たな時代へ。壮大な物語、全六冊完結!
韓国船が沈没し、251名が亡くなった。その事故で、女性から救命胴衣を奪った日本人男性が暴行罪で裁判となったが、刑法の「緊急避難」が適用され無罪となった。一方、医療少年院時代の恩師・稲見が殺人容疑で逮捕されたため、御子柴は弁護人に名乗り出る。稲見は本当に殺人を犯したのか?『贖罪の奏鳴曲』シリーズ最新作!!圧倒的迫力のリーガル・サスペンス!
大学2年生の新城は、親友に誘われて見た「南部芸能事務所」のお笑いライブに魅了され、その日のうちに芸人を志す。漫才の相方探しをするうちに、女芸人の津田ちゃんから、同じ大学に通う溝口を推薦されるが…。弱小お笑いプロダクションを巡る愛すべき人々を、誰にも書けない筆致で紡ぐシリーズ第1弾!
かつて、世界の秘境を旅するテレビ番組で一躍脚光を浴びた、「ネイチャリング・フォトグラファー」の立花浩樹。バブル崩壊で全てを失ってから15年、事務所の社長に負わされた借金を返すためだけに生きてきた。必死に完済し、気付けば四十代。夢も恋人もなく、母親の家からパチンコに通う日々。ある日、母親の友人・静枝に写真を撮ってほしいと頼まれた立花は、ずっと忘れていたカメラを構える喜びを思い出す。もう一度やり直そうと上京して住み始めたシェアハウスには、同じように人生に敗れた者たちが集まり…。一度は人生に敗れた男女の再び歩み出す姿が胸を打つ、感動の物語。
ある日、アンちゃんの手元に謎めいた和菓子が残された。これは、何を意味するんだろうー美人で頼りがいのある椿店長。「乙女」なイケメン立花さん。元ヤン人妻大学生の桜井さん。そして、食べるの大好きアンちゃん。『みつ屋』のみんなに、また会える。ベストセラー『和菓子のアン』の続編。
大学四年生の武島遼平は、卒業旅行として、ニュージーランド南島を訪れた。現地でトレッキング中に道に迷った遼平は、銃を抱えた中学生ぐらいの少女と、その父親に出会う。農場の飼料畑を食い荒らす野生化したウサギや山羊、ポッサムを狩りながら暮らしている彼らの生活は、遼平にとって、想像もつかないほど自由で、過酷で、逞しいものだったー高峰に抱かれ、荒々しくも美しい自然のなか、生き物の命が身近に感じられた。爽やかな読後感が胸に迫る傑作。
反省しない殺人者には、死ぬより辛い苦痛が。虐待を受けた者には、復讐のチャンスが。そして、愛する者を失った人のもとには、幸せな奇跡がー。天上界から“神様の子”が見た、1話3分で読める42の物語。
1923年、伝道のために妹リジーらとシルクロード最果ての地カシュガルへと赴いたエヴァ。そこで彼女たちを待ち受けていたのは狂信、猜疑、欺瞞、秘密ー策略と欲望の渦巻く地で、最愛の妹ととも心離れたエヴァはしだいに孤立していく。一方、時は現代、ロンドンで暮らすフリーダは、見知らぬ人物の死亡通知を受け取ったのを機に、自らの過去と向き合うことに…。過去と現代、カシュガルとロンドン、2つの時空がつながるとき、見えてきたものとは。自由を求め生き方を模索し続けた女性たちの、彷徨える魂が綴る旅物語!
新米新聞記者の英田紺のもとに届いた一通の手紙。それは旧家の蔵で見つかった呪いの箱を始末してほしい、という依頼だった。呪いの解明のため紺が訪れた、神楽坂にある箱屋敷と呼ばれる館で、うららという名の美しくも不思議な少女は、そっと囁いたー。「うちに開けぬ箱もありませんし、閉じれぬ箱も、ありませぬ」謎と秘密と、語れぬ大切な思いが詰まった箱は、今、開かれる。