2016年発売
美人ピアノ教師が失踪した。手掛かりは乗り捨てられた自転車のみで、警察はまともに取り合わない。刻一刻と時が過ぎるなか、懸命に行方を捜す教え子の亜美が藁にもすがる思いで捜索を依頼したのは、不思議な能力を持つお笑い芸人だった。触れたモノに宿る思念を読み取る仙石と、とにかく弁の立つ丸山。はみ出し者二人と亜美による予測不能の事件捜査が始まるー。著者初の長編ミステリー。
圧倒的な知能を持つ謎の生命体“アザーズ”が、人類への攻撃を開始した。地球規模の停電や致死的な伝染病、人間と見分けのつかないエイリアンの暗殺者などにより、人類の97パーセントが死滅。さらなる攻撃「第五の波」(フィフス・ウェイブ)が迫るなか、少女キャシーは生き別れた弟を無事見つけ出すことができるのか…怒涛のラストへとノンストップでひた走る全米大ベストセラーが登場ー!!
トム・ソーヤーとハック・フィン、ふたつの冒険を同時収録!ほかにも世界初の指紋捜査小説やコミカルな紀行文など、アメリカ文学の金字塔たる、自由で多才な魅力がたっぷり。
伝わらない思いとか、つぶされていく気持ちとか…。「夜」の声は、耳を傾けようとする人にしか聴こえない。「夜」の声は、聴くことを許された者にしか聴こえない。この作品は、今日も、どこかで、かすかに聴こえる私たちの「夜」を描いた小説です。気鋭が贈る、狂おしいほどの「友情」小説。
男性医師が自宅マンションで死体で発見された。発見者は婚約者とその妹。死亡推定時刻に同僚医師が被害者宅を訪れていたことがわかり、捜査は順調に進展するかと思われた。いっぽう厚労省の医療事故調査チームは手術ミスの告発を受けて、被害者のいた病院を調べていた。殺人事件と告発は関係しているのか、それとも…。通底する哀しく切実なテーマが、医療サスペンスと本格ミステリーを融合させる!
邪神「群馬王」の復活を願い、世界支配を夢見る「群馬県から来た少女」コヨトルは「群馬王」の「血を受け継ぐ者」である羽柴グンとキャッキャッうふふな学園生活を送っていた…。まるでライトノベルのような日常に突如、現れたのは「栃木から来た少女」トチギーナだった。「その者、桐生特産先染めジャガード織物をまといて日光東照宮に降り立つべし。失われし群馬と栃木との絆を結び、再び北関東を世界の覇者へと導かん…」群馬と栃木を結ぶ戦いの物語が今、始まる…のか?
サイレン女王が治める「みずべの公園市国」-その成立の秘密を探り出す特別ミッションに取り掛かることになった初音、漣、凛。都市設計者が遺したといわれる書籍『オンディーヌ』の原典にヒントがあると踏んだ三人は、文化発表会で「オンディーヌ」の劇を演じることを思いつく。発表会当日、劇は突然の乱入者によって世界線が交わりーブラックボックスに秘められてきた真実を知った、初音たちの決断とは?感動のクライマックス!
幼少時に両親を亡くした少女、シーエ・エレメチアは、超巨大建造物“間隙鋼外殻(クロムシェル)”内にある巨大な集落「街(ネブル)」で暮らしている有機生命体のヒトリだった。シーエは両親の悲願であった夢の大地「アルマ(天蘢未)」への移住を果たすべく、「〓衣守(エグモ)換装士」を目指す。そんな彼女を待ち受ける未来とはー。
ジェイルハウスを脱出し、裏山にいたはずのひろしたちは、いつの間にか自分たちの通う中学校の校庭に横たわっていた。彼らが目を覚ましてあたりを見ると、一緒にいたはずのシュンがいない。あわてるひろしたちに、校舎の屋上から声がかけられる。それは、ゆがんだ笑顔を浮かべてシュンを羽交い絞めにしている直樹だった。彼は言う。「さぁ、ゲームを始めよう」と…。始まりの監獄を舞台に、今、鬼ごっこの幕が上がる!!
「これがお前への報いだ」。FBI捜査官サビッチのもとに謎のメッセージが届いた夜、友人の連邦判事ラムジーが狙撃され重傷を負った。サビッチ夫妻はサンフランシスコへ駆けつけ、ラムジーが裁判を担当していたある事件の存在を知る。容疑者夫妻が自供せず、公判前には担当検事補が行方不明となっていたのだ。そんな中、入院中のラムジーが再度銃撃される。連邦保安官助手イブはFBI捜査官ハリーと組んで捜査にあたり、互いに好意を抱いていくが、その後も犯人による狙撃は続き…?
イングランドとウェールズの国境付近にあるシスル・ヒルの女主人イザベルのもとに、王の命令で騎士ラモンが遣わされた。シスルを敵から守るため、未亡人であるイザベルと結婚し、そこに住むよう言われたというのだ。横暴だった亡夫との結婚生活は苦痛に満ちたもので、女としての悦びを知ることもなかった。男の言いなりになる毎日なんて、もう二度とごめんだ。イザベルはラモンとの床入りには興味がないと宣言し、頑なに拒否するが、浴場で彼の逞しい裸体をまのあたりにすると思わず息をのんでしまい…
ビール会社の営業課長、明良。部下からも友人からも信頼される彼の家に、謎めいた贈り物が?都議会議員の夫と息子を愛する篤子。思いがけず夫や、ママ友の秘密を知ってしまう。TV局の報道ディレクター、謙一郎。香港の雨傘革命や生殖医療研究を取材する。結婚を控えたある日…2014年の東京で暮らす3人の悩み、ためらい。果たして、あの選択でよかったのかー
日奈子に突然つきつけられた夫の不倫写真。しかし、夫は性的不能のはずだった。夫の衝撃的な告白で崩れていく幸せな生活。そして、日奈子が気付いた自分の本当の気持ちとは…やるせない心情を繊細に、生々しく描き出す長編小説。
孤高の作家が生んだ比類なき、怒涛の長編。主人公フランツーヨーゼフ・ムーラウが両親と兄の死を告げる電報を受け取るローマの章「電報」と、主人公が葬儀のために訪れる故郷ヴォルフスエックを描く章「遺書」からなる本書は、反復と間接話法を多用した独特の文体で、読者を圧倒する。
「多重迷宮」事件から遡ること二年、南北に分断された、もうひとつの日本。“禁止区域”での壮絶な過去を背負う神子都だが、相棒・颯平と保護者・秀秋に見守られながら女子高生として平穏な毎日を送っている。夏のある日、神子都も所属する地下世界研究会に依頼が舞い込む。女子大学の地下劇場「13シアター」で多発する転落事故の原因を調べて欲しいというのだ。依頼主は四人の女子学生による演劇サークル「ビッチ・バッコス」。しかし調査の最中、四人の中の一人が犠牲者にー。七ツ森神子都が挑むのは究極の階段密室!
ある週末の夜、スージーのみすぼらしいフラットに、ゴージャスな男性が100本の薔薇を抱えてやってきた。「きみは僕のタイプじゃないが、どうしても一度抱きたい」彼の名はセルジオ・ブージ、世界的企業を率いる大富豪だ。セルジオとレストランで出会い、誘われたのは2週間前のこと。金目当ての女と決めつけられて傷つき、その夜はキスだけで別れた。けれど、あまりにも魅力的な彼に強引に求められては抵抗できず、“短期間の体だけの関係”をスージーは受け入れてしまう。二人の相性は申し分なかった。それでもいつか終わるはずの関係が、思いがけない事態を迎える。スージーが妊娠したのだ。セルジオがスージーの思いに応えてくれる日は来るのか?切ないラブストーリー。
家政婦のオリビアは、国王アジズに突然呼び出された。アジズは2日後に結婚を控えている身だ。しかし、婚約者である隣国の女王が誘拐され、行方不明だという。その身代わりとして、国民の前に姿を見せてほしいというのだ。いくらなんでも無茶すぎるけれど、一国の君主にノーとは言えない。結局、オリビアは未来の王妃を装ってアジズの隣に立った。急場しのぎの演技なのに、歓迎する民衆の前で彼は熱く唇を重ねた。ずっと男性を避けてきたオリビアにとって、衝撃のキスだった。私は偽物。どんなに焦がれても、本物の花嫁はほかにいる。ところが、アジズの許嫁は何日経っても見つからず…。
「結婚してくれないか?」ジョーダンはララを見つめて言った。愛を交わした直後の求婚に、彼女は絶句した。ジョーダンは、ロンドン社交界で話題の若き不動産王。いつも違う女性とパーティに現れる彼に、ララは反感を覚えていたが、酔った友人に迫られているところを助けられ、心を許すようになる。ホテルチェーンを経営する父とも、彼はすぐによしみを通じた。でも、まさかこんなにも早く結ばれ、求婚されるなんて。「もちろんよ…。愛しているわ、ジョーダン」夢見心地で申し出に応じたララだったが、この結婚には、世にも悲しい企みが隠されていた。